第6話 勇者 トウヤの異世界転移

「おはよー!今日も時間通りだね!」


玄関を開けて外にでると、美少女が艶やかな黒髪をゆらし、俺に輝く笑顔をむけてくれた。


彼女の名前は嶋 日向〈シマヒナタ〉。俺、福山 凍也〈フクヤマトウヤ〉の小さいころからの幼なじみだ。幼なじみのひいき目を差し引いても本当に可愛い。超可愛いと思う。性格もふんわりしていて、成績も優秀だけど、運動はちょっとだけ苦手ってとこも男うけがいいと思うし、実際にモテモテだ。

1人っ子のおれにとっては可愛い妹的な存在。同い年だけど。


つい最近までは、悪い虫がつかないか心配だったけど、もう俺達も高校二年生だ。正直おれもそろそろ彼女も欲しいし、こいつも彼氏が欲しいだろう。


おれは日向の彼氏が今だかつていたことがない今の状況がちょっと心配になってきた。


「うっっす!ていうか、いつも朝待っててくれるのはうれしいけど、お前もそろそろ彼氏でもつくって朝一緒に登校でもしたらどうなんだ?」


しかし日向は「なにそれ、なんかおとうさんっぽい」とクスクス笑った。


いやいや、おとうさんじゃなくてお兄ちゃんだし!とか勝手に突っ込む。まぁ同いどしの幼なじみだけどね。


すると日向は「はいはい。お兄ちゃん。早く学校いくよ?」といい、俺のカバンをもつ反対の手を握り手を引きはじめた。

いやいや、いい年こいて幼なじみと手を握りながら登校だなんてないよなー。とか考えいたが、まぁ日向が楽しそうだから学校が近くなるまではいいかな?とか考えながら日向にひきづられていく。


登校中日向のそろそろ夏休みだねーとか夏休みは絶対海に行きたいとかそんな世間話をしながら道を歩いていると、突然脇道からをサッカーボールが道路に転がって行く。


もちろんそれを追いかける小学生も!


そして対抗斜線にはトラックが!


危ない!


回りの通行人の人達が固唾を飲みながら見守る。


俺は条件反射で身を乗りだした!








日向に手を思いっきり引っ張られ派手にバランスをくずした。


「ちょ、おま、なにやってんだよ!子どもがダンプに退かれるだろーが!」


思わず日向にどなりつける。


「あんな道路でサッカーボールけってあそんでいる子どもなんかより、凍也のほうが大事だもん!ていうか、よくみて!ダンプはちゃんと子どもの前で止まってるし!」


日向に言われて道路を見るとちゃんとダンプがギリギリ子どもの手前でで止まっていた。いや、ほんと良かった。


逆におれが飛び出していたら、ダンプのおじさんはレーキ踏み忘れたかもしれない。


ほんとラノベみたいな異世界転生するとこだった。マジで。冷や汗をかきながら呆然としていると、足元がなにやら輝いているのに気付く。


下から風が吹き上げてくる。日向のほうを見ると短めのスカートを必死に片手で抑えていた。


見えそうな感じだったのでついつい日向のスカートを凝視する。クソッ、近すぎて逆にみえないっ!とか考えていると、日向「ちょっとこれなんかヤバいよ!へんだよ!」という声に我に帰る。


回りを見回すが最早光でなにも、日向さえもみえないっ!条件反射に日向を守るべく手を引き寄せ、抱き寄せる。


「お前は俺が守る!」


こうして目映い光に包まれおれたちはダンプに引かれなかったが異世界へと召還されてしまった‥‥‥





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