第10話 女神騎士セシア・フォン・アーバレス3
リハビリから復帰したあと、私は狂ったように自分自分を鍛えた。むちゃくちゃ鍛えた。
あんなホモに王座を奪われるワケにはいかない。
命を救われた恩人だが、流石に王座に王と王妃ではなく王夫だなんでいくらなんでも気持ち悪い。
せめてお飾りでも、王妃を置くべきと説得したが聞き入れられなかった。
まさかの初恋が男に取られる、しかも実の兄にである。
私の人生は本当に踏んだり蹴ったりだ。
しかも最近兄がくねくねしていて本当に気持ち悪い。勇者をみて顔を赤くしている。
最近は私は女神様から神託をうけ力を授けていただいた。
今までとは比べものにならないくらい身体がかるい。だが世界を旅をしていてわかったのだが、私はオークを前にすると、フラッシュバックのように汚された記憶が甦り、オークの前では力がまったく発揮できなくなっていた。
幸いその時は従者をつれていたため事なきを得たが、正直このオークに対する苦手意識は克服できそうにない。
オークに超絶強い勇者。オークに超絶弱い私。
あぁ、何故もう少し早く力を私に授けてくれなかったのだろうか。
私がイチャイチャ、チュッチュッ❤️している兄と勇者を茫然と眺めていると私の足元が突然と輝きだす。
魔法陣だ。
イチャイチャ、チュッチュッ❤️していた勇者たちと王子がハッとこちらに気付き声をあげる!
「セシア!それはっ!その術式は召還魔法陣だ!すぐに退避しろ!」
でしょうね!
「召還されたら戻れないんだぞ!」
勇者が叫ぶ。
はい、申し訳ありませんが、実の兄と初恋の殿方がイチャイチャチュッチュッ❤️している世界なんぞに未練などありません。
むしろ私を必要としてくれる世界にいきたいです。
「お兄様に勇者様!私は私を必用とする世界にゆきます!いままで育ててくれて、救ってくれてありがとうございました❗️」
そして私はいままでの思いのすべて込めて言いました。
「じゃあな、くそったれな世界!」
‥‥‥‥‥‥
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます