2話


少年は道路に飛び出した猫を助けた。

幸い、相手の車も気づいていたらしく、ブレーキをかけていた。

少年はこの時、人生でいちばんの出来事だと思った。

その日を境に、少年はより凄いものを助けたいと思い始めていた。



少年は自分のポイントが溜まっていくのを見て、口角が上げた。このまま行けば少年は10000ポイントは容易に達成することだろう。

しかし、これだけの悪行をしているにしても、たった1000ポイントは少なすぎる。少年はそう感じていた。

そして、少年はとうとうあらぬものを想像してしまった。

---人を殺そう。と



少年はとにかく悪を探した。とにかく探しまくった。

....そして、彼は見てしまった。


人が殺されている現場を。


少年は最初は逃げようと思った。

しかし、これは超一流になるチャンスなのでは?

彼もまた、あらぬ事を考えてしまった。


人を殺す少年。

それを見た少年。

人を殺した少年はまだ見られていることに気がついていない。

見てしまった少年は覚悟を決めた。


そこで、目が覚める。

どうやら夢だったようだ。少年は安堵したと同時に少し後悔もした。

もし、あの時あいつを捕まえられていたら。

自然と口角が上がってしまう。

そして、彼は決心する。

...あいつを、捕まえる。



人を殺そうと決心した次の日。

少年は通りすがりの男を殺した。

なんとも言えない爽快感が駆け抜けた。

それと同時にポイントが1000ポイント溜まった。

これ程いいポイント稼ぎの方法はない。

まさにこれだ!

少年はもう、人としての感情を失っていた。

それから毎日のように人を殺していた。

そしてポイントが5000ポイントになった時を境に、ポイントが急にたまらなくなった。

疑問に思いながらも少年は人を殺した。

しかし、ポイントは溜まらなかった。

そして気がつくと、家族は少年の妹だけになっていた。

少年は試しに妹を殺した。

だが、やっぱり溜まらなかった。

少年は試しに万引きをしてみた。

ポイントが10溜まった。

そして少年は気づく。

同じことばかりしていても、自分が悪と感じ無くなればポイントは溜まらない。と

少年は苛立ちを隠しきれずに思い切り叫んだ。

「クズども!今日から俺様が日本1の人間だ!逆らうものは殺す!俺の言うことは絶対だ!わかったな!」

最早それは人間の言うことではない。

少年はとうとう赤の他人からも逃げられるようになった。

...少年は口角を上げた。


現在5010ポイント。約2分の1達成。

残り4090ポイント。






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