第7話 勇者パーティーの旅立ち1

勇者様たちの能力、強さに差があるため、イリス様、セシア様は即魔族との最前線に参加、凍也様と日向様は王都にて訓練し、別部隊として闘いに参加することになり、おれはイリア様、セシア様のサポートに。


おれ自己申告のスキル、無限収納、万物鑑定はこの世界にはないスキルのため驚かれた。


ぶっちゃけ万物鑑定は、威張り腐った大賢者をぶちのめして強奪したスキルだし、無限収納も元の世界のシャバゾウから強奪したスキルだ。お手軽に持っているやつがいたら凹む。

時空転移と不老スキルに関しては、いろいろと問題があるため秘密にしておく。


宰相や、騎士団長からは物資の運搬、補給に従事して欲しいと頼まれたが、こちらも 50年間死ぬほど憧れ、苦労してきたんだ。それに関しては御断りさせていただいた。


ちなみに俺達の歓迎パーティーは王様や、王妃、皇太子など国の重鎮や大司祭が召還の生贄となってなくなったため、軽く情報交換のための立食ですませることになった。


本来は国を挙げての葬儀になるだろう衝撃的な事実だが、今現在魔族との戦況はかなり追い込まれているので、勇者が目立った戦果を挙げるまでは情報公開はできない。


幸いユリア公国は大陸の端で隣はヤマダ王国、シリウス神聖王国、シャリンザ国とだけの隣り合わせのため、今主力は元シャリンザ国から側の襲撃されている、国境の砦での防衛に集中できていた。


軍隊としては、ユリア公国とヤマダ王国は大国で屈強な兵隊をもっていたが、魔王軍の圧倒的な「個」の力の前では手も足も出ない状態らしい。


「邪竜アプカプリトス」


「巨食人鬼ガラナーガ」


「ノーライフキング」


「魔王ガラスティア」


この四体が戦場に現れたら最早人間の力ではどうにもならない。軍隊がいくらいても単なるエサにしかならない。


これまでの闘いで、数々の英雄や、S ランク冒険者が闘いを挑んだが返り討ちにあい、貪り食われたらしい。そしてさらに力を取り込み強くなっていく。最早希望すら人類にはなかった。


ただ、この最強の四体の軍勢同士は決して仲間などではなく、むしろ敵対同士なので同時に同じ戦線で闘いになることはないのが唯一のすくいだ。


そこまでの説明を聞いていたセシア様が苦々しい表情で口を開いた。


「それに加えてシリウス神聖王国まで落ちたというわけか‥‥」


深いタメ息をはく。凍也様と日向様は下を向きそれは肩を落としていた。

無理もない。二人の話を聞いたところ、召還される以前に住んでいた世界は争いのない平和な世界だったらしいから。

召還された世界とは真逆。ちょっと情況が悪すぎる。


「魔王はまだ人間を家畜扱いにする程度ですので、まだマシですが他の三体の軍勢に関しては人間は食料でしかないため、攻め落とされると正に絶滅してしまいます‥」


説明をおもにしていた宰相もタメ息を吐く。


あっなんだかヤバそうなパターンだ!勇者様にはてにおえなさそう!


魔王以外は間引いとこう!おれがこっそり決意した所でセシア様が宰相に聞く。


「因みに、北の砦に攻めいっている軍勢は何処の所属のモンスターなの?」


「巨食人鬼の軍勢の一部でございます。まだシャリンザ国を食らい尽くしてないのか、それほどの数ではございません。」


セシア様の質問に宰相がさらっと答える。


「も、もしかしてだがその軍勢にオークはいるのか?」


セシア様がその美しい顔を歪めてガクガク震えた。


「は、はい。オークは巨食人鬼軍団の先兵ですのでたくさんいます。っえ?セ、セシア様いかがなされました!?」


「オ、オークだけはダメだ、オークだけはだめなんだ‥‥」


え?やっぱりあの隠しデバフが原因だよね?

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