第40話 黒騎士イアンと白姫騎士ティアの成り上がり4

黒龍が住み着いているラマン山の麓の街ラスマン。


イアン達討伐隊が到着し、街の中央広場で作戦会議をしている最中突然警鐘がなり響いた。


ド、ドラゴンだっ!ドラゴンがきたぞっ!


街の衛兵が慌てた様子ではしりまわっていた。


ドラゴンは普通に生活していれば一生涯みることはない幻獣だ。


只最強の種族。それだけが一般市民の認識。


それ故に危機感はない。


そんな街を黒龍は蹂躙した。


呆然とする衛兵の頭上を悠々と通りすぎて。


呆けている住民を切り裂き貪る。


最強種族にとってそれは単なる食事でしかない。


街の冒険者ギルドには最強の種族ドラゴンが現れた一報は伝えられていたが辺境の街に所属している冒険者などたかがしれている。


直ぐ様強制依頼で街の市民の避難誘導と、幸運なことなたまたま街に滞在していた討伐隊に情報提供することぐらいだった。


「討伐隊の皆様!黒龍は南大通りでラマン市民を襲っております!その数は三体です!」



またく想定外であったがあちらから攻めてきてくれたのは有難たい。


「さ、三体か。ちょっと厳しくない?」


討伐隊のA級冒険者の「希望の光」の面々が頬をひくつかせる。


そもそも今回の討伐は黒龍一体、もしくは2体を想定している。


レッサードラゴンならA級パーティー一組で討伐なのだが黒龍となるとその危険性は三倍に膨れあがる。


今回の討伐隊は王都のギルドの肝いりの精鋭なのでランクだけではその力量は図り切れないがAランクが3パーティー、Bランクが2パーティーCランクが2人の32人である。



「ふふっ!大丈夫ですよ?私とイアンが黒トカゲ一匹づつ受持ちます。皆様は残り一匹を処分お願いします❤️」


ティアがニッコリ頬笑む。


それだけで緊張していた冒険者たちはメロメロになっていた。


「ティア。一匹だけでは全然足りないんですが。」


「イアン。よくばってはいけません。」


「出すぎた申し出を。失礼いたしました。」


イアンは直ぐに引き下がりひざまずく。


「いきがるのはいいがどうやってあんたらはドラゴンを倒すのさ?」


Aランク冒険者からもっともな質問がとんでくる。


イアンは全身鎧の騎士で、ティアも軽装備の騎士姿だ。


どうやっても空を飛ぶドラゴンを倒せそうにない。


「あっ❗️私たち見た感じは騎士っぽいけど魔術師なんですよ🎵」


「黒騎手も?!」


「はい🎵」


話を聞いていた冒険者たちはあごが外れんばかりにポカーンとする。


ぶっふぉぉ!


いきなりの魔術師設定にイアンが吹き出した。


「ちょっ、黒騎手わらってるんですけど?」


「いや、失礼しました。正確には剣術も得意な魔術師です」


「「「そんな魔術師いるかっ!」」」


おれもそう思います!






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