マリーの緊張

俺がなぜ余計に二人に油を注ぐ様な事を言ったのか。それは簡単だ。


マリーがナンパされた時に俺が助けなかったら、無理やりにでも連れて行かれていただろう。二人とも美人だからそんな時に対抗できるような能力を持っていないと、いつも超能力者の誰かがみんなに付き添わなきゃならない。だからこの機会を利用して二人を試そういうわけだ。勿論強かった方には俺のお嫁さん(?)にしてやろうじゃないか。


「今日はもう遅いから明日、ここに集合な。」

そう言って俺は自室に向かった。


【マリー視点】

私は勢いでこんな事を言った事を今とても後悔している。いきなり俺の嫁にならないかと言われたといえ、最近好きになったばかりだし、これから少しずつアプローチをかけて行って距離を縮めていくという方法もあっただろうに。なんであんな事言っちゃったかなー。私は後悔しながらも自然と足が羅人君の部屋に向かっていく事に気づいた。


部屋の前でノックをしようとすると、隣のドラさんの部屋にネリーが入っていくところだった。姉妹だからって負けないんだからね、と思いを込めながらにらみ合い、凛とした顔つきで部屋に入った。


「どうしたんだ?」

羅人君が笑顔で話しかけてくれる。出会った時はこの笑顔を見ても何も思わなかったけど今はその顔を見ただけで顔を赤くしてして、目を背けてしまう。私は胸がドキドキしているのを抑え、落ち着いて話す。


「私、絶対に勝つわ!」

「そうか!頑張れよ!」

思いを込めて言ったこの言葉は羅人君に届いただろうか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る