第14話  妻の実家


優香の実家へは三重に通じる峠を

県境近くまで上がったところにある

夜は慣れていないと危険な道のり

そんな道を苛立った義兄が運転するクルマに

揺られながら圭介は不安に包まれていた


しばらくしてようやく優香の実家に着いた

圭介は停車したクルマから 重い顔をしながら

降りた


駐車場から家まで1分ほどかかる道のりを

義兄と一緒に歩きながら少しずつ覚悟を決めて行くのだった


玄関のベルを鳴らすと

お義母さんが出迎えた

優しい顔をしながら

奥の部屋へいく様に圭介に伝えた


静かに廊下を歩きながら部屋の前に立ち

圭介は「失礼します」と言って

障子を開けた

そこには厳しい顔をしたお義父さんと

優香のお義兄さんそして優香が座っていた


義兄と圭介はお義父さんに促されて

座布団の上に正座して座った


何時も優しかった義父の面影は無く

ただ厳しい顔をする別人が座っている様だった




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る