一緒にいると安心できる。

それが、あの人と一緒にいようと決めた決定的な理由だった。

周りに顔見知りがいない、不安な状況の中偶然席が隣だったことから始まったあの人との関係。

人見知りってなんだったんだろうというくらい初対面から話が弾んで、あっという間に打ち解けられて。

まるでこうなることが自然であったかのように好きになって、告白して、受け入れてもらって。

パズルのピースが埋まるように、恋心がすんなりと日常の中に潜り込んできた。

あの人のことが大好きで、一緒に居られて楽しくて、あの人と出会ってなかった頃の自分はどうやって過ごしていたんだろう、と思ってしまうほど、毎日が楽しかった。

一つ一つの約束がすごく嬉しくて、些細なものでもとても心が躍った。

勿論、約束にも満たない、ただの偶然で起こったものでも。

例えば街中でばったりと会ったりだとか、ちょっとしたことで送られてくるメッセージだとか。

そういうもの一つだけでも、心の底から喜びが湧いて、生きててよかったと思ってしまうほどに。

連絡が待ち遠しかった。

会える日が待ち遠しかった。

会いたい声が聴きたい一緒にいたい。

一度あの人のことを考えてしまうと、自分では止められなくなってしまうくらいに、すごく、すごく。

一日、一日、少しずつ、恋心が大きく膨らんでいった。

愛おしくて、愛おしくて、狂おしいほど愛おしい、という気持ちを、身をもって実感した。

あの人がいれば、自分は何にでもなれる気がした。

あの人がいれば、私は何でもできる気がした。

好きで、好きで、仕方なくて。

「愛してます。ずっと、ずっと、心から」

貴方がいなければ、生きていけないくらいに。

安心してくださいね。あなたが私を忘れても、私は貴方を、ずっと愛し続けて見せますから。

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