【詩】この雨がやんだら

この雨がやんだらなんて意味のない仮定はいらない

貴方の世界がどうなっているかなんて知らない

私の世界で雨はやむことがないのだ


やまない雨はないなんて

そんなつまらないくだらない妄想はどうでもいい

雨上がりの匂いの話をされても

そんなことは想像も出来ない


虹なんてそんなもの

絵本の中の話でしょう?

夢物語の話でしょう?


私はただ

この雨の中にいたいだけなんだ

この雨にうたれていたいだけなんだ

この雨の中一人でいたいだけなんだ


だから

そうやって晴れた日の話をしないで欲しい

そうやって傘をささないで欲しい

そうやって隣に立たないで欲しい


私はそんな人間じゃないんだから

私はそんなことしてもらえるような

そんな人間じゃないんだから


貴方の横に立てるような人間じゃないんだから

どうかお願いだから私をこの雨の中にいさせて欲しい

今はただこの雨の中にいさせて欲しい


でも、

いつか、

きっと、いつか、


この雨がやんだら私は貴方の隣で笑っていられると思うから

この雨がやむまで貴方は待っていてくれるかな?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る