元家に帰りました
「別に変わった事は特にないな。」
「そうだね〜。そう言えば羅人君は他にどんな特殊能力がつかえるの?」
「透視っていう能力が使えることが分かってるが。」
「とうしって?」
「透視は壁の向こうの物とか鞄の中の物とかの物を見る事が出来る能力なんだ。」
「ああ、だからクース様の宮殿に行く時の事件を解決出来たんだ。」
「そうだな。」
「というかその透視で私達の下着とか見ないでね。」
「はいはい。」
「ねえ、私、少しお手洗いに行きたいんだけどいい?」
「了解。というかどこにトイレあるの?」
「えっと、元私達が住んでいた家あるじゃん。そこ、まだ売ってないからそこでする。」
「ああ、そこか。」
ここからその元家は、結構近いのでそこでトイレをする事にした。
「路地でテレポートするから路地に向かうぞ。」
「はーい」
路地に着くと、早速テレポートした。
「久しぶりだね〜。」
「そうだなー。ほら、トイレだろ。」
「あ、そーだった。」
「外で待ってるからなー!」
「はーい」
十分後…
あれ、遅いな。流石に時間経ちすぎじゃないか?トイレ、見に行ってみるか。
「マリー!」
俺はそう言いトイレの扉を開けた。あれ?いない。どこに行ったんだろ。
「嫌です!!」
何だ?庭から聞こえて来たぞ。俺は声が聞こえた庭に向かった。
「かわいいお嬢ちゃん、俺たちとお茶しない?」
「止めてください。」
「ほら、お前の顔が怖いから。ほら、君、僕と一緒に行かない?」
「嫌です!」
俺はマリーの困っている顔を見てそいつらに怒りを覚えた。
「おい、マリーが困ってるだろ。止めろよ。しかもここ、俺たちの家だぞ。」
「ああん?どこにお前らの家だっていう証拠があるんだよ。それにお前この子とどういう関係なんだよ。」
仕方ない。ここは少し嘘をつくか。
「俺はマリーの彼氏だよ。さっさとここから出てけ!」
「ちっ、リア充どもめ。」
「大丈夫だったか?お前、可愛いんだからそういう奴らには気をつけろよ。」
柄にも合わないことを言ってしまった。まあマリーが助かったしいいか。
「う、うん。ありがと。助けてくれて。」
「じゃあ行くか。」
「うん!」
私はトイレから出て、羅人君を驚かせようと庭に出た。すると、誰もいないはずの庭から声が聞こえてきた。何を言っているのかはわからないが、見るからに見た目がヤンキーなので、あまり関わらずに通り過ぎたい。でも外に出るには、庭を通るか、庭を通り過ぎて玄関に向かうしかないので、私は気配を消してヤンキー達の前を通った。
「ねえ、君、可愛いね。一緒に遊びに行こうよ。」
「嫌です。」
見つかった。それならもう『嫌です』で乗り切るしかないか。私がそう決心していると、ヤンキー達が、またちょっかいをかけてきた。
「可愛いお嬢ちゃん、僕とお茶しない?」
「止めてください」
「ほら、お前の顔が怖いから。ほら君、僕と一緒に行かない?」
「嫌です!」
もうこの人達について行くしかないのか。私はもう断る気力もなく諦め始めた。
「おい、マリーが困ってるだろ。止めろよ。しかもここ、俺たちの家だぞ。」
え?羅人君?私の眼には、羅人君がもう諦めかけていた私を救ってくれたヒーローのようにのように見えた。
「ああん?どこにお前らの家だっていう証拠があるんだよ。しかもお前とこの子とどういう関係なんだよ。」
「俺はマリーの彼氏だよ。さっさと出てけ!」
「ちっ、リア充どもめ。」
「大丈夫か?お前、可愛いんだからそういう奴らには気をつけろよ。」
羅人君がそう言った瞬間、私は出会った時から胸の奥にしまい込んでいた気持ちに気付いた。
ー私は羅人君が好きだということ。
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