第6話 ラベル


次の日に会社に行くと

一代が圭介の奥さんを観たという事を

みんなに話して

広まっていた

そして一代は圭介の妻の事を悪くいいふらした

「あの奥さんなら私の方がずっとマシ!」

その話を圭介は職場で働く

年配の女性から聞かされた


圭介の嫌な予感が的中した

自分の嫁が自分には不釣り合いな人だという事を

知られショックを受けた

圭介はその嫌な気持ちを

一代の責任にしそれ以来

その事で二人の間にミゾが入り

しばらく喋らない日が続いた。


この時すでに一代は圭介の事を想い

密かに恋をしていた

しかし圭介はそれを知るよしもなかった


そして何日か経過して

時が二人の気持ちを元の状態に戻した

圭介も一代の事を許して

お互いまた会話を交わす様になった

それから二人の気持ちには変化が起こり


それをキッカケに二人の気持ちが

特別なものへと変わっていったのである


健太は仕事上夜勤をこなさなければならなかった

夜勤になると一代と会話できないので

ラベルの裏に手紙を書いた

手紙には当時のなぞなぞや怖い話しなど

笑える様な事を書き込んだ

ラベルの表に好きだよ!と書いた

圭介が夜、夜勤に来ると

一代の作業机の隅には

私も好き!と書いたラベルが隠されていた

二人はラベルの裏に書かれた手紙で

いつしか文通が始まった

そして次第に互いを好きになり

恋が始まった

圭介は生まれて初めて心の中に

熱いものを感じ始めていた

これが恋であり、好きだという感情なんだと

自分の気持ちを自覚したのである




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