第12話叶斗の初デート

7月17日金曜日の夜、ホワイトクイーンから遊びに誘われた次の日、叶斗は、10時位まで、いびきをかいて寝てしまった。

『叶斗、起きなさい?友達が来てるよ!』

と言う声で、目が覚め、

『んあ、もう来たの?やばい速く準備しないと!』

と言いながら素早く身支度を始めた。そして、すぐに玄関まで移動し、

『お待たせ』

と言いながら、ホワイトクイーンの前に出て行った。すると、ホワイトクイーンは、

『大丈夫ですよ』

と、微笑みながら言われた。そして、叶斗は、お母さんに、

『行ってきます』

と言い、出掛けて行った。

『まず、どこ行きますか?』

と聞かれたので、叶斗は、

『うーん、とりあえず、ゲーム喫茶に行くか?』

と言った。するとホワイトクイーンは、

『それってどこにあるんですか?』

聞いてきた。なので叶斗は、

『目の前の商店街を抜けて、右に行った先に駅があるんだけど、その駅前のビルの中に入ってるらしいよ』

と、説明をしてからケータイの地図機能を使って調べ、ホワイトクイーンに見せた。すると、ホワイトクイーンは、

『分かりました。いいですよ』

と、さっきの問い掛けに答えてくれたので、ゲーム喫茶に行く事になった。そして、15分位で、ゲーム喫茶が入っている、ビルに着く事が出来た。

『着いた。それじゃあ中に入ろうか』

『はい』

中に入ると、飲食店や、ゲームセンター、アニメショップなど、色々なお店が立ち並んでいた。

『いやぁ、俺、ゲーム喫茶あるって事は、知ってたし、場所も知ってたんだけど、来た事無かったんだよな。こんなに興味の惹かれる物があるとは。とりあえず、昼飯食う時にゲーム喫茶に行って、午前中は色んな店回ろうぜ!』

『はい、良いですよ。まず、どこから見ます?』

『うーん、まずは、ゲームセンターでも行くか』

『はい』

叶斗と、ホワイトクイーンは、ゲームセンターに向かった。

『何か取って欲しい物とかあるか?昨日のお礼にお前が取って欲しい物、取ってやるよ』

『そうですか。そうですね、じゃあ、』

ホワイトクイーンは、背伸びをして、周りを見た後に、ある物を見つけた。

『じゃあ、チェス盤を取って下さい』

『何処にあるんだ?』

『えっと、こっちにあります』

と、言いながら、ホワイトクイーンは、叶斗の手を握り、案内された。

『ここです』

『これかぁ、難しそうだな。突っ張り棒で、支えられてるから、角を掴んで後ろの方に追い詰めてって、最後に角を押せば行けるかな?』

と言いながら、バッグから財布を取りだし、今持っている100円玉と、500円玉を、取り出した。

『とりあえず、全部で合わせて20回位はプレイ出来るからこれで取れれば良いけど』

と言い、まずは、500円玉を入れた。

すると、ピロリンと、音が流れ、音楽が流れ始めた。

『よし、頑張るぞ』

と、呟きながら、ボタンを押し、さっき言った通りに進め、角を掴んだ。すると、アームが弱過ぎて、ほんの少ししか動かなかった。

『くそ、まじか。だが、500円入れたし、まだ沢山チャンスがある』

と、言いながら、また同じ様にプレイして行ったが、2回目は、1ミリも動かず、3回目も、同じく動かず、4回目は、前に進んで、後ろが、突っ張り棒の間に上手くはまり、より、取りずらくなってしまった。そして、5回目も、動か無かった。

『ホワイトクイーン、めっちゃ難しいんだけどこの台。てかもうこれ、取れないレベルまで達してるだろ。だから、悪いけど、後、500円分やったら諦めようぜ?そしたらどっか別のお店によって、新品のやつ買ってあげるから』

