第21話 ブラジャー2
修学旅行を何とか乗り切った私はその後、中学を卒業するまではブラジャーについては全く触れないようになっていた。
けれど高校になったらさすがに買わないと体育の時も困るし、子ども用のシミーズだってきつくなってきていた。
母はブラジャーも大人用のシミーズも買ってくれない。
お小遣いで買おうとも思ったが、一個を買うのに数か月分のお小遣いが飛ぶ。
(当時はしま〇らとか無かったので高いのが普通だった)
そこで私はターロ(母の内縁の夫・この時点で)を利用することにした。
この時点で、ターロはすでに一緒に住んでいた。
ターロにブラジャーをねだれば、母はターロに買わせるより自分で買ってくれるだろうと踏んだのだ。
乙女の恥じらいなんてありはしない。
それよりもブラジャーを手に入れる事に必死だった。
ターロが本当に直接買ってくれても良かったのだが、私の目的は母から買ってもらい、その後も継続的に古くなれば新しいのを買ってもらうという事だった。
なのでターロにねだるものの、母がいるところで母に聞こえるようにねだったのだ。
母はそれでも渋り、買おうとしたターロも止めた。
「子どもが何言ってんだ、色気づいて」
とまたえぐってきたが、それに負けるわけにはいかなかった。
男の人にブラジャーを平気でねだるような子どもには余計に必要無い。
とこの作戦を利用され、拒否する事を言われた。
だが素直に母に直接頼んだところで断わられるのは分かっていた。
だから苦肉の策としてこうしたんじゃないかと怒りも沸いてきた私は今までのブラが無い事での辛さを吐き出した。
中学の修学旅行でPTAのおばさんに叱られた事を話した。
校則違反なんだと強調した。
高校でもまた注意されたら困る。
母が買ってくれないから、ターロにねだった。
どうしてもダメ?ダメなら今度の誕生日プレゼントとして買ってくれない?
と一生懸命交渉した。
そしてそれでも簡単には母は買ってくれなかった。
私も今回は諦めるわけいかなくて半年ぐらいねだり続けた。
もう一回、ターロにねだるという事もした。
それでやっと高校二年の頃に買ってもらえたのだった。
もちろん付け方も使用の仕方も何も教えてくれなかったから、ただ付けていたという感じ。
なので夜寝る時に外す人がいるなんて事もおばさんになるまで知らなかったけどね。
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