第8話 初めてのトリミング
斗真君が学校へ行くのを玄関先で見送った後、ねねちゃんと一緒に車に乗せられました。
『チョコちゃん、カットに行くからね。』
『わふっ』(犬なのにカット!?)
確かに、凄くモコモコで毛が生え変わる様子が無かったけど、カットが必要だったのね…
今回は、軽く抱かれていたので外が見えます。昔、通っていた犬鳴小学校でねねちゃんを降ろすと同時にケージに入れられました。そして、犬に成っていた場所に到着しました。懐かしい匂いがします。尻尾を振って、2匹のトイプードルがお出迎えです。
『チョコちゃん、良かったね。パパとママが出迎えてくれているよ。』
『バウバウ』(早く、娘を降ろせよ、ノロマ)
立ったをして、一匹が足の辺りにしがみついています。
『分かった、今、下ろすからね。』
ケージから下ろされると…
『久しぶりだな。我が娘よ。チョコって、名付けて貰ったんだな。』
『久しぶり、ブラウンの毛だから安直にチョコらしいわよ。』
『あら、あなた悪いことでもしてリリースされちゃったの?』
『いいえ、カットするってここに連れて来られたのよ。』
『そうか、主のカットは、気持ちいぞ。安心して身を委ねると良いなぁ、母ちゃん!』
『そうね。飼い主と上手くやれているようで何よりだわ。』
『ええ、上手くやれていると思うわ。あの時、一緒にいた他の子達は、居ないの?』
『皆、貰われてここを旅立ったわよ。』
お尻の匂いを嗅がれたり、体を擦り付けたり、なめ回して二匹は、歓迎してくれました。
少しすると、別の部屋に連れて行かれ、トリマーさんに銀色の台の上に置かれました。念入りにブラッシングされた後、耳栓をされてカットが始まりました。
『ウィーンガガガ』
『ガウガウ』(えーっ、バリカン何て使うの!?)
『ゴメン、ビックリしたね。すぐ終わるから大丈夫だよ。』
おやつをもらい、バリカン初体験です。
足の裏を刈られて、次に尻尾の辺り、顔周りとバリカンが入っていきます。一通り刈ると、ハサミでチョキチョキとされて完成です。その後、シャワー台に載せられて久しぶりのお風呂です。気持ちよくって、うとうとしています。シャンプーが終わると再び、台の上に乗せられてドライヤーで乾かしていきます。耳栓も外されて、耳掃除や爪切りもしてもらいました。
中々、今の自分がどんな姿が分からないまま自室まで戻って来ました。鏡で姿を見れる機会がなかったので、ウィンドウをいじっていると鏡機能が付いているのと、一週間以内に行った場所が半径内で赤く表示されている地図発見です。車で通ったことのある道沿いも赤く表示されています。緊急指令達成ボーナス、今までに行ったことがある場所や、途中立ち寄った小学校も建物、マッピングがされています。全て復活、後1週間!
鏡でカットされた姿を見てみると、熊みたいに成っています。テディベアカットをされたようです。愛莉は、犬の可愛さに自画自賛して悶えています。
まだ、行ったことがなかったボーリング場付近や色んな施設が入っている文化会館の施設付近に行ってみたが、困っている人は、残念ながら見当たらなかった。
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