『はい。それでも良いですよ』

と言う会話をしながら、500円を、筐体に入れ、諦め掛けていたので、適当に操作をしていたら、運が良かったのか、アームの爪が、上手く箱の間にめり込み、持ち上がり、大幅に動いた。そして、取れる後1歩まで進んだ。

『ホワイトクイーン、凄い、奇跡が起こってもう取れそうな所まで来ちゃった!』

と、叶斗は、驚き、嬉しい気持ちが込み上げてきて、ホワイトクイーンに、興奮気味に伝えた。そして最後、角を押して、景品をゲットした。

そして叶斗は、ホワイトクイーンに、チェス盤をプレゼントした。

『ありがとうございます!』

と、言いながら、バッグの中にチェス盤をしまった。

『で、次どこ行く?てか今何時?』

と、言いながら2人は、ゲームセンター内にある時計を見ると、もう時刻は、11時を回っていた。

『もうそんな時間か。結構長いしちゃったな。じゃあもうそろそろゲーム喫茶に向かうか』

『はい』

そして2人は、ゲーム喫茶に移動する為に、エスカレーターの近くにある、地図を見た。すると、2回の端の方にあったので、エスカレーターで上まで上がり、ゲーム喫茶のある所まで移動した。

『あった。それじゃあ入るか』

『はい』

中に入ると、メイドの格好をした、人達が出迎えてくれ、席まで案内してくれた。そして席に着くと、

『いらっしゃいませ。お席はこちらになります』

と言われたので、2人は、席に着いた。

『それでは、メニューをお配りしますので、注文が決まり次第、お呼び下さい。そして、ゲームは、あちらにございますのでお気軽にお使い下さい。そして、私たち店員とも戦う事が出来るので、戦い戦いたければ仰って下さい。そして、ドリンクバーを頼まれた際、あちらにございますますのでよろしくお願いします。以上で説明は以上になります』

