第5話 暗殺ギルド

シャルルまで向かう彼女達に──



若干1名の変わり者従者が追加になった。



今僕はシリアスに衣服を貸してもらい女装している。



こんなことになるなら……矢張り一人旅をと思ったがどうしても変装する必要があると言われ押しに負けた。どうやら僕は押しに弱いタイプらしい。



だが僕は魔法陣のお陰でかなり目立つ。どんな変装をした所で無駄な気がするのだ。



「良くお似合いです!鈴木様!」



「馬子にも衣装だな。」



「馬子と思うなら変装辞めさせろよ!」



「ふっ。それは出来ぬ。出来ぬのだ。リリアお嬢様が喜ぶ。これはこの上ない褒美なのだぞ?嬉しくて涙が出るほどだろう?」



僕は《時停止》を使いシリアスの体を擽りまくった。最後に浣腸をお見舞するのも忘れなかった。



《時停止》を解くと笑い死ぬ程爆笑した後に臀を抑えて悶絶していた。ざまぁ。ふっふっふ。僕に逆らうからだ。



シリアスは僕のことをキッと睨んだがまた《時停止》してやった。今度は乳と臀を揉みしだいた。最後に脛を思い切り蹴るのも忘れなかった。



またまた《時停止》を解く。喘ぎ声を上げながら悶絶していたシリアスを見てリリアが爆笑していた。自分の従者が辱めを受けているのに笑う主人。物凄くシュールな絵だった。



シリアスは僕を睨んでいるようだが僕がシリアスの方向を向くと咄嗟に引き攣りながらも笑顔を作り出していた。どうも僕とシリアスは気が合わない。



「鈴木様?シリアスとばかり遊んでないで私とも遊んでください!」



え?リリアはこれが遊んでいるように見えるわけ?シリアス涙目だけど?



「え?リリアもして欲しいんだ?」



僕はワキワキと指を動かしリリアに向かう。シリアスは僕を止めようとするが植え込まれた恐怖で体を硬直させていた。


逆にリリアはニコニコと満面の笑みを浮かべ僕が近寄ることを待っている。



「……やっぱやめた。」



「ええ……触っても良いのですよ?」



「嫌がられるからこそ触りたくなる。そこにはロマンがあるんだ!だから……今のリリアにはロマンが無いのだよ!」



ガーーーンと聞こえそうな程ショックを受けているのはリリア。



「そんな……そんな……」



まぁ美しい顔立ちだがまだ10歳にも満たないような幼女だからね。



「リリアお嬢様に精神的ダメージを与えるなーーー!」



シリアスがまた性懲りも無く襲いかかってきた。



また《時停止》の餌食になるシリアスだったが今回は浣腸10連発をお見舞いしてやった。これはかなり痛いと思う。



《時停止》を解くと臀を抑えて膝から崩れ落ちた。それは即ち顔面から地面に倒れるとも言う。



シリアスはHPが少なくなり死にかけているのかも知れない。僕は可哀想だから薬草を食べさせてあげた。とっても苦い薬草を生で。



涙を流しながら喜ぶシリアス。うんうん。僕の優しさが分かっただろう?もう僕に逆らうんじゃない。またやるぞ?



シリアスを目で脅すとお尻を抑えて頭を横にブンブン振っていた。漸く僕の恐ろしさが分かったようだ。ふふ。またやってやろ。



リリアと愉快な仲間たちは順調に進み歩くこと3日でシャルルの街に到着した。



シリアスは浣腸されすぎてケツが痛いと連呼していた。女性がケツが痛いとかはしたない。恥を痴れ!まぁ半分は僕のせいだが。



「ここがシャルル?」



「はい。そーです。」



「じゃ僕はここで。」



《時停止》を使ってリリアが何か言う前に雑踏の中に消えた。



「あ。……鈴木……様……」



「リリアお嬢様。あの者はシャルル迄の護衛のはず。騎士云々はお忘れになってください。」



「でも……でも……」



「異世界人とは……どういう存在かお忘れでは無いでしょう?王族教育で学ばれたはずです。」



「それはそうだけど……でも……」



「お父様も哀しまれます。」



ハッとした。そうだ。お爺様ならお許し下さるはず。



「シリアス。私はシャルルの領事館へ向かいます。」



「はっ。お供いたします。」



ふふふ。上手く行けば……






この街は人の多い街だな。


《時停止》を使って街中を散策するも至る所に人がいる。



落ち着ける場所が欲しいな。



人気のない場所へ歩いていくとそこは貧困街だった。道の端には物乞い。娼館が建ち並び見るからに怪しい風貌の男が沢山いる。



今も《時停止》を使っている。だから厄介事には巻き込まれる事は無いが厄介事の塊の様な場所だ。



スリにあっている瞬間や殴られている娼婦らしき姿の裸婦。全てが止まっている。



そして目に付いた建物。



暗殺ギルド──



こんなに大体的に《暗殺》と言っていいのか?それは入れば分かることか。



僕は暗殺ギルドへと足を踏み入れた。



僕はそこで驚愕した。



「おい。坊主。勝手に時を止めるんじゃねぇ。」



は?時が止まってるはずだよね?僕話し掛けられてるんだけど。



「あん?同じ魔法が使える者には《時間停止》は効かないんだよ。しかも禁じられた魔法だ。見つかれば死刑は免れんぞ。」



どこから聞こえてるのか分からない声がする。



「え……そうなんだ……初めて知ったから……ごめんなさい。」



僕はとりあえず謝り《時停止》を解いた。



周囲の人々は慣れているのか突然降って湧いた僕の事を誰も驚く素振りも見せない。



「──ようこそ。暗殺ギルドへ。」



僕はこの男の魅力へ引き込まれるのだった。


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