仲間との出会い

始まり

「それでのう、こいる君たちは、地球で善といえる行いをしていて、神界からわしたちが見る限りでもそれを与える権利があるとみんなも賛成しておってのう」




今、俺たちがいるのは、おじいさんが言ったとおり神界と呼ばれる場所だ。


しかし、この神界が地球なのかは謎だが。




その神界で俺たちは四人は、おじいさんの話をあまり呑み込めていないまま聞いている。


おじさんが一方的に話しているだけだからな。


しかも俺たち四人、赤の他人だ。




一人目はとても頭がよさそうなメガネをかけた男子。


多分小学生くらいかな。


二人目はめっちゃ色気が出ているお姉さん。


俺より年上だろ。


三人目は体育会系の男子。


あの人は、たぶん、俺と同じくらいだろう。脳筋ぽい。




それはそうとして、さっきから気になってるけど、おじいさんが言ってる『それ』って何だろう?


何気なく聞いてみようとすると、さっきの小学生くらいの男の子が、


「あの、先ほどから貴方がおしゃっている『それ』とは何でしょうか?」


と俺が気になってた疑問を口に出した。


「あたしもそれ気になってたー」


「あっ、俺も俺もー」


あ、そうなんだ、みんなも気にしてたんだーと少しほっとしながらも聞く。




「というかここどこですか?それと貴方はどなたですか?」


俺が言うと、おじいさんが


「ああ、重要なことをいうのを忘れてたな」


とまたもや申し訳なさそうに言った。


いや、一番先にそこいえよ!とつっこみそうになったが、おじいさんはお構いなく、詳細を話し始めた。




「さっき、君たちが言ってた『それ』というのは超能力のことで、わしの名前はアルぺ。地球で呼ばれている言い方に直すと、神様じゃな。」


「「「「……は⁈」」」」




静かに聞いていた他の三人も流石に驚いたようだ。


「じゃあここは、神様の家?」


「いや、半分正解で半分不正解じゃな。ここは神みんなの家じゃ。みんなに例えると地球のようにな。」




いや、最後の神様の出した例、明らかに間違ってるだろ。


「では一人一人に超能力をさずけるとするか。はい、みんな並んでー」


「しかしなぜ俺たちだけが超能力、しかも神様にまであって授けられるのですか。」


お、脳筋が言ったか。確かに脳筋のいうことも気になるな。


「ああ、君たちには異世界、簡単に言えば地球とは異なる世界『ユキリ』に行ってもらうからなー」


「「「「は?」」」」


「お、本日二回目の『は?』が出たのう」


いやいやそういうことじゃなくて、どういうことだ?




「そこもつたえわすれたのう。そこでは科学の代わりに魔法が発達していての。それが原因で争いごとが多いのじゃ。なので君たちには今から与える超能力を駆使して未然に止めてほしい。


あ、けどあまり見つからないようにな。大騒ぎになるから。じゃあ超能力を授けるかのう。」




まあ何となくわかった。要するにこの神様はほかの世界を監視してほしいということだろう。


というか超能力って改めて思えばかっこよくない?使ってみたいから俺は賛成するけど・・・。


というか、こっから地球に戻るっていう選択肢、なさそうだしな。




「あたしはミステリアスな感じ好きだから賛成ー」


「僕も賛成です。非科学的な能力、見てみたいです。」


「俺もさんせー別に理由はないけどな」




お姉さんも小学生の子も脳筋も賛成か。俺の意見も伝えておく。


すると神様が、


「はい終わった。みんながしゃっべってる間に終わらせといたぞい。じゃあ出発かのう。」


と、手をポキポキと鳴らして言った。


早いな。そんなに簡単なのか...


みんながどこが変わったのかと、自分の体を不思議そうに見ていると、神様が、行くぞ。と言い、門みたいな魔法?を使ってみんなを入れていった。最後に俺が門に入ったとき、神様は、


「あっちの世界でもなじめるように魔法も使えるようにしておいたぞい」


と笑顔で言った。軽いな!


そのことを耳にしながらも意識が遠くなっていく・・・




目を覚ますとそこは見果たす限りの草原だった。みんなも無事なようだ。みんなが落ち着いたところで俺は話を持ち掛ける。




「そういえば、自己紹介をしていなかったな。俺は、佐藤羅人。高校二年生だ。気軽に羅人と呼んでくれ。」




「僕は田中王累です。親しい友人は王累と呼びます。あと、僕は小学生ではなく、高校二年生ですからね!」


王累さん怖い…。さっきまで小学生の男の子って呼んでた。なんかごめん。




「つぎはあたしね。あたしは村田美稲よ。王累くんと羅人くんと同じ高校二年生よ。なぜかよく胸のほうをいやらしい目で見てくる人がいるのよね。何故かしら?」


本人は気付いてなかったか…。確かに大きい。




「おっ!最後は俺か!俺は吉田筋利だ!よろしく頼む!趣味は筋肉を鍛えることだ!高校二年生だ!」


筋利の親!名前がそのまますぎる!


自己紹介が終わって雑談をしていると頭の中からさっき別れたばかりの神様の声が聞こえてきた。すると、急な吐き気に襲われた。何故だ?そう考えていると、




「ダイジョウブか?ちゃんとついたか確認したいのじゃが。」


と神様が所かまわずに聞いてきた。


鬼か!!いや、神か。




「そうじゃった、そうじゃった。慣れないうちにテレパシーを使うと気持ち悪くなるんじゃった。」


それを先に言ってくれ!




「けど、ちゃんと超能力は使えるようになっとるのう。あ。そうそう、これから異世界になれるためにもそこから近い「ベムル」という町に向かってもらいたいのじゃが、いいかのう。」


そうだった、本来の目的は異世界を救うことだった。コントしている場合じゃなかった。




「でもどうやって行くのですか。」


確かに。王累の言うとおりだ。すると神様が、




「検索魔法、『サーチ』で周りに人がいないか確認して、そこから四人が持っている特殊能力、『テレポート』で町の二キロくらい前に移動するのじゃ。じゃあ通信を切るからの。あとは自分たちで決めていいぞい。」


そんなことできるのか。神様、様様だな。




「じゃあ出発するか。「サーチ」だっけ、それを唱えればいいのか。じゃあやるか。」


なんか中二病みたいだな。




「「「「サーチ」」」」「「「「えっ!!」」」」




「いま人の反応があったわよね!」




「ああ!あった!少し先だ!テレポートだと見つかる可能性があるから走って行こう!」


小走りでそこへ向かうと、魔獣に同い年くらいの女の子が襲われていた。だいぶけがをしているな。とりあえず魔獣を倒すか。




「とりあえず魔獣を倒しましょう。美稲さんは何かしらのものでで二人を何とかして救護してあげてください。羅人さん、筋利さん、僕であいつを倒しましょう!」




「「了解!!」」


どうやって倒すんだ?とりあえずラノベでよくある爆裂魔法をかましとくか。


「爆裂!!」


「ドガーーーーーン」


「「「「「「えっ」」」」」」


呪文唱えなくてもできるんかい!しかもめっちゃデカイ音すんじゃん。


「それで魔物は?」


筋利に聞くと、


「チリと化したよ。」


苦笑いしながら言っていた。




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