他編 暗キ色ノ残リ香
17歳
生徒会役員の一人
役職は生徒経歴調査と個人情報管理員を兼任している
後輩である
大雑把な言い方をするが、報連相が出来たりしっかりしているため
生徒会役員の後輩たちからも尊敬されている。
17歳
元
妖刀を使用し、生徒へと無差別攻撃を仕掛け警察に逮捕された
その後、輸送中に行方不明となったらしいが…
役表
※ナレーションを3人目にするのも可です
その場合はナレーションのみの担当でお願いします
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血桜ハ還リ咲ク 零章
他編 暗キ色ノ残リ香
(俺には身寄りがなかった
物心ついた時から一人だった
どういうわけか変なところに引き取られて
何に使うかわからない事ばかり教わっている
望んでもないがその才能があったらしく
俺は他の奴らと違い優秀だった
だからこその疎外感
だからこそ全てのものに興味がなかった)
特別優秀な
施設内を自由に歩くことができる。
行先もなく歩いていると、施設の倉庫から音がしているの気がつく。
(そんな何でもない日の事だ
俺は
倉庫の中を窓を少し開けて見てみると
6人の男児で一人を囲んでいじめをしている様子が見えた。
(所詮弱いものは強いものに食われるだけ
雑魚同士の争いなど俺には何の関係もない
あいつを見捨てて俺はその場から立ち去ろうとしていた)
しかし――――中から叫び声が聞こえてきた。
「な、なんだ…!?」
中を急いでみると先ほどまで囲んでいた6人が血だらけになって倒れており
既にこと切れているようだった。
(突然のことだった
俺は何が起きたか瞬時に察した
いかにも軟弱そうなこいつがこの集団を殺したのだ)
驚いたようで尻餅をついているその顔を注視する。
ゆっくりとその顔を見ると名前を思い出した。
(その男はクラスでは落ちこぼれも落ちこぼれ
眼中にもなかった奴だったが、一体何が起きたというんだ?)
「君、大丈夫か?」
(
「君が助けてくれたの?」
手を血で染めながら
心の中で笑みを浮かべる。
(その時、俺は悟った
俺はこいつと生きるために生まれたんだ
世界が突然面白くなっていくようなそんな高揚感が俺を包んでいく)
「そうだよ」
照れた様子を見せつつも手を弱々しく握り返し、立ち上がった。
(こうして俺に初めての友達ができた
だが本当にそうだったのだろうか…
そう思い込んでいただけだったのかもしれない)
(それから俺たちは仲良くなり、行動を共にするようになった
だがそんな日々は続かず
その翌年には
ここではよくある事だ
使えない奴はお払い箱
ただそれだけの事だ
だが俺はそれを勿体なく感じていた
あいつの中のアレは今まで見た何よりも凄まじく、恐ろしく
何よりも惹かれていたのだ)
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それから時が過ぎ7年後
15歳になった2人は
「よぉ、久しぶりだな」
「お前……もしかして、
「おう、
「そりゃそうだろ
あれから結構経ったからな」
「そういや、もう7年も経ったんだな」
「あぁ、本当に久しぶりだ」
「ふっ、こんなところで会うとは縁って面白いよな」
「まったくだ」
二人はこうして再び行動するようになる。
戦闘演習施設を借り、互いに武器を使っての特訓を行っていた。
「おら!!」
「なにっ!?これなら、はぁっ!!」
「おっと!危ねぇ!」
「はