音痴な僕を、新人歓迎会の二次会、カラオケへと無理やり誘う同僚がいる。
なんとか、回避しようとする僕に対して、同僚からの圧力が強められる。逃げ出すことも叶わず、ついに、マイクが僕の手に……。
同僚の思惑は、音痴の僕を、皆の前で笑い者にすること……。そんな僕を、颯爽と助けるフリして、自分の株を上げること……。
僕の奏でる旋律は、メロディーラインを蛇行するように迷走する。それを嘲笑いながら、もう一本のマイクに同僚の手が伸びる……が。
またしても、笑い者にされるのか?
その答えは……、僕の音に、更に音を重ねてくれたあなただけが知っている。
これはこれで、すごい才能なのにな。それを気づかせてくれたラストは、とても素敵。