心配なネリーちゃんと養子のエル君
【ネリー視点】
「羅人君達、大丈夫ですかね。」
私は心配だった事をドラさんに尋ねる。今私がいるのはドラさんの部屋で、ドラさんと羅人さん達が帰って来るのを待っているところだ。
「羅人様達なら無事に帰って来られますよ。」
ドラさんが笑顔で答えてくれる。
「それより‥。単刀直入に言います。ネリー様は羅人様に恋愛感情を抱いていますよね。」
「へ?」
心の中にしまっていたはずのこの気持ちが、ドラさんに言い当てられてしまって、思わずまぬけな声を出してしまった。
「な、何でわかったのですか⁉︎」
私は焦ってドラさんに聞く。
「分かりますよ。羅人様に頼られた時や、お礼を言われた時、ネリーさん、顔に表れてしまっていますよ。」
「そ、そうですか⁉︎」
「そうですよ。でも羅人様とネリー様、お似合いだと思いますよ。」
「お似合い‥‥」
ドラさんが私を喜ばせようとして言っていたのだとしても、顔が熱くなってしまう。
「でもどうして今羅人さんの事について尋ねたのですか?」
気になったので聞いてみる
「前から気づいていましたよ。私、ネリーさんの恋を応援します!」
「え!いいんですか?」
「もちろんです!」
いつも羅人さんの近くにいるドラさんに味方についてくれればこの
【羅人視点】
「犯人、捕まえました!」
俺はそう言ってギルドのお姉さんに盗まれた物と犯人二人組を差し出す。
「は、はい。犯人と盗まれた物はお預かり致します。なので、これにて依頼完了となります。では、報酬とギルドランクの昇級を致しますので、ギルドカードをお出しください。あ。後この前の屋敷の依頼の報酬もまだでしたね。一緒につけておきます。」
「え。いいですよ。もう報酬の代わりに屋敷を貰いましたから。」
俺は流石に屋敷にお金は欲張り過ぎだと思い反対した。しかしギルド員のお姉さんは引き下がらず、
「いえ、あれは国王からの報酬であり、私どもは何もしておりません。なので報酬はお支払い致します。」
となかなか引き下がらなかったので貰うことにした。これで町のいろんな物が買えるようになるな。
五分後‥‥
今、俺たちは報酬も貰い、ギルドランクも緑から赤に昇級したのだが、あることに頭を悩ませていた。
それは、エル君の事だ。普通は(まあ、こんな事滅多にないとギルド員さんは言っていたが、)
犯人から解放された奴隷は、大人だったらある程度のお金をギルドから貰い解放、子供だったら地球で言う孤児院みたいなところに引き取られるはずなのだが、この提案をエル君に聞かせた時、断固拒否され、俺たちについていきたいと言われたのだった。
俺は別に良かったのだが、引き取るためには養子として国に申請しなければならないのだ。俺はそれでも別にいいのだが、ギルド員さんの話を聞いていくと、養子にするには、正式な夫婦の肩書きが必要ならしい。めんどくせーな。まあ引き取るにしてもネリー達にも相談しないとな。
その事をギルド員さんに伝え、俺たちはエル君を連れて屋敷に向かった。
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