第2話 穴蔵暮らしの始まり
話は、二週間ほど前に
帝国暦五八二年六月二〇日 〇七時一二分
地球帝国本国 低軌道リング リニアライン
外回り 普通 第13号軌道エレベータ行き
『次は新倉橋、新倉橋。お出口右側です。新倉橋から先、二号軌道エレベータホワイト・バーチへお急ぎの方は、次の新倉橋で、快速シュメッターリング行きへお乗り換えください』
いつも聞く音声案内を合図に、私はすし詰め状態の車内を出口に向かって進みだす。他にも幾人かが、ドアの前に詰め込まれた屈強な軌道エレベータ工達を縫うようにして動いている。私の腕時計は、八時一二分を指していた。遅延・事故ゼロ二〇〇年連続という帝都軌道交通公団の
私がこの路線を使うようになって、はや一〇年。いつもと変わらぬ、いつも通りの出勤風景だった。下車駅である新倉橋は、軌道エレベータの低軌道リングに接続された工業区だ。尤も、この工業区は現在あまり活気がなく、だからこそ、私の勤め先のような中小企業が安い賃料に
私は駅前のキオスクで朝刊の電紙版とコーヒーを購入し、これまた通い慣れた通勤路を歩き出す。そう、いつも通りだ、いつも通りのはずなのだが、私にはどこかいつもより、会社への道のりが長く感じた。気のせいだろうか。いや、気のせいだろう。物理的に言ってナンセンスだ。そんなことがあるわけないのだ。
しかし、私の予想は、ある意味で最悪の形で的中してしまうのだった。
帝国暦五八二年六月二〇日 〇八時〇四分
アスファレス・セキュリティ株式会社
運輸部長室
「柳井義久運輸部課長、アルバータ星系の護衛艦隊司令官を命ず、ですか……」
我ながらしっくりこないアスファレス・セキュリティの制服。ここに中途で入社して一〇年も
私こと柳井義久は、アスファレス・セキュリティ運輸部課長として、事務仕事に明け暮れていたのだが、ここに至り、人生の岐路に立たされていたのだった。
そう、護衛艦部隊。我々は帝国領内に
そして、今まさに私に命じられたのは、帝国東部軍管区の辺境、アルバータ自治共和国にいる我が社の護衛艦部隊の指揮官をしろ、というものだった。
「そうだ。アルバータ自治共和国に、我が運輸部の護衛艦部隊が派遣されて既に一年。業績は下がる一方だ。我が社としても、れっきとした帝国領内での護衛成績が悪いのは看過し得ない」
「そこで私に、現地のケツを
そもそも、護衛艦部隊の指揮は今まで目の前の部長、及川信夫が執っているものであり、私は現地から上がってくる報告書を、あとから読んでいたに過ぎない。そんな私にどの面下げて目の前の男は指揮を執ってこい、などとのたまうのだろう。
「クナシリ、シムシル、アライド、それにエトロフ。四隻もタランタル級を使ってまだ足らんというのか」
「護衛艦の四隻で何ができるわけでもありませんでしょう?」
私は一〇年前、ここに来る前は帝国東部方面軍の
「君に現地部隊の戦力不足を論じる資格はない。君は現地にある戦力を最大活用することだけ考えていろ」
「ですが及川部長」
「反論は許さん! 業績が上がらぬようなら、アヴェンチュラ派遣部隊共々君の首も跳ぶから覚悟しておくように」
〇九時二三分
総務部オフィス
「えっ、柳井さんアヴェンチュラに行っちゃうんですか?」
部長からの訓示――というにはあまりにもな言い草だったが――のあとは、現地赴任に当たり、本社に残す部下達に仕事の指示と引き継ぎを済ませていた。最後に私は、各部署への挨拶回りをしていた。私の異動を聞いた総務部係長、エンリケ・マルコシアスは驚きを隠さなかった。
「社命とあらば仕方がないだろう……しかし艦艇乗り組みか。この会社に中途で入った当初は、私も艦艇乗り組みだった。もう五年も前だが」
「柳井さんは社内でも珍しい人でしたからね。残念です」
