6 聖女さん達、怪しい屋敷
あの後リュウ君に乗れるような場所まで移動してから、その背に乗って目的地まで飛んで貰った。
前回と違って目的地の近くもそこまで危険じゃないだろうしね。流石にこの位は頼ることにした。
勿論何かあっても絶対に怪我一つさせないけど。
「まあ今回はサクっと終わると思うから。帰りもよろしくね」
私がそう言うとリュウ君は頷いてから、なんか目的地の別荘……そこそこ豪勢なお屋敷をじっと見つめている。
「ん? どうしたの?」
私がそう尋ねると、リュウ君がどこか怪訝そうに喉を鳴らす。
なんというか……私達をこの先に進ませたくなさそうだった。
心配してくれている。
「ん? どうしたアンナ」
「いや、リュウ君がなんか私達を向かわせるのが心配って感じみたくて」
「大丈夫ですよ。これCランクの依頼ですし、そもそも私達四人揃っていれば大体の事はなんとかなりますって」
「リュウ君は知らないと思うっすけど、この前もこの四人と……あともう一人凄い子と一緒に、滅茶苦茶強い相手倒したんすから」
「ま、そんな訳だから大丈夫」
私はリュウ君を撫でてから、軽くグーサインを向ける。
「行ってくるよ、リュウ君」
そう言って私達は踵を返して歩き出す。
……結局、私達が結構離れるまでリュウ君はずっとそこに居た。
いや、この辺りの魔物普通にそんなに強くないし、忘れ物とやらを取りに行くだけだから、全然危ない事無いでしょ。
……まあ自分なら大丈夫と思って前回結構痛い目を見てるから、過信するのは良くないんだけどさ。
ま、この四人なら大丈夫でしょ。
どんな奴でも掛かってこいやって感じで。
でもやっぱりリュウ君は本当に良くできた凄い子だからさ。
やっぱ私達には感じ取れない何かを感じ取っていたんじゃないかなって思う。
結論だけを言えば、私達はこの前とは全然違うベクトルでヤバい事に足を突っ込む事になったんだ。
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