金木犀の香り
カラスが鳴いている。
奴らに土日祝日はないのだろうか。飽きることもなく鳴き続けて疲れはしないだろうか。
年中変わらない私たちは変わりゆく季節の中を歩く。気づけばもう夏だ。
実家で食べるスイカの甘さと冷たさが私に季節の変わり目を告げる。
青春のような勢いの風が窓から吹き抜けた。
わきの下がじんわりと汗ばみ、扇風機がくるくると回る(一人になったら「あーっ」って言おう)。
去年と変わらない夏、去年と変わらない私。
そのうち去年と変わらない金木犀の香りが、風に乗って今年もまたやってくるだろう。
その時私は、去年と変わらずにまた君を思い出すのだろうか。
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