逆転移で無双する!

鴉杜さく

第1話 ここはどこだ!?

異世界転移。

それはよく行われる。

通常の場合は異世界側の人が向こうにいる才覚のある者を召喚するというものだ。


だが。

何かの不具合でそれは逆に行われた。


召喚の間にいたのは召喚をする巫女とそれを護衛する女騎士のみ。


その女騎士。

鎧や兜で隠しているが、かなり幼い。

しかしそれでも剣術、魔術共に優秀であるため入隊を命令されたのだ。


持っている剣は黒い刀身に銀の装飾。

鞘の部分に薔薇の蔦のような銀色の装飾も施された業物。


魔方陣が光ったと思ったら、巫女が言った。


「おかしいっ!光の色が違う!!」


チッと舌打ちをすると巫女の襟首を掴んでとにかく全力で壁に向かって投げた。


代わりに光に吸い込まれていった。


そして女騎士はかなり動揺していた。


青い服を来た人と黒い服を着た人に警戒心だだ洩れで睨まれていた。


「どうやってここまで入ってきた?」


高圧的な態度。

高圧的な喋り方。

人の上で胡座をかくのが得意な者たちだ。


終いには、人に指を向ける始末。

ここがどこか分からないが、その指を退いてもらわなくちゃ。





何も喋らない私に不信感を抱いたのか青い服を着た人たちが自分の肩に付いている黒い何かに向かって喋った。


数分後に腰から黒い塊を取り出した。

その穴が空いている部分を私に向けてきた。


兜を被った状態で嗤った。

軽く先程から殺気を出しているが、何の反応も得られない。


呆れてものが言えない。

どこまで平和ボケしているんだ、ここの人は。


溜め息を吐くと腰から剣を抜いた。

その瞬間、青い服を着た人たちが大きな声で言った。


「銃刀法違反で逮捕する!!」


それにさっきから思っているだけど、ここの人たちどうして皆髪の毛が黒なんだろうって。


兜を被り直すと剣を垂直に構えた。

ギリッと歯を鳴らすと青い服の人が黒い棒みたいなので近づいてきた。


なんか知らないものが多いな、なんて呑気に考えたり。


パアアァァァァッッッッッッン!!

なんて耳障りな音なんだと思いながら見ようとした時には既に兜に穴が開いていた。


「ぇ。ええぇー」


兜が駄目になったから、外す。

その際に自らの白銀の髪が揺れた。


白銀の髪に鶯色の瞳が明らかになる。

明らかにこの国の者ではないと分かると距離をとりはじめた。


染めた形跡もない。

カラコンは分からないが。


大きな溜め息を吐くと彼女は少しずつ後退を始め、背中に窓があたると嗤った。


窓に体当たりをし、下に落ちていったのだ。

そして、落ちている途中で黒い箱を持った人たちに光を浴びせられ顔を白黒させていた。


その後思い出したかのように走り出していたが。

その方向には、中学校があった。



一人の男の子と女騎士の出会いは直ぐ側に。

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