第2話

 彼らは道を進んでいく。

 大きなロウソクはもう少し先。

 彼らには戦闘後の疲労は見られずただただ道を進んでいく。


 黒い真っ暗な道に先に見える大きなロウソク。

 延々と続くかのように思えた道だがものの数分で大きなロウソクの下にたどり着いてしまった。

 これから先はどう行けば良いのだろう。

 答えはすぐにわかったが困ったことになってしまった。


「分かれ道……か」


 道が分かれてしまっていたのだしかもご丁寧に4人分。

 まるで4人来たから4つに分かれましたと道が勝手に分かれたかのようである。


 ここは魔法使いの住む場所。そういう不思議な現象はわりと一般的だ。


『巡れ、巡れ、巡れ……』


 鬼灯がフラスコを割り魔法を発動させる。

 しばらくして鬼灯が「4つの道とも同じくらい強い魔力を感じる」と言った。

 彼らは互いに顔を合わせると全員、利き手を前に出した。

 こういう時のおきまりだ。


「さいしょはグー、じゃんけんぽんっ」


 じゃんけんをした結果、悠介が一番最後に選ぶことに決まった。


「では、悠介。誰が赤の魔法使いを倒しても恨むなよ」


 幸太郎の言葉は悠介の表情に鋭さを与えた。


「いいさ。できれば俺の手で倒したいが。お前らならな」


 そう言って彼らはそれぞれの道へ入っていった。

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