と言われ、店員は去って行った。

『それじゃあ、先に軽く食べれる物でも注文してから遊ぼうか』

『はい』

『えっと、何があるかな?』

メニューを開くと、パンケーキがあったので、叶斗は、

『俺は、パンケーキと、ドリンクバーでいいかな』

と、言った。すると、ホワイトクイーンは、

『私は、カツサンドとドリンクバーにしようかな』

と言った。なので叶斗は、店員さんを呼び、それを注文した。

『さて、注文も済ませたし、ゲームでもするか』

『はい』

叶斗は、ゲームの置いてある棚まで移動し、チェス盤を探し、テーブルまで持って行った。

『それじゃあやろうか』

『はい。ちなみに叶斗さんは、白か黒、どっちがいいですか?』

『じゃあ黒』

『分かりました。じゃあ私が白ですね』

叶斗達は、料理を待っている間に、チェスを始めた。

『それじゃあ行きますよ。ポーンをa4まで移動させます』

『それじゃあ俺のターンか。ポーンをa5に移動』

『ナイトを、a3に移動させます』

『じゃあ、ポーンをb6に移動』

『ナイトを、b5に移動させます』

『ナイト、c6に移動』

『ポーンを、g4まで移動させます』

『ビショップ、a6に移動』

『ナイトを、h3まで移動させます』

『じゃあ、クイーン、c8に移動』

『それでは、ポーンを、e3まで移動させます』

『じゃあ、クイーン、b7に移動』

このような感じで、勝負は、順調に進んで行き、中盤に差し掛かった所で、店員さんがやって来てしまった。

『お客様、ご注文された商品と、伝票を、お届けに参りました』

『はい、ありがとうございます』

『それではごゆっくり』

『それじゃあ、勝負は1回やめて、食べてからまた最初からやろうか』

『はい』

2人は、勝負をやめ、食べ始めた。

『美味いな』

『はい』

『で、ここでチェスをやった後、どこ行こうか?』

『ゲームショッブ、行きたいです』

『そうか。分かった。じゃあ、午後はこのビルを出て、俺達の家に近いゲームショップに行こうか?』

『はい』

2人は、食事中に、午後は何をしようかと言う会話をしていた。そして、2人の家の近くのゲームショップに行く事が決まった。

そして10分位掛けて、2人は食べ終わった。

『美味しかったな?』

『はい』

『さて、ずっと何も飲んで無かったし、ドリンクバーから、ジュースでも持ってくるかな。お前の分も、持って来てやるよ。何か飲みたい物あるか?』

『じゃあ、お茶でお願いします』

『おう、分かった』

叶斗は、ドリンクバーの所まで、移動して、頼まれた飲み物と、自分の飲む物を、持って、テーブルに戻った。

『お茶、持って来たぞ』

『ありがとうございます』

『それじゃあ、始めようか』

『はい』

2人は、飲み物を飲んでから、また、チェスの試合を始めた。

そして、叶斗は、ホワイトクイーンにチェックメイトを決められてしまった。

『くそう!負けた!悔しい!次は、もっと練習してから挑むからな』

『はい』

『それじゃあ、そろそろ行こうか』

『はい』

2人は、伝票を持って、レジに向かい、会計を済ませた。

『いやぁ、美味かった。さて、ゲームショッブに向かうんだっけ?』

『はい』

『それじゃあ、向かおうか』

『はい』

2人は、ビルの外に出て、ゲームショップに向かった。

『今向かっているゲームショップはね、俺達の帰る道の道中にあって、その近くには公園もあるんだよね。だから、カードショップを見終わったら、公園で、遊ばない?』

『良いですよ。何して遊ぶんですか?』

『確かその公園は、バスケコートとボールを無料で貸出してくれる所だった筈だから、バスケしようと思ってるんだけど』

『分かりました』

『て話してる内に、もうそろそろ着くよ』

『そうなんですか?』

『あぁ』

2人が、こんな会話をしている内に、ゲームショップの目の前まで来てしまった。

『ここが、ゲームショップだよ』

『でかいですね』

『あぁ。中も凄いゲームの数あるぞ』

『そうなんですか』

そのゲームショップは、商店街を抜けた、目の前の5階建てのビルの中に入っていた。

『それじゃあ、中に入ろうか』

『はい』

ウィーンと、自動ドアを開けると、中には、2メートルを軽々超える、大きい棚が、陳列され、物凄い量のゲームが並んでいた。

『うわあ、本当に、凄い量ですね』

『そうだろ』

『はい』

『それじゃあ、なか見て回ろうか。じゃあ、探索し終わったら、ここに集合な』

『はい』

2人は、集合場所を、入口付近に決めて、別れて探索を始めた。

『うわぁ、本当に珍しいゲームがあるな。それに欲しいゲームも一杯ある。久しぶりに来たし、欲しいゲーム、一杯買っちゃうか』

叶斗は、欲しいソフトを、どんどん手に取り、カゴに入れて行った。そして、ホワイトクイーンは、

『うわぁ、本当に凄い。全部見るのに凄く時間が掛かりそうです。とりあえず、自分の興味のある、ボードゲーム系の物でも探しますか』

と、ブツブツと呟きながら、ホワイトクイーンは、ゆっくりと、歩いて、ボードゲーム系の物を、探していた。

『あ、店員さんがいた。ボードゲーム系の物がないか、聞いてみますか。店員さん』

『はい、何でしょう?』

『ボードゲーム系の物ってありますか?』

『ボードゲーム系のソフトであれば、取り扱っております。では、そこまでご案内します』

『はい。よろしくお願いします!』

そこまで案内して貰うと、そこには、沢山のボードゲームのソフトが置いてあった。

『こちらになります。ではごゆっくり』

ホワイトクイーンは、目を見開きながら、驚いた様子でソフトを眺めていた。

『凄いです。前住んでいた所には、こんなに揃っている所無かったのに』

と、言いながら、ずっと欲しかったけど売って無かったソフトを手に取り、他に欲しいソフトは無いか、探索してからレジまで向かった。すると、

『おう、ホワイトクイーン、お前ももう会計するのか?』

『はい。てか叶斗さん、すごい量持ってますね』

『あぁ』

次の方、どうぞ!

