第8話 女神騎士 セシア・フォン・アーバレス

私の名前はセシア・フォン・アーバレス


アーバレス国の第一王女だ。


私は生まれながらにして、いわゆる神童と呼ばれるほどに、他の者にはないありとあらゆる才能があった。

生まれた瞬間に目映い光のオーラに包まれていてそれはもう女神誕生など当時はもてはやさた位らしい。


幼いころから勉学を始めれば直ぐに理解し、いちど見たことは直ぐに記憶できた。遊び好半分で剣を握れば恐らく上達し、齢10の時にはもはや国に並ぶものかまいない位の剣豪になっていた。


輝くプラチナブロンドの髪、ふんわりとした優しい顔立ちにあまりに美しい青い瞳。何処にあれだけの力が蓄えられてるのわからないほどのか細くも引き締まった手足。

まさに女神にふさわしい少女に成長していた。


そんなある日、母の王妃とともに沿岸の避暑地にいた時であった。


辺は夏の雲ひとつのなかった真昼に突然暗黒の雲が立ちこめ、雷鳴が鳴り響く。


一際大きな雷鳴が響いたあとに禍禍しいオーラを纏った巨大な豚の怪物が姿を現した。


王家の避暑地の屋敷の直ぐそばにあらわれたため、護衛の騎士団が直ぐに討伐に向かったが、巨大な豚の怪物とその自身の脂肪から作り出した眷属によりすぐに壊滅。


あろうことか怪物は屋敷に向かってきた。


残された近衛兵とともにセシアも立ち向かったが、王妃を逃がすことすらできず敗北した。


最後まで立ち向かったセシアであったが、闇のオークキングのどす黒いオーラを纏った拳に弾け飛ばされ、気を失った。


意識が薄れ行くなかでオークキングの


「女は孕み袋と処理に使うから殺すな。みつけ次第一ヶ所に集めておけ」


という絶望的な声だけが聞こえていた‥‥


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