「マルコシアス、人を動物園の珍獣みたいにいうのはやめてくれないか?」
「いえいえ。褒めてるんですよ。またこちらに戻られることがあれば、そのときは柳井さんの下で使ってもらいたいもんです」
「その言葉、忘れないでくれよ。後悔させてやるからな」
〇九時三一分
指導将校室
続いて、アスファレス・セキュリティ本社でも端も端、隅の隅の個室に私は足を運んだ。
「そうですか。柳井課長、あなたは帝国軍人としての経験もあり、我らが帝国への献身を忘れない方でした。次の現場でも、是非その手腕を発揮していただきたい」
アレクセイ・クリモフ指導将校は我が社に配属された帝国軍からの監査役。指導将校は帝国軍でも小うるさい風紀委員のような役回りだが、その点でいえばクリモフ指導将校は典型的な指導将校といた。
ただ、私としては彼が職務に忠実であることは疑いなく、閑職といわれて久しい軍事企業配属の指導将校としては、珍しく職務熱心な人間だと思う。ただ、身近に常にいて欲しいとは思わないが。
「クリモフ指導将校にもお世話になりました。今後ともよろしくお願いします」
そうして慌ただしい挨拶を終えたあと、私は第一軌道エレベータヴィルヘルムから発着する東部辺境区への高速連絡船に乗り込み、一路辺境アルバータ自治共和国、首都星アヴェンチュラへと向かうこととなった。
帝国暦五八二年六月二二日 九時三九分
アルバータ自治共和国
軌道都市コロー二ア・ガーディニア
帝都から約二日の船旅を終える頃には、星座の形も地球からみるものとは違う。コローニア・ガーディニアは帝国の有人星系ならどこにでも設置され公転軌道都市の一つで、各方面への航路はここが発着点となる。
辺境とはいえ、割と人通りも多く、帝都からの連絡船を降りる人間も多かった。
「柳井課長、お待ちしておりました。アヴェンチュラ派遣部隊、護衛艦エトロフ艦長のエドガー・ホルバインです」
到着ロビーの外にいた自社の制服姿。私から見たエドガー・ホルバインの第一印象は制服が似合わない男だった。いっそスーツでも着ていればしっくりくるのだが……などと自分のことは棚上げして、手を差し出した。
「運輸部課長、柳井義久だ。これよりアヴェンチュラ派遣部隊の指揮官となる。よろしく頼む」
「本社の良心と聞いております。まさかあなたがこちらに来られるとは」
彼と顔を合わせるのは初めてだったが、そういう評価をされているというのは予想外だった。
「買いかぶりすぎだ。たかが本社の事務屋だ。艦艇乗り組みは五年ぶり、君らの戦いぶりを見て、勉強させてもらうよ」
九時五四分
ガーディニア港湾区
「ここが出張所です」
ガーディニアの港湾区の一角を借り上げたアスファレス・セキュリティ出張所。事務所はおろか宿舎すらなく、借り上げたのは補給物資用の倉庫と桟橋の設備のみ。倉庫の一角にはパーティションで区切っただけの、簡素な応接ブースがあった。乗員達はこの一年、艦内の狭い居室で職住一致を強いられているのだという。報告書でも、宿舎の一つでも借りてくれというのは悲鳴のように書かれていたが、例によって及川部長はその点を無視していた。不採算事業だと見向きもせずに、である。
「これがエトロフか……資料では見ていたが、傷みが
タランタル級重コルベットは、もう半世紀も前に帝国軍で運用されていた護衛艦だ。駆逐艦の七割ほどの全長で、小口径の荷電粒子砲、対空レーザーとミサイル発射管を備え、船団護衛が主任務とされていた。現役で動いているものを見たのは私も初めてだった。
「艦齢半世紀のベテランですよ」
笑って見せたホルバインの顔は、目の前の護衛艦同様、くたびれているように見えた。
「私が本日より、アヴェンチュラ派遣部隊の指揮官に赴任した柳井だ。名前だけは聞いたことがあるだろうが……よろしく頼む」
