2020 博士の愛した数式 800字要約

 家政婦の私は、依頼を受けて数論専門の元大学教授の面倒を見るようになる。依頼主は義姉で、博士は交通事故に遭って以降80分しか記憶ができない障害を持っていた。

 家政婦の存在を忘れてしまう博士に私は戸惑うが、やがて博士と数学の話をすることで交流できると気づく。私と息子のルートは博士によって深遠で美しい数学の世界へ導かれていく。

 博士の時間は1975年で止まっており、博士は阪神の江夏のファンであるという。私は江夏の背番号28が完全数であることを博士に教えられる。ルートは江夏が引退したと博士に告げるが、博士のショックを受けるさまを見て、博士に話を合わせるようになる。

 博士の部屋のクッキー缶に野球カードを見つける。なかでも江夏は特別な地位を占めていた。

 私とルートは、博士といっしょに阪神戦を観戦する。江夏はと聞く博士に、ルートは「今日はベンチ入りしていない」と答える。

 野球観戦のあと、博士は熱を出す。看病のために部屋に泊まった私は、義姉に規則違反だとクレームを入れられ、博士の家の仕事ができなくなる。

 博士の家にルートが抗議に行く。私たちを責める義姉に博士は「子供をいじめてはいかん」と言って数式のメモを置いて去っていく。

 私は図書館で数式を調べる。数式はオイラーの公式で、数式をつくった神様の精巧さに私は思いを馳せる。そして博士の交通事故のさいに義姉が足を骨折していたことも知る。

 私は博士の家政婦に呼び戻される。

 博士は懸賞問題に取り組んでおり、博士の論文に過去最高の賞金が出る。ルートの一一歳の誕生日と共にお祝いすることになる。

 私とルートは、博士に江夏の野球カードをプレゼントする。クッキー缶を調べると、底が二重になっており、底には義姉に捧げられた論文が眠っていた。

 ルートは博士からグローブをプレゼントされる。その後博士は施設に入る。博士が亡くなるまで私たちとの交流は続いた。

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