2020 水のなかに落ちる
飛び飛びに22 年間インターネットで文章を書いている。
が、その間表に出ようとしたことがほとんどなかったので、雑誌の公募に応募したことは一度もない。ネットの公募に5,6 回応募したくらいである。同人誌を出そうと思ったのはつい最近で、去年と今年に一冊ずつ出した。一般でもBL でも、いつか公募に出したいと漠然と思いながら、力が足りない気がしてここまで来てしまった。
とはいえ、真面目に小説を書いていたのはネットを始める前と、ここ三年くらいである。その間は書評や映画評、雑文を書いていた。BL に関しては、三年前まで両思いの恋愛を書くことができなかったので、BL でプロになることなど論外だと思っていた。
BL でも雑文でも、他人と比べるととたんに地獄に落ちる。
ふだん私が淡々としているのは、いわば水の上を歩いているからであって、他人の評価やポイントと比較をすると、私はすぐに水のなかに落ちる。どうしてこんなに作品を読まれないし、評価もされないんだろうと鬱に苦しむことになる。
Twitter などで作者が自分の作品が読まれないと嘆くのは、実際に読んでいる読者を無視しているようで悲しくなるという意見を見かける。
私はその作者と読者の両方の気持ちがわかる。投稿サイトで延々と評価のつかない日々を送っていると、自分の作品が読まれていないと感じるし、読者としてはあなたの作品を読んでいるのに読まれていないと言われるのは理不尽だと思うこともある。
作者としてはできれば反応をいただけるとありがたいと思うし、反応をいただけるような作品を書かなければならないとも思う。
投稿サイトがなかったころ、個人サイトへ読者から意見が来るのはメールか掲示板だけだった。
意見を送る敷居が高かったので、読者の意見も届きにくかった。
そのなかでも作品に力のある方はたくさん反応をいただいていたのではないかと思う。
私のサイトはメールやご意見を貰うタイプのサイトではなかった。昔も今もそうである。
砂漠に水を撒くように私は文章を書き続けたのだが、投稿サイトがある今よりも、当時のほうが自由だったと思う。
投稿サイトやSNS の評価は大きな力になるが、脳の報酬系を刺激することで依存にもなりやすい。評価がつかないと負のフィードバックを受けているように感じることもある。
投稿サイトから離れるということもひとつの手かもしれないが、現在は、投稿サイトが小説の主流になっていて、個人サイトにはあまり人が来ないような気がする。
とはいえ、自分が自分のやりたい方向を向いていれば水のなかに落ちることはないので、遅い足取りではあるが、水の上を歩いていこうと思う。
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