エトロフの狭い艦内には、会議室に別途充てられるようなスペースは存在しない。食堂の一角を使う形で、私はアヴェンチュラ派遣部隊の指揮官として最初の仕事をこなしていた。
「改めまして、護衛艦エトロフ艦長、便宜的につい先ほどまで派遣部隊指揮官を代行していましたエドガー・ホルバインです。よろしくお願いします、柳井課長」
彼のことはいうまでもない。人事部からの資料では尋常実科学校卒でアスファレス・セキュリティに入社。以降、甲板作業から航海術を業務の合間に学び、艦艇勤務一筋でここまで来たという優男の風貌らしからぬ
「エトロフ副長のアウリス・ニスカネンです」
こちらはホルバインよりも
「護衛艦シムシル艦長、パン・ミンジュンです」
艦艇勤務らしからぬ、少々太い体つき、丸顔。受ける印象とは裏腹に、声は低く、重厚感があった。パンは交通軌道艦隊の出身らしく私と同じく中途採用の人間で、護衛艦乗りとしてはうってつけの人材というわけだ。
「同じくクナシリ艦長、メリッサ・ブラウンです」
護衛艦隊管理者クラスでは唯一の女性。長身でスレンダー、アスファレス・セキュリティの制服も見事にマッチしている。クナシリの艦長職を拝命するまでは第二戦略部の巡洋艦トワルベツの副長職で、指揮官としての脂も乗ってきた年代。ホルバインやニスカネンとは同期らしい。
「護衛艦アライド艦長、ガンボルトです」
艦長職では最年長。私と同年代のガンボルト係長は、ホルバイン同様にアスファレス・セキュリティ生え抜きの人間だ。駆逐艦以下小型艦艇での勤務が長く、指揮も操艦も並以上。ただし少々上司に反抗的な面がある、と人事考課には記されている。
「柳井課長は艦艇乗り組み経験がおありで?」
「帝国軍で二年、この会社で五年だが、こちらでは旧マルティフローラ支社のユーパロベツ艦長だけだ」
「ああ、ユーパロベツはほとんど動いてなかったですがね」
ガンボルトの言い様は、動かない戦艦の艦長など飾りも同然だということなのだろう。本社から送り込まれた男に対して、警戒心を抱くと同時に現場の人間として対抗意識を燃やすというのは私も理解できる。彼は私に対して先制のジャブを打った、と解釈しても良い。
「やめないかガンボルト」
一回りは年上のガンボルトに対して、ホルバインは優男の外見に反して、
「ふん。本社の及川部長はご健勝そうでなにより。こちらの報告に一切耳を貸さず、あげく送り込んだのは課長、あなただけと?」
「柳井課長に八つ当たりしてもしょうがないでしょ」
ブラウンが
「本社では我々を不採算部隊だといわれているそうですが。切り捨てる用意もあると」
パンの言葉は半分当たり、半分ハズレといったところだった。
「不採算なのはともかく、君らを切り捨てるなんてことはないさ。でなければ、わざわざ私を派遣することもあるまい」
「課長ごと切り捨てる、という線もありますがね」
「おい、ガンボルト!」
「怖いことをいってくれるな、ガンボルト。まあ戦死なら二階級特進で会社からの遺族手当も倍額になるがね。ガンボルト、君の年次なら私とほぼ同額、一五〇〇万帝国クレジットは固いところだよ」
「
「ガンボルト、君に言われるまでもない。私だって死ぬのはまだ惜しい。本国の自宅にはまだ読みかけの本と封を切っていない酒があるのだからな」
「……課長、私は嫌がらせをしたいわけではないのです。ただ、本社としては我々に対して何を望んでいるのか、ただそれだけです」
ガンボルトの口から漏れた言葉は、おそらく本心だろう。彼とて現場の船乗り。乗るからには業績を上げて評価されたいのが人間というものだ。