『はーい』

叶斗は、自分の番になったので、レジに向かい、会計を済ませた。

叶斗は、ソフトの合計金額、5万円を支払い、レジの横にはけた。

そしてホワイトクイーンも、会計を済ませ、そのお店を後にした。

『いやぁ、一杯買ったな。それじゃあ公園向かうか』

『はい』

そして2人は、そこの隣にある公園に向かった。そして、そのお店の、隣だったため、すぐに着いた。

その公園は、ビルに囲まれているため、ネットが張ってあり、そこまで広くは無は無かった。そして、バスケットゴールと、ボールは、端っこに置かれていた。

『よっしゃあ、バスケするぞ。久しぶりにやるから楽しみだぜ!』

『まずは、何からやるんですか?』

『そうだなぁ、まず、お前、バスケやった事ある?』

『いや、無いです』

『そして、それじゃあまず、シュート練習からやろうかな。まず、俺からやるから見ててね』

『はい』

と、叶斗は言って、端っこにあるボールを取ってきた。

そして叶斗は、2ポイント位置まで移動し、

『それじゃあ行くよ』

と言いながら、ボールを利き手に持ち替えてボールを構え、ジャンプシュートをした。

すると、パシュッと、シュートを決める事が出来た。

『どうだ』

『凄いですね』

『そうだろう。で、出来そうか?』

『分からないけどやって見ます』

『そうか。じゃあはい、ボール』

『ありがとうございます。それじゃあ』

と、ホワイトクイーンは、叶斗からボールを渡され、さっきの叶斗の様に構え、初めてにも関わらず、パシュッと容易くシュートを決めてしまった。

『…凄!俺なんて、初めてバスケやった時、ジャンプシュート、出来なかったのに。それを初で、1発で決めてしまうなんて。流石にまぐれだよな。』

と、叶斗は、びっくりし、ブツブツと独り言を喋っていた。そして叶斗は、

よし、それじゃあ、もう少しやらせて見よう。と考え、ホワイトクイーンの元に向かった。

『すげぇな、ホワイトクイーン!まさか1発で決めてしまうなんて』

『はい。ちょっと、感覚が掴めたような気がします』

『そうか。それじゃあ続けて何回か練習して見るか?』

『良いんですか?それじゃあやらせてもらいます。』

そして、叶斗はまた、さっきの通り、少し離れて練習の様子をみていた。

そして、6発位決めてから、叶斗に、ボールを渡した。

『叶斗さん、もうシュートは結構打ったし、次、打っていいですよ。』

と、言いボールを渡して来た。

『良いのか?』

『はい』

『それじゃあ行くよ』

と、言いながら、叶斗も何回か、シュートを決めた。

『それじゃあ、そろそろ飽きてきたし、どっか行くか?』

『はい』

『次どこ行く?てか今何時か確認しようか』

『はい』

『今の時刻は、4時か。じゃあそろそろ帰らない?』

『別に良いですよ』

『じゃあ帰ろうか』

家に帰る事になった。そして、道中

『そういえばさ、お前は何のゲームを買ったの?』

『私は、ボードゲームのソフトを買いました。叶斗さんは何を買ったんですか?』

『俺はなぁ、RPGゲームを大量に買ったよ』

『そうなんですね』

『あぁ』

道中、2人は、楽しそうに、今日買った物や、チェスの話をしながら帰った。

そして、家の前に着いくと、

『じゃあな、ホワイトクイーン』

『はい』

そして叶斗は、家の中に入った。

『ただいまお母さん』

『おかえり叶斗』

と、お母さんに、挨拶してから、2階に上がり、部屋で今日買ったゲームを、棚にしまった。

そして叶斗は、汗を大量にかいてしまったのでお風呂場に向かった。そして、風呂から上がると、2階に上がり、今日買ったゲームをプレイ始めた。




























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