魔法の練習

「ただいまー!養子の手続きだしてきた。」




「お帰りー。おっ!出してきたか。じゃあ今日からエル君も家の仲間だね!」


筋利が顔を出してくれる。


「そうだな。というかエル君は?」


さっきから顔が見えなかったので心配して、筋利に聞いてみる。


「さっき外に出て行ったところが見えたよ。外に出てサーチで探してみたらどうだい?あと、もうすぐ夕飯だから見つかったら、すぐ戻ってきな。」


「わかった。行ってくる。」


ドアを開けて、出ていこうとしたとき、


「私も行きます!」


とマリーが俺の腕を引っ張った。


「休んでていいんだぞ?疲れてるだろうし。」

そういうと、


「いいえ!私も行きます!エル君の母親として!」


引き下がらずに言ってきた。


ネリーも母親としての責任感を感じているんだな。

そう思い、ネリーも連れていくことにした。


「【サーチ】!...あっ!いた。」


「どこに...?」


「えっと、丁度うちの裏だな。行ってみるか。」


夜なのに、地面から昼の熱気が伝わってくる。


バタバタしていて、気にしていなかったけど、もう夏かー。みんなで花火でもしてみたいな。


歩き流れそんなことを考えていると、屋敷の裏で、何やらぶつぶつと、唱えているエル君の姿があった。


「何してるんだ?」


「えっ!お兄ちゃん、ネリーさん!?」


「帰ってきてもいないから心配したんだ。というか、もうお兄ちゃんじゃないんだけどな。」


「あの、これからもお兄ちゃんって呼んでいい?」


「それはいいけど。何してたんだ?」



「ぼくもネリーさん...いや、お父さんがお兄ちゃんだったらお母さんはお姉ちゃんか。お姉ちゃんや、お兄ちゃんが魔法を使っているのを見て、使ってみたいなー。って思ったんだ。だから今練習してる。」


「そうなんだ。じゃあネリーやマリーに教えてもらったらどうだ? 」

俺はそんな案を提案した。

これを機にネリーやマリーと仲良くなってほしいし。


「そうですね!頑張ってみます。」


「ぼくもそうしたいです。」


おっ!二人とも賛成か。じゃあ頑張ってもらうか。


「ネリー、頑張れよ!」


「はい!」


「じゃあ戻るか。」


「そうですね。」


「おかえりなさい!」


今度は美稲が迎えてくれた。


大人数が住んでいるから玄関に一人でも人がいる確率が高いのかな。


というか、もう夕飯か。食堂に向かわないとな。


「「「いただきまーす」」」


「召し上がれ!」


レイカが作ってくれたご飯をほおばる。


レイカはいつもこの人数分のおいしいご飯を作ってくれるけど、大変だよな


従業員でも雇おうかな?俺達にはギルドの依頼でためた多額のお金があるし。(食費にしか使っていない。)みんなに相談してみよう。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る