【短編】泣きたがりの新月
雨が降る
ぽつぽつとなら可愛いもんだが
ざあざあと可愛げもなく降っている
空を見上げる
夜をより一層暗くするように
どんよりと濁ったカーテンをかけている
スマホを見る
やっぱりだ、本当に嫌になる
アプリによればもうすぐ新月になる
新月が近づくと雨が降る
いつの頃だろうか、それに気が付いたのは
もうすぐ死ぬ自分を憐れんでいるのだろうか、勝手なものだ
すぐ生まれ変われるくせに、贅沢ものめ
私は毎日毎日必死だっていうのに
必死にあがいてもがいて死にたくなる気持ちを押し殺しながら生きてるっていうのに
何泣いてんだよお前
何落ち込んでんだよお前
何死にたくなってんだよ私!
何やってんだよ私!!
「うるっっさいんだよ、もう!放っとけよな私のことなんて!!」
ばーか
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます