マリーの誤解

「マリー!大丈夫か⁉︎」

マリーの所に駆け寄り必死に体を揺する。


「あたし、回復魔法かけてみる。」

美稲が名乗り出てくれる。

「よろしくな!」

「うん。【ヒール】!」

「でも、おかしいですね。」

王累がつぶやく。


「何が?」

「シャチは確かにマリーさんの方へ進んでいましたが、何も攻撃をしていませんでした。何もされていないのにマリーさんは気絶してしまいました。おかしくないですか?」


「確かに‥」

「まあ、後でネリーさんに聞いてみましょう。」

「そうだな!ちなみにマリーは‥‥」

心配に思い、マリーの顔を覗き込むと、丁度、目が覚めたようだった。

「私、何してたんだっけ‥‥?」

「マリー、ネリーの魔法を受けて、倒れてたんだ。」

「そうだった‥‥、じゃあ私は羅人君の婚約者には‥‥」

そうだったか、まだ誤解が解けていなかったか‥‥。丁寧に説明しないとな。


「元々戦うための目的はエル君の義両親を決めるためだったんだ。だからまだ俺の未来の嫁は決まってないよ。」

「そっか!」

「それよりネリーを迎えに行かないと。」

納得してもらった所で、俺はネリーを迎えに行くために頭の中でテレポートを唱えた。

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