失恋で髪を短くする、なんてベタなことをやらなきゃよかった、なんて今更に後悔をしている。

あの時は腰までとはいかないものの、肩甲骨を過ぎるくらいまで髪を伸ばしていたから、もしかしたらその印象が強くて、髪を短く切った今、もしかしたら気付かれないかもしれない。

それもそうと、あの頃、惰性で伸ばしていただけに過ぎない髪を丁寧に、綺麗に伸ばそうと思ったのも、これまたベタにあの人が好きなタイプが綺麗な髪の人、と言っていたからなのだ。

怒涛の勢いで友人に説得され、数年ぶりに参加する部活の同窓会。

気にしなくていいから、なんて言われ続けたのだが、気にしたくなくても気にしてしまうものだろう。

告白して振られて、それから疎遠になってしまえば何か、自分を納得させられる理由がない限り会いたくないと思ってしまうのは当然だろう。

……まあ、今回めでたくその理由ができてしまったのが。

ああもう、柄にもなく緊張する。

こんなに緊張するのは、あの人に告白した時以来だろうか。

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