第13話 勇者の旅立ち3
セシア様の対オーク弱体化が判明したことで作戦の練り直しに迫られていた。
巨食人鬼ガラナーガがいると思われるシャリンザ国方面から攻められているナーム砦に破滅の魔女イリス様と女神騎士セシア様と王都からの援軍2万を派遣し、砦を防衛、そのままシャリンザ国の国境の城塞都市サルラースまで進軍する予定であった。
しかし巨食人鬼ガラナーガの配下にはオークも多いらしい。
最悪の場合セシア様は戦力にはならない可能性もあるので、しぶしぶ軍の補給もかねて俺も同行することとなった。
出発前に、イリス様、セシア様と俺の実力を王家の皆さま、騎士団長や、宰相、部隊大隊長など幹部達の前で御披露目するため、王都近くの平原に来ていた。
イリスの提案で城の訓練施設では力を出しきれないという理由だ。
つか、どうしよー。広すぎておれの力発揮出来ない‥‥‥派手な技ないよー‥‥
山1つ全部収納しちゃおうかな‥‥
あっ!
そういえばこの間、神様ボコったときなんか槍パクったからそれ使おっかな!
たしかこのへんにあったような‥‥‥‥‥
あったあった!万物鑑定!
名前 神装 グングニル
クラス 神器 ゴッデス
攻撃力 100000000 防御力 10000000
説明 この槍を装備がすると光の防御障
展開される。光の障壁のなかは
一定の気温に保たれ酸素や食糧、
水分さえもとる必要もなくなり、
老化もしない。睡眠も必要なくな
る。
あれ?ちょっとヤバいやつ?まぁいっか!
一日に一回、三分しか使えないことにしとこ!
そんなことを考えていると御披露目が始まった。
一番手はセシア様だ。
「では私から行きます!基本は剣術なので派手なことは出来ないですが‥‥」
「神気展開!」
セシア様から神々しい光が、オーラが立ちのぼる。そして美しいプラチナブロンドのその髪がさらに光輝きだす。
美しい、まさに女神だ。
王族の人達も、騎士団長達も膝をつきはじめる。
「いきます!」
セシアが宝剣を胸の前に掲げ呪文を唱えはじめる。
「ゴッドジャッジメントレイ」
セシアがそう唱えると遥上空に恐ろしいほどの魔力が集約し始める。そして強大な魔力と破壊の光が地上に降注いだ。
ドゴォォォン‼️
あっこれ知ってる!女神ボコったときあの女神この魔法を撃ってきたのと同じやつだ!
懐かしい!
超絶強化してたからデコピンでこの魔法はじいたけど!
だって眩しいし!
ていうか女神なみに威力すごいじゃん!
流石セシア様!素敵!
おれは軽くそんな程度に考えていたけど皆はビックリしていた!
ていうかこの馬鹿でかいおっきな穴どーすんだろ?
「すまない、張り切ってやり過ぎた‥‥」
神化を解いたセシア様が申し訳なさそうに振り返って呟いた。
「なかなかじゃな‥‥。もう妾、要らなくない?」
御披露目の次の番のイリスの口元はひくついていた。
「こんな大穴開けちゃって‥‥でもこれなら妾も遠慮いらないの!」
そういうとイリスは赤い髪をたなびかせてセシアと入れ替りに前に出る。
「じゃあ!妾も派手に行くとするか!いっっくぞっ!」
イリスが両手をクロスさせる。両手それぞれ違う魔力が集約してゆく。
「はぁぁぁ!デュアルスペル!グラビテイ・ビッグバン」
あっこれ余波やばいやつだー!
俺はすばやく無間収納に入っていた、魔道具イージスを取り出し魔力を流し込む。
すると強大な半透明な盾が出現した。
それとほぼ同時に先程の大穴の中心に強大な魔力を纏った黒い影がドーム場に広がり中心に集約してゆく。
中心集約した瞬間炎の魔力が発生する。それと同時に強大な爆破が巻き起きた❗️
ズゴォォォォン‼️ガガガガー!
い、いやおれがイージス展開してなかったら王族と軍幹部皆殺しだったよ?
会心のドヤ顔のイリス様!
イリス様の笑顔可愛いぃぃ!
と思ってたらあまりの威力に茫然としていたセシアがはっと我に返りイリスに抗議する。
「ちょっとイリス!今のは無いわよ!私以外下手したら皆死んでたわよ!」
「たしかにそう言えばそうじゃったかも!うけるのー🎵ていうか逆になんで生きとるんじゃろ?」
いや、イリス様、貴女実は魔王なんじゃないんですか?
「イリス様!おれが無間収納から魔道具イージスを出して防いどきました!」
とりあえずイリス様に褒めてもらいたくて、片手を精一杯挙げてアピールする!
「ほぉ?妾のデュアルスペルの最高クラスの威力の魔法をこれだけの範囲で防ぎきるとは。見上げた男じゃな?」
そう言って俺をしたから上まで見回す。
勇者様!褒めて、褒めて!
「ふむ?見目もいいし、いいのぉ。妾の番になるか?」
妖艶な笑顔でイリスが近づいてくる。
番?あの扉についてるやつ?
あっ!クッションてこと?
他の勇者様たちとのクッションの役割?
イリス様ってコミュニケーション苦手なんすね!
「いいですよ!俺にまかせてください。」
納得のいった俺は笑顔で返す!
「決まりじゃな❤️番など久久‥‥」
「ちょっ!ちょっと待って!アインは私のなんだから‼️」
セシア様がおれとイリス様との間に割り込む。
えっ?やばい!おれ荷物もちとして頼られまくり?大丈夫!安心してください!俺は勇者さま達皆さんの荷物もちですよっ!
「イリス様、セシア様!お二人ともおれに任せ下さい!」
お二方が暴走してもおれがイージスでフォローしますよ!
「「なっっ」」
俺がそう答えると小さな声で二人はこそこそと相談し始めた。
「ど、どうする?」「あ、あやつは何だか体力もありそうだし、変わりばんこ位がちょうどいいかもしれぬな‥‥」ん?なにが?
二人は振り返っておれに向かって言った。
「優しくしてね!」
「あまり激しくしないのじゃぞ?」
だからなにが!?
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