闇属性の練習をしよう!【後編】

「じゃあ、どうやって練習するか?」

俺が聞くと、


「まずは魔獣の召喚からです。呪文の唱え方は人によって違いますが、羅人さま方のやり方は、呪文といえるのかどうかも分かりませんので関係のない話ですね。」

と、皮肉らしい言葉で説明してきた。普通に失礼。


「まあ、やるか!」

気を取り直して、呪文(というか熟語)を言い、魔法陣に魔力を込めていく。


するとレイカが、

「ちょっと待ってください!」

急に言ってきた。

「どうしたんだ?」


手を止めてレイカにの話に耳を傾ける。


「もうこの世界の四大神獣を召喚してしまったので、神獣を召喚することはないと思いますが、一応忠告します。。」


随分と深刻そうな顔で語るものだから、驚いたがあまり大切なことじゃないな。

レイカの言葉を軽視した俺は、また魔力を込め始める。


レイカは心配そうな目で見ていたが、俺はそんなことお構いなしに魔法陣を開き、召喚を始める。


またしばらく魔力を注いでいると、魔法陣の中から黒い霧が立ちこんできて、何かのシルエットが見え始めた。


この状態は最初召喚した時と一緒だな。


しばらく見つめていると、その影はどんどん大きくなって、ついにはマンション位の高さまで達した。


レイカを見るとさっきの心配した目とは違って呆れていた。




「なんなんだ?これ?」


レイカに聞くと、


「ブラッディアイ・デビルドラゴンです。モンスターの中で三番目位に強いやつです。だからあんなに魔力、入れちゃダメです、と言ったのに...。」



とまたもや呆れて答えてくれた。

そんな言葉を聞き、改めてみてみると、そのなんちゃらドラゴンは、血のように赤い眼球に尖った歯、ギザギザの尾を持っていて、いかにもゲームのラスボスなんかに出てきそうな姿をしていた。




「まあ、ほかの属性の練習にもなりますし、使い魔にしてみましょう!」


と、レイカは励ますように言ってくれる。


神の類の人たちは、一言一言が軽いんだよな。



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