異世界友達一号、二号
「大丈夫だった?」
と助けた二人に声をかけると、こくりと頷き、
「助けていただき、ありがとうございます」
と一人が言った。言語は通じた。よかった。怪我も美稲の回復魔法で治ったようだ。
もう一人は、顔を赤くして、こちらを見ている。すると王累が、
「そう言えば名前をお聞きしていなかったですね。僕は王累です。それから先ほど爆裂魔法を使ったのが羅人。そして貴方達に回復魔法をしたのが美稲で、筋肉が鍛えられているのが筋利です。あなた達のお名前をお聞きしてもよろしいでしょうか。」
筋利の説明が雑だな。まあ、あまり活躍してないから仕方がないか。
「私は姉のマリー=オガストです。宜しくお願い致します。」
「わ、私は妹のネリー=オガストです。よ、よろしくおねがいします。」
「敬語じゃなくていいよ。俺、かた苦しいの苦手だし。俺のこととかみんなの事は呼び捨てでいいし。」
「羅人君がそう言うなら、そうするね。」
「私もそうします‥」
ネリーは思いっきり敬語だけど強制する事ないしいいか。
「ところでマリーちゃんとネリーちゃんはどこの町から来たの?」
「私たちはベムルっていう町からギルドの依頼でここに来たの。けどあんまり魔獣の討伐がうまくいかなくて‥」
「それは災難だったね!僕たちは田舎から出てきたばかりで、じいちゃんにベムルに行くと良いよって言われたからベルムに向かっていたんだけど二人が見えたから助けたんだ!」
「じいちゃん」ってのは神様の事か?無理ありすぎだろ。
「み、みなさんお強いのですね。よかったら、私たちとパーティー組みませんか。」
俺はみんなにテレパシーを送る。やっぱり気持ち悪い。
(どうする?悪いやつではなさそうだけど。)
お、よかった。聞こえたみたいだ。
(でも、パーティー組むとしたら、超能力がばれないようにするのが大変だよね。今テレパシーで話してる無言の時間も怪しいと思うし。)
(しかし、異世界の住人とパーティー組む事で色々と助かる事も多くなると思いますよ。)
(((確かに!!!)))
(ばれたってその時はその時だしね。じゃあ異論はないという事で。)
「じゃあ俺達とパーティー組んでもらっても良い?」
「「もちろん」」
「これからのことが決まったという事で町に行こう!」
「ついたー」
「まずはギルド登録をしましょう。でないと依頼が受けられないので。では、向かいましょう。」
ギルドは、町の入り口の前でにぎわっているの市場に沿っていけば良いので始めて町に来た冒険者でも迷子にはならないみたいだ。まあ、俺たちはサーチですぐみんなを見つけられるけどな。
ギルドに入ると、胸についているものがが大きいお姉さん達が俺達を案内してくれた。まずは属性があるかを魔石が埋め込まれた機会で調べるそうだ。その属性とやらが無いと冒険者にはなれないんだとさ。まあ、俺達はサーチが使えた時点で何かしらの属性はあるはずだが。そんな事を考えながらギルドのお姉さんが見る機会の上に手をかざす。
ん?ギルドのお姉さん達が固まってるぞ。おーい。あれ、一人がギルドの奥に走って行ったな。なんだろ?あっ出てきた。なんかめっちゃ可愛いお姉さん連れてきた。
「私はこのギルドを運営しているコハナ=レイパルといいます。よろしくお願いします。突然ですが、この世界には、火属性、水属性、風属性、光属性、無属性と五つの属性に分かれていますよね。今、その五つの内、いくつをもっているかをこの水晶で調べたのですが、その、貴方は世界でただ一人、全属性をお持ちの方のようです。」
「「「「「「「‥‥‥‥はぁ?」」」」」」」
まじか。確かにそう言えば神様が『魔法を使えるようにしといた』みたいな事言ってたっけ?神様ー、極端すぎー。俺はテレパシーでみんなに話しかける。さっきよりも気持ち悪さがマシになったような‥なれてきたのかな。
(神様がさ、魔法使えるようにしといたって最後に言ってたじゃん。それってさ、みんなに共通する事だからみんなも全属性持ちなんじゃ無いのか?まあ、とりあえずみんなもやってみて!)
俺の声が届くとみんな無言で頷いた。
五分後‥‥‥‥
残りのみんなもやったところみんなも全属性持ちだった。俺の予想が当たったな。
もうギルドの人たちみんな驚き通り越して苦笑いしてたよ。気絶してる人いたし。
まあ全員の属性がちゃんとあったからギルドカードはちゃんと発行できたけどね。
ギルドから出ようとした時に、勝負挑んでくる冒険者いたし、悔しいのかな。
まあ頭冷やせって意味でそいつの周りに「結界」で結界張って、「放水」で、ずぶ濡れにしてやったけどな。
宿の代わりに、ネリーとマリーが二人暮らししている家に泊まらせてもらった。
そんなこんなで異世界に来て一日目は終わった。
二日目‥‥
朝起きて、外に出てみると、 なんかめっちゃ人がいた。住所ばれたな。中には、「羅人さま!結婚してー」だとか、「美稲さん僕と付き合ってくださーい!」だとか「おい羅人!タイマンしろや!」だとかそういう奴らがいっぱいいた。
ネリーとマリーの家は住宅街のど真ん中にたっていて、まだ朝早いので、寝てる人も多い。そんな中騒ぐなんて論外だろ。はぁ。
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