突然の○○!?

ネリーを助けようと思い、竜巻の中をよくみてみると、ぼんやりと水色の光が見えた。


何だろう?そう思い、助けに行くのを兼ねて俺は見に行くことにした。テレポートで移動するかな。


「テレポート!」




「ネリー!大丈夫かー?」


俺は竜巻の中をバランスをとりながら進んでいく。とりあえず水色の光の方へ向かってみるか。それにしてもこの竜巻、結構威力が強いんだな。まあそれほどマリーの魔力が多いってことか。


そう考えながら進んでいると、


「‥‥あ!羅人君!」


と、ネリーが声をかけてきた。


「大丈夫か⁉︎」


ネリーは何やら手をかざして、魔法を発動している。


「何やってんの?」


そう聞くとネリーは、


「内緒です。」


と言い、俺の頬にキスをしてきた。俺の顔が真っ赤になっている事が自分でもわかった。恥ずかしい。


【ネリー視点】


「んー、どうしよう・・・。」

今私はお姉ちゃんの魔法で作った竜巻の中にいる。動こうとしても動けないし、出ることもできないから悩んでいる。

どうやって脱出してお姉ちゃんに少しでもダメージを与えるか、それが問題となる。

私は情報整理するために、ドラさんの言っていたことを一度思い出してみる。

確かドラさんは、私の属性、光魔法で回復、水魔法で攻撃をするといいと言っていた。あと・・・、ピンチの時には最強の水魔法を使うといいとも言っていた。唱えてみようかな。私はそう思い、呪文を唱えはじめた。


「地に育てられられし水の精霊よ我が祈りにこたえたまえ。キラーホエール!」

キラーホエールというのは確か羅人君のいた世界では、『シャチ』と呼ばれているらしい。


しばらく魔力を流して待ってていると、魔力を込めているところから水色の光が現れてきた。

もうちょっとで魔法が完成して、羅人君と近づけると思うと、顔が赤くなってしまう。


「‥‥か‥‥ま‥‥」

「へ?」

誰もいないはずの竜巻から誰かの声が聞こえてきた。なんだろう!?よく耳をすませて聞いてみる。

「ねり‥‥か‥‥ネリー!大丈夫か⁉︎」


羅人君か。そう思った瞬間、安心して、ついへたり込んでしまいそうになった。でも、羅人君のお嫁さんになるためには!と気合を入れたまた魔力を込める。

集中していると、隣に羅人君がいた。またまた顔が赤くなってしまう。

「何やってんの?」

隣にいた羅人君が気になった様子で話しかけてきた。

「内緒です。」


羅人君のお嫁さんになったらもっとしてやるんだから。そんな思いを込めながらも私はキスをした。


しばらくネリーの横で待っていると、ずっと無言で魔力を集めていたネリーが声を出した。

「魔力、注ぎ込み終わりました!これでお姉ちゃんをギャフンと言わせることができます!」

「そ、そうか。」


「はい!あ、羅人さんは竜巻の外から見ていてください。その『てれぽーと』というものを使って。」

「え?いいのか?お前だけ竜巻の中に取り残されることになるけど。」

心配に思いそう聞くと、

「はい!お姉ちゃんに凄い魔法を当てるから気をつけてって言ってください!」

と、自信ありげに言った。じゃあそうさせてもらうか。

「わかった。じゃあ戻るな。」

「はーい!」

そんな会話わ交わして俺は再びみんなのいる所に向かった。


「羅人くーん!」

戻ると真っ先にマリーが俺の方に走ってきた。

「どうしたんだ?」

青い顔をしてマリーは聞いてきた。

「ネリーは⁉︎無事⁉︎」

「ああ、無事だよ。むしろ今からマリーに凄い魔法を当てるからって意気込んでるよ。」


「よかった。私が調子に乗っちゃって魔法を出したから、心配したよ。」

安心したようにマリーは言う。

「というか、まだ戦いは終わってないんだぞ。ネリーも結構な魔力を注いでたから気を抜くなよ。」

「わかったわ。」

そう念をおしていると、竜巻の中からうっすらと見えていた水色の光が強くなり始めた。そろそろ始まるな。

「頑張れよ。」

そう言うと俺は二人の戦う姿を見るために筋利達がいる場所に向かった。


「どっちが勝つと思うかい?」

ふと思ったことを美稲ちゃんと王累に聞いてみる。

「そうですねー。僕はネリーさんだと思いますね。」

「あたしはマリーちゃんだと思うわ。筋利君は?」

「俺は‥‥」

「おーい!」

どちらが勝つかを考えていると羅人がやって来た。そろそろ始まるみたいだ。


手の中で綺麗な水色に光る魔力を見て、私は首をかしげる。魔力を集めたのは良いけどどうやって魔法を出すのだろう?

さっき、呪文は唱えたはずなのだけれど‥‥。もう一回唱えてみようかな。

そう思い、また私はあの呪文を口にした。

「【地に育てられし水の精霊よ、我が祈りにこたえたまえ。キラーホエール!】」

呪文を唱えると、手の中で綺麗に輝いていた水色の玉がどんどん大きくなり、ついにはシャチの形になった。

するとそのシャチは、竜巻を勢いよく通り抜け、お姉ちゃんの方に向かっていった。どうなるのだろう。


竜巻の方を眺めていると、水色の光が何かのシルエットに変わり、マリーの方の向かっていっていることがわかった。なんだ?あれ?

よく目を凝らして見ていると、シルエットの正体は、シャチだとわかった。シャチでどうするつもりなんだ?そう思っていると、シャチはマリーの方へ、どんどん近づいていき、甲高い鳴き声をマリーに浴びせ、水風船のように爆発した。

あれ?マリーも平気だし、 被害はないんじゃないか?

そう考えていると急にマリーが倒れた。どうしたんだ?

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