第7話 離婚話

圭介が1週間の夜勤が終わり

いよいよ昼勤務に戻る事になった


この夜勤で二人の距離は縮まり

昼勤は職場に来れば逢える状態

若い二人は誰にも止められないほどに

好きになり休憩に入ると一代は圭介の居る

所に向かった

二人の心は益々燃え上がっていった


周りに気付かれない様に工夫しながら

会社内での恋愛は続いた


しばらく経つと外でも逢うようになった

一代が働いている休日に二人は密会を重ねた

それでも圭介はナミとキスするだけで

肉体的な関係は持たなかった

圭介は一代を抱きしめているだけで

幸せを感じていたからだ


二人はいつの間にか将来を語り合う様になった

そして圭介は決心した

優香と別れて一代と一緒になろう!

若かった二人はこれから始まる

苦難に気付きもせず

幸せに酔いしれただ未来の二人を想像していた


そして遂に圭介は優香に別れを告げる日がやって来たのである


仕事を終え圭介が家に着いた

いつもの様に玄関に迎えに来ている

優香の横を素通りして部屋に入った

そして部屋に二人が座った

圭介は掛かっていたテレビを消した


そして圭介は優香にこう話を切り出した

「話がある!」

今まで溜まっていたうっぷんをブチまけた

部屋の掃除はしない

トイレや風呂はカビだらけ

シンクの上には腐ったリンゴ

そして嫌いになった最も決定的な原因

ブクブクと太った優香の身体

全てを話した

そして遂に圭介はその言葉を口にした


「俺と別れてほしい!」


突然の話に優香は動揺を隠せない

「どうして、急にそんな事を言い出すの?」

「なぜ?、嫌だ!、別れたくない!」

と話しながら涙を浮かべた

圭介は自分に好きな人がいる事を隠し

嫌いになった理由と諦めて欲しい事だけを

話し続けた

泣き崩れる優香を

圭介はひたすら待った

その日は解決せずに話は決着が付かず

互いに同じ布団で避けるように夜を明かした


それから何日かその話には触れず

二人は同じ家で暮らした

その時優香はまだよりを戻せると

思っていたのだ

圭介は自分が変われば

きっと前の様に戻ってくれる

そう信じていた


そして何日か経った日

ある出来事がきっかけに

思わぬ方向へと進むのである




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