「君のいうとおりだ。本社としては、この部隊の収支を黒字、最悪でもトントンにしたいと仰せだ。で、私の役目はそれを実現するために尽力する、ということなのだが」
「理解しました。とはいえ、我々には四隻のタランタル級しかありません。できる範囲内で、ということになります」
「そうだな、ホルバイン。ひとまず、私からの挨拶は以上だ。あとでそれぞれの艦の管理者クラスに挨拶に行く、その際は
一一時三四分
司令官室
「ここが課長のお部屋になります」
各艦への挨拶回りを済ませてきた私を、ホルバインが居室へと案内してくれた。
「
司令官室といえば聞こえは良いが、スペースとしてはかろうじて、下級乗組員の部屋よりマシな程度だ。部屋というより穴蔵と言った方が適切だろう。タランタル級はもっとも幅が広い部分でも一〇メートルに満たず、その外装から艦中心部までには様々な機器が押し込まれている。
居室のスペースなど推して知るべし。奥行き三メートル、幅二メートル。一番奥には作り付けのベッド、机は壁面に折りたたんで格納、椅子は壁面にキチンと埋め込まれるように設計されている。
機能的というか余裕のない作りというかはさておき、あまり長時間籠もりたいと思う部屋でないのは確かだ。
「人が悪いなんてもんじゃありません。許されるのなら蹴りでも入れたいところです」
「蹴りで済ませるとは、君も寛容な男だな、ホルバイン」
「いえいえ、ここに一年もいればこうもなりますよ」
「そうか、私も早晩そのあとを追いそうだな」
私の手荷物は少ない。私物のラップトップに携帯端末、暇つぶしに持ってきたハードカバーの書籍が数冊。会社の制服が二着、スーツが三着。
「さて……ホルバイン、少し時間はあるか?」
「次の出港は明日の夜、二一〇〇を予定しています」
「なら非番ということだな。少し付き合ってくれ」
私は少ない荷物の中から、一本のガラス瓶を取り出す。
「安物で申し訳ないが、味は保障しよう」
「帝都のウイスキーですか。もう二年ほどお目にかかれてませんね」
これは想定外に悲報を聞いた気分だ。いくら辺境とは言え、地球産ウイスキーが出回っていないのは想定外だった。明日は朝からコローニア・ガーディニアのスーパーマーケットでもはしごして、この辺りのウイスキーで口に合いそうなものを探しておかねばなるまい。さほど高くない私のスーツ一着分の金額でも、五、六銘柄は試し買いできるだろう。
「食堂からグラスを拝借してきますので、少々お待ちを」
数分後、ホルバインは二つの湯飲み
「艦内だとこんなものですね」
「ショットグラスくらいは用意しておきたいものだ。空き時間で見繕ってくるとしよう」
同じ量だけ
「我々のビジネスの成功を祈って」
ぐいと飲み干したウイスキーが喉を
「エトロフの艦長になってからは、ずっと辺境方面か」
「ええ、まあ。私は生まれが西部軍管区のヴィシーニャ公国の惑星ケーファーなもので、辺境は慣れ親しんだ環境ですよ」
「ヴィシーニャか。ケーファーには軍にいた頃、出張で立ち寄ったが良い星だった」
お互い当たり障りのない会話を少しした後、私は本題を切り出すことにした。
「本社としては護衛艦部隊の任期はあと一年程度と踏んでいるらしい」
ここに来る前、本社の参謀本部に詰めていたフリートヘルム・ギュンター専務にそれとなく聞いたことだ。確証はあった。
「つまり、その間にある程度成績を上げておけ、ということですか?」
「まあ、そういうことだ……私だって、ここで終わる人間ではない、と思いたい」
「なるほど。課長は一将功成りて兵も万々歳を目指したいと」
「飲み込みが早いじゃないか。部長と私では、君らに対する評価が違うということは、理解しておいてもらいたい」
「そのご様子だと、課長も及川部長とは折り合いが悪いご様子で」
ホルバインは意外とこちらの核心を突くのが
「まあ、本社から突然やってきた課長だ。煙たがられるのは覚悟の上だよ」
「護衛艦部隊の統率は私がなんとでもします。しかし、課長ご自身のことは、ご自身でなんとかしてもらうより他にないでしょうね」
「能書きを垂れるより前に実践せよ、か。実に分かりやすい」
帝国暦五八二年七月〇四日 二〇時〇一分
超空間内
護衛艦エトロフ
『柳井課長、ホルバイン艦長。間も無く通常空間への浮上時間です。至急ブリッジへ』
何時の間にここ数ヶ月の出来事を夢に見つつ寝入っていたようだった。スピーカーから流れたカネモトの声が、コロー二ア・ガーディニア付近の通常空間への浮上を知らせるのを聞いて羽根仕掛けのように飛び起き、脱ぎ捨てていた制服の上着を着込む。
今度はれっきとした交易拠点、そして惑星と衛星の間のラグランジュ点に設けられた極めて開けた場所にあるから、敵も襲撃をかけてくることはない。
とはいえ船団護衛は港に船が入って、その荷物が無事に積み下ろされるまでが勝負。油断は禁物だ。古くからいうではないか、百里の道も何とやら、と。
「お早いですね、課長」
「すっかり慣れてしまった。君のように若ければ、もっと早く動けたかもしれんな」
通路で出会ったホルバインと共にブリッジへ上がると、すぐさまホルバインは艦長席に収まり、同時に矢継ぎ早の指示を飛ばす。
「全艦第一警戒態勢、重力バラストブロー、通常空間へ浮上次第、対空対艦迎撃戦用意」
曖昧な色をした高次元空間から通常空間へ出ると、満点の星空と、目の前には四方八方にガイドレーザーを照射している軌道都市が見えてくる。同時に、艦の全センサーが解放されて周辺状況の把握を開始する。航路管制局からの照会を済ませた我々は、今日の仕事がようやく終わるという
「全輸送船、通常空間へ浮上完了。これより入港シーケンスに入ります」
全ての輸送船が規定の桟橋に
「アスファレス・セキュリティ護衛艦隊、護衛艦エトロフ帰還しました。輸送船一四隻中一一隻帰還」
「……やはり、落とされますか」
いつものお小言が始まるのかと私を含めた幹部職員全員が身構えていると、予想外の返事が返ってきた。
「最近、帰還率が高くなっていますね、良い傾向です。いつもお疲れさまです。これからも、アスファレスさんにはお世話になると思います。どうぞよろしく」
事務的な言い方ではあったが、それまでは聞くことができなかったクライアントの反応に思わず一同は笑顔で顔を見合わせていた。
「はっ、これからも職務に
いつもよりも気合いの入った敬礼に、しかしいつも通りクライアントは軽く会釈をするだけだったが、管理職達の表情は晴れやかだった。
船団護衛という日の目を見ない仕事において、こうした感謝というのは非常にありがたいものだ。無論、感謝だけでメシが食えるわけではないのだが、それでもこうした機会があればこそ、モチベーションも上がるというものだ。
「……課長、私は、きっとアスファレスの護衛艦隊をもっと大きくして見せますよ。同業他社が羨む位のね」
その日は心なしか、艦内の誰もが、僅かにだが穏やかな顔をしていた。残務処理を終え、自室へと戻る短い通路の道すがら、ホルバインは私にそんなことを言ってのけた。
それは一時の興奮と充足感から出た、ほんの思い付きかもしれない。しかし、若い社員のこうした気持ちが、将来的な社の姿を変えることになるかもしれないのだ。
私はその言葉に軽く
護衛部隊が我が社の主力事業となれば、私が本社で
いずれにせよ、私はこの若い夢を潰さないために尽力するのも悪くないのかもしれないと思いながら、その日の仕事を終えた。
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