第9話 女神騎士 セシア・フォン・アーバレス2
それからの日々は凄惨な毎日であった。屋敷に捕らえられ、朝から晩まで捕まった王妃やメイドとともに弄ばれ続けた。最低限の食事とその間の休憩。それ以外はひたすら女体を蹂躙されつづけた。武器もない状態では屈強な豚の化け物にははが立たず、ましてや充分な食事もしていない。力もでない。
「くっっ!もう殺せ!」
母である王妃がまだ生きている以上先に自決などできない。あと何故かは知らないが、私の純血は光の膜があるらしく怪物たちには侵入できなかった。そのかわりに違うありとあらゆる穴は犯された。
もう何日何ヵ月、何年たったかわからない。
ふと気付いた時には王都のベッドの上にいた。
ベッドの傍には窶れきったすこし、以前よりお歳を召した父様とお兄様がいた。
「ここは?あれ?夢?いまが夢?ドレガホント?」
次第に意識が覚醒していくなか、私は混乱していた。
どうしたんだろ?身体に力が入らない。
「今はいい。いいんだ、ゆっくり休め。大丈夫だ。セシアっ!もう大丈夫なんだ。」
そっと父上が髪を撫でくれる。安心する。夢なら覚めないで欲しい。
わたしは安心して目を閉じた。
お父様達が部屋からでてゆく。
しばらくすると部屋の外で話をしている声がきこえてきた。
「よかった、本当によかった。」
「はい。お母様やメイドたち、女たちがあんな状態で発見されたから、セシアも、もうダメかと思った。でもなんとか大丈夫そうで、ホントに‥‥‥本当によかったっっ」
「泣くでない!わしも、泣けてくるではないか」
というやり取りが聞こえてきた。
あぁこれは夢ではないんだ、と悲しくなると同時に安心する複雑な気持ちになった。
それから一週間位すると身体起こせるようになってきた。その間に今までの事を教えてもらっていた。
とりあえず私たちが拐われてから、すでに六年の月日が流れていた。アーバレス内に発生した、闇のオークキングは瞬く間にアーバレス国の半数を掌握していた。
アーバレスは一国では太刀打ちできないとなると、領土を失う覚悟で他国に助けを求めた。直ぐ様人類連合として立ち向かうも、オークの圧倒的繁殖力により、戦場は膠着状態となった。そこでアーバレス国に伝わる古の伝説の儀式、勇者召還の魔術書が城の奥の禁術書物庫から見つかる。
すがる思いで研究に研究を重ね、実行した勇者召還は成功。
異世界から三人の勇者の召還に成功。三人の勇者はともに男であり、最初こそ闘いの経験のない一般的市民程度の実力であったが、メキメキ頭角を表し勇者にふさわしい実力者となった。
さらに特筆すべき点はオークに対する超絶特化、特効能力があった。
彼らは近くにオークがいるとその力、能力が100倍になるという恐るべき能力を持っていた。その圧倒的な力により戦線はあっという間にオークキングをオニゲー島まで追い込んだ。その時にアーバレスの避暑地の王家の別荘にて、セシア王女たちを発見、救出したのである。
そのあとも勇者の快進撃はとまらず、ついには闇のオークキングも討ち果たした。
こうして多大な被害をだしつつも、勇者により平和がもたらさられたのであった。
それからセシアはリハビリから復帰し、一度は汚されたとはいえ、非常に美しく成長した姫様は勇者と結ばれた‥‥‥‥
かと思われたが
勇者一行はホモだった。
男が好きであった。
それはもう勇者パーティーは転移者三人で三角関係でどろっどろであった。
オークに対して圧倒的殲滅力を発揮した勇者パーティーにセシア王女も生まれて初めて、胸の高まりを覚えていたのだが、勇者一向は元の世界に返せない代償と闇のオークキング討伐のかわりに求めた報酬は、自分たちの騎士団の設立と人事権、そして第一王子の専属顧問の希望であった。
一番の希望は男性同士の結婚制度と第一王子との結婚であったが、流石にそれをイキなり現在の制度に変える訳にはいかなかったので、時間をかけて変更、実現することとなった。
こうして闇のオークの世界侵略は第一王子の夜な夜なの悲鳴をもって終結したのであった。
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