第31話 天上会議
「おい!あんな奴寄こすなんて聞いてないぞっ!」
紫の髪と目の神ガールダが激昂して立ち上がる。
「いや、じゃってお主の世界アルガス滅びる寸前じゃったから‥‥」
白いアゴヒゲを蓄えた初老の神ゼスがタメ息をつく。
「それは確かに助かった❗️しかし、あの力は新たな崩壊を招く。だから違う世界に放り投げたかったのにっ!」
そう。この神ガールダが召還魔方陣でアインを違う世界に放り投げようとしていたのだ。
しかし、アインに破られた。
神の魔法がだ。
彼の力は余りにに異質。
更に今では「神食いの魔王」まで配下に納めている。
世界崩壊処か神界崩壊まで引き起こす恐れがある。
「だが、ある程度制御はできている。うまく導けば闇の神界を滅ぼすチャンスではないか?」
鷲の頭をもった神ジラルダが呟く。
その言葉に他の神々はみな息を飲んだ。
闇の神界
そこは神界と対をなす世界。
無より突如発生した光。光により発生した闇。
けっして2つは相容れずかつ、打ち消せない。
だが、互いに第三の存在を介することによりお互いはお互いを滅することができた。
それが魔王であり、勇者である。
最近は神界の優勢、連戦連勝。闇の神界の勢力を最盛期の半減にすら迫る勢いであった。
一柱の神が最上級世界「地球」から勇者を召還し始めてからである。
世界は光に満溢れていた。
その時である。
目映ければ目映いほどその陰は暗い。
神喰らいの魔王
それが表れた。
その魔王達は余りに強力で、勇者は勿論、神々すらも飲み込んでいった。
そして、闇の神界が隆盛になった今、現れたのがアインである。
アインが救世主の英雄だと神々は信じたし、結果だけを見ればアインは魔王を倒し、邪神の一柱を滅した。
そこまではよかった。
だが神界に招かれたアインはあろうことか、三柱の神々を死なないとはいえぶっ殺し、揚げ句のはて若返り、不死をよこすように脅迫したのだ。
悪人ではない。
だが善人でもない。
オタクだ。
自分が真なる勇者なのにも関わらず、勇者オタクだ。
神々の新たな導きが試される。
闇を滅し世界を救うのか。
はたまた邪神の導きに闇に染まり光を滅すのか。
それは神々すら知るよしもない。
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