なんちゃらドラゴン、めっちゃかわいい?

「【障壁】!【竜巻】!【放水】!」


溜めていた魔力を三つの魔法に分けて発射する。


ビルのような高さのドラゴンを、障壁がすっぽりはめ、竜巻と放水でドラゴンのダメージをじわじわと削り、窒息させる。それが俺の作戦だ。いつも犯罪者を懲らしめる時の魔法の応用だな。




「さすがに気絶してるだろ。」


ひとり呟きドラゴンのもとへテレポートする。




ドラゴンを囲っている、大きい障壁のところに着き、よく見てみると、俺の予想通り気絶していた。


「良かったー!」


もう少し早く倒したかったという悔しい気持ちと、喜びの気持ちが混ざり合い、変な心境だ。




「こいつ、使い魔にできるかなー!!」


大声で、百メートルほど先で戦いを見守っていたレイカに聞く。


「多分大丈夫だと思いますよ!死んでいなければヒールで治せますので。それより私を先ほどの魔法でつぶしてください!」


レイカが興奮気味に言う。


もう一時間たったか。というか、こいつもう二重人格だな。


俺はテレポートでレイカのもとへ行き、催眠をかけてみることにした。




「【催眠】!」


ーレイカのドⅯ癖を一時間だけ強制する。


心の中で催眠したいことを唱える。




「どうかな?」


催眠が終わったレイカの顔を覗き込む。




「何がですか?それよりも、先ほどのドラゴンを使い魔にしてしまいましょう!」


レイカが不思議そうに答える。


...ドMの性癖はなくなったみたいだな。成功したみたいだ。




成功に喜びながらも、レイカに聞く。


「ドラを使い魔にした時と同じ様なやり方でいいんだよな?」


「はい。魔力を注ぎ込めば完了です。」


「そっか。じゃあ行ってくる。」


またテレポートを使い、障壁のもとへ転移した。




「額に魔力を注ぐか。」


障壁を解除し、ドラゴンを回復させ、ドラゴンの額に手を当てる。




しばらく魔力を入れて、ドラゴンを観察していると、急に真紅に染まったドラゴンの眼がパチッと開いた。


「もう、いいのか?」


そう聞くと、嬉しそうに鳴いた。


懐くとかわいいな。


そう思いながら、ドラゴンの頭を撫でた。




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