作戦実行!【後編】

俺は早速剣を持ち、相手を引きつける。そこで王累からテレパシーが来た。

(僕と美稲で障壁を作り、相手を囲むのでそのうちにやって下さい!)

((分かった!))


確かに障壁は土属性であって無属性じゃないから大丈夫だな。

「「【障壁】」」


二人が相手の攻撃をガードしてる間に俺と筋利は剣で軽い傷を負わせていく。傷自体はあんまり痛く無いけど、様子見って事で。

「やめろ!俺の言うことが聞けないのか!」


お、反発してる。というかおっさんの奴隷になった覚えないんだけど‥‥

(もうちょっとですね。というか剣や魔法で対抗してきませんね。気絶するまでやりますかね?)


鬼だな。神様と張り合えるくらい鬼だな。まあ仕方ないか。さらに王累と美稲は【放水】でメガネのおっさんを窒息させようとしていた。確かにもう反撃する余地も無いな。


「そろそろ降参しないと溺れてしまいますよ〜。」

「ひ、ひっ!こ、降参します!」

やっと降参したか。おっさんたち、水に弱いな。


「やっとですか。」

王累はそう言い相手のメガネを外していた。これで無属性魔法が使えるな。


「障壁はそのままでいいんじゃないか?」

俺は障壁を解こうとした美稲に声をかける。


「何で?」

「障壁があったら逃げたりできないだろ?」

「確かにそうね。じゃあこのままにしましょう。」


そうだな。もう一人のおっさんを捕まえた時もそんな風にして‥‥って、あのおっさんどこだ?

俺は急いでみんなに伝える。


「おいみんな!もう一人のおっさんがいない!」

「逃げたのですか?」

「多分そうね!あれ⁉︎エルくんもいないわよ‼︎」

「「「えっっっ‼︎」」」

「きっと逃げた男に連れ去られたんです!サーチで探しましょう!」

「おう!」

「「「「【サーチ】!」」」」

「いた!ギルドの近くだ!テレポートで行こう!マリーとクースはこの男を見てて!」

「「分かりました!」」

「「「「【テレポート】!」」」」


もう一回サーチをしてみるか。

「【サーチ】」

「どこかにいたかい?」

筋利がそわそわしながら聞いてくる。

「ちょっと待って‥‥。あ、いた!丁度エル君と会った場所にいる!向かおう!」

「「「「【テレポート】」」」」


「い、いきなり⁉︎そもそもなぜ分かった?」

「お兄ちゃん!」

エル君も無事だな。よかった。ちょっとおっさんを揺さぶってみるか。


「何であんたなんかに秘密を言わなきゃならないんだ?またあんな目にあいたいか?」

「ああん?俺に反抗するってのか?あれはまぐれだ。今度は俺の天才的な魔法で小僧なんて瞬殺してやるよ。」

また、謎の上から目線だな。また障壁&放水‥‥いや、今度はスケレヌを使って倒してみるか。

俺は小声でスケレヌを唱える。

「【スケレヌ】」

「あれ、何だ?あの小僧はどこいった⁉︎出てこないと俺の火属性魔法でぶっ潰すぞ!」


よし、始めるか。俺は【放水】を唱え、少し魔力を込めて放水で出来た水を丸めていく。今知ったけど魔力で魔法の出方、形を変える事が出来るらしい。そして何個も何個も作り、あいつにぶつけていく。

ぶつけ始めてから数秒たった時、


「こ、降参だ!」

とおっさんが手を挙げた。お、今回は早かったな。俺は障壁を張り、メガネのおっさんみたいに出られないように周りを囲った。


すると王累が、今の魔法の出し方に興味を持ったらしく、

「今のなんですか⁉︎興味深いです!」

と尋ねてきた。


「今思いついた魔力固めだ。」

「そうですか‥‥。すごい!」

そして俺は疑問に思ったことを王累に尋ねた。


「この犯人はギルドに引き渡せばいいんだよな。」

「そうですね。ほぼ羅人がやってましたけど‥。」

「まあ、いいじゃないか。さ、マリーとクースたちのところの犯人も連れてくるぞ!」


「「「はーい」」」

俺たちはテレポートでアジトに向かった。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る