第19話 冒険者 勇者凍也1

俺はユリア公国の冒険者ギルドの前に来ていた。


立ち並ぶ大きな建物の中一際大きな建物だ。


王城がなければここが城ではないかと思うほどの建物だ。石づくりでこれ程の建物は日本ではみたことがない。


「ご案内ありがとうございます!ここからは俺一人でいきますね!」


ここまで案内をしてくれたロイヤルガードのレイラさんに振り返っていった。


「申し訳ございません。半年間は凍也様の身辺警護の命を受けておりますのでご了承ください。」


レイラさんにビシッと言われる。


彼女は王族を守る近衛騎士団の更に精鋭、ロイヤルガードだ。今は王城にいた時の青いフルプレートアーマーではなく、不思議な輝きを放つ銀色のハーフプレートを装備している。


王城にいた時はフェイスガードをしていたのでわからなかったが、背が高く20代半ばで金髪、青眼、ショートカットだが結構美人なお姉さんだ。


もしやとは思ってたけど、やっぱり監視のためだよね‥‥‥


何があってもついて行く!という決意を秘めた眼でジッと見つめられる。


「わかりました。何か保護者同伴みたいな感じで恥ずかしいですが、よろしくお願いします。」


俺はタメ息を吐き気きつつ、レイラさんと握手をかわす。


「では入りましょう。既に王城から冒険者ギルドに連絡がついてるはずです。」


レイラさんの話では、通常冒険者ギルドに登録した場合はFランクから始まり最高はSランクまであるランク分かれされるらしい。


依頼を沢山こなし、実績を重ねて過ごし方ランクを上げてゆく事により、より収入が高い高難度の依頼を受けれるようになる。


世の中の認識だと

Fランク 駆けだしの見習い

Eランク 初心者冒険者

Dランク 中級冒険者

Cランク 上級冒険者

Bランク 凄腕の上級冒険者かつ信頼のでき

る者

Aランク 超級冒険者かつ信頼できる者

Sランク 伝説に残るような強さの人間。現

在は世界で二人しかいない。


王城からの便宜により、凍也はランクDランクからのスタートになっていて、冒険者章も、既に貰ってある。かつ、王城からの依頼によりBランクパーティーに凍也のサポート依頼が入っていて、そのパーティーとの合流がこの冒険者ギルドになっていた。


冒険者ギルドに入りると広い広間にカウンターがズラリと並び、奥では事務仕事をしている職員さん達がいる。カウンターは10

席程ありその横に受付があった。


ラノベとか読んでた時、冒険者が並んでまってるイメージがあり、酒場も併設され、柄の悪い冒険者に絡まれる、みたいないがあったのだが、普通に酒に酔った状態でのギルドへの来店は禁止。従ってギルドでの飲食などもちろん禁止。ギルドには国の衛兵もいる。


依頼を受ける以上しっかり依頼を受けてもらうため、酔っぱらって覚えてないとかなると困るためである。


イメージとしては市役所的な感じだった。


レイラさんが受付に行くと直ぐに奥へと案内された。


案内された応接室には既に五人の女性たちがくつろいでいた。


「おぉ!あんたが異世界から召還されたってゆう勇者様かい?」


背の高い鍛え上げた体つきの女性が直ぐに話かけてくる。


凍也も178センチあり結構身長はたかかったのだがそれより拳二つ分ぐらい高い。


そして大きさな二つの膨らみの谷間も惜しげもなく晒しているいわゆるビキニアーマのため、ついつい凍也もそこに目をやってしまった。かれもまた17才の男子高校生だ。


「おっ?勇者様も男だねぇ?そっちは依頼には含まれてないけど、あたいより強くなったら、考えてあげるよ?」


女戦士がニシシっと笑いながら凍也をからかう。


「サラ、勇者様に失礼ですよ!私はウェンディ。このパーティー《旋風の戦乙女》のリーダーをしております。彼女は戦士のサラ。こっちは魔法使いのクイナ、そっちは神官戦士のジーン、そして最後にシーフのウルグです。」


紹介された三人は皆金髪青い眼のそれぞれ違ったタイプの美人達であった。


「私たち《旋風の戦乙女》が国からのギルドへの依頼により、勇者様の冒険者としての指導と実戦の経験補助をする依頼を受けました。」


「詳しくはギルド長から説明があると思いますがよろしくお願いします。」


ウェンディがにっこり笑っててを差しのべてきたのでおれも握手をする。


サラさんとは逆で細身なのにしっかり引き締まってスレンダーだ。


「初めまして、俺は凍也。勇者かどうかはまだ実感ないですがよろしく頼みます」


ついついウェンディさんの体つきにも目にいってしまう。


「あらあら。勇者はやはりスケベなんですね?その黒髪に黒目、とても素敵ですのでちょっと考えてもういですよ?」


「おめぇも、からかってんじゃんか!」


すぐさまサラが突っ込む。


「勇者様は胸がないとだめですか?」


魔法使いのクイナが凍也のふくの端をチマっとつかみ上目づかいで聞いてくる。


「勇者様が困ってらっしゃるわ。勇者様、困った時。傷ついた時は私が癒しますわ。二人きりで。」


フフっと神官のジーンが怪しく頬笑む。


「皆回りくどいな!勇者様かっこいいし、黒目、黒髪で素敵だから子種欲しいって素直かに言ったら良いじゃん!」


ケラケラとシーフのウルグが笑う。


「無理矢理は許しませんよ?」


ロイヤルガードのレイラが旋風の戦乙女のメンバーと凍也の間にはいる。


「あんたは?」


突然間にはいられたサラはムッとしながら聞いた。


「私はロイヤルガードのレイラと申します。皆様よろしくお願いします。」


「ロ、ロイヤルガード!こいつは失礼した。よろしく頼むよ。」


レイラさんがロイヤルガードと知ると戦乙女の面々のアピールが収まった。


「因みに勇者様の子種をいただくことにかんしては、本人からの了承があれば、全然かまわない、むしろ積極的に子種をいただき、優秀な子を国に残して欲しいとは宰相様からは言われております。」


レイラは苦笑いしながら話す。


「「「「「それ、ホント?」」」」」


5つの声が重なった。


いや、つーか、おれむしろ童貞ですよ‥‥‥‥?

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