第22話 勇者集結

あれからおれは大忙し!


凍也様の勇姿を木陰から見守りつつ、日向様への報告と慰めしつつ、イリス様の口止めをしつつ王都とサルラースの補給だ!


基本的に補給はおれが無間収納して、馬を駆って王都とサルラースを、移動するだけなのだが王都とサルラースは距離がある。


軍の集団行軍だと三ヶ月、馬を飛ばして一ヶ月だ。おれはその間、護衛の隙を見つけては転移して勇者様を見守ってる。


護衛の騎士には糞が長くて直ぐに休憩したがる糞勇者とひそかに言われていた!


ひどい!


補給品の中にひそかに糞つけとくからねっ!


こうしてサルラースに王都からの補給品を届け俺とセシア様、イリス様は王都に戻ることになった。

シャリンザでの巨食人鬼の軍勢が蜘蛛の子を散らすかのようにバラバラになったのと、斥候部隊によるシャリンザ王都の消滅、謎の爆発。


軍は巨食人鬼があの爆発により消滅したという結論付けた。


軍は巨大な力を持っている勇者には不足の事態に対応すべく、サルラースに残ってもらいたかったみたいのだがおれはごねた!


「すんません!もう勇者様成分が足りません、限界です。」


「ちょっ、アイン殿!アイン殿が居なくなっては補給が‥‥


知らんがな!おれは軍の補給部隊ではない。勇者様の荷物持ちだ。


「アインが正式に王都に戻るなら私も戻る。

アインが補給に行ってる間ホント寂しかったんだからな?」


セシア様が上目づかいで俺の袖をチマっと掴む。


超かわいい‥


「では妾も王都に戻るかの。どうやら巨食人鬼は消滅したらしいからのぉ。誰が倒したかは知らんがなぁ?」


イリス様が怪しく頬笑み舌舐めずりする。


イリス様!だから魔王っぽいっす!


「しかし‥‥‥」


「くどい!妾達は次の化けものを退治しにいかねばならん。それ以外は自分達でなんとかせい。」


追いすがる部隊大隊長にビシッと言い放つイリス様。


たよりになるぅぅ。


ていうかホント基本的には自分達の力でなんとかしてほしい。


でも俺たちがサルラースを出るときには王軍はもちろん街の皆にも惜しまれた!


イリス様や、セシア様超美人だからね!


王都へはのんびり帰った。途中で凍也様を見守りに行ってることがセシア様にばれた!


やっぱり普通の護衛騎士みたいには騙せないね!


セシア様の口止めもしなければならなくなってしまった。


か、身体もつかな‥‥‥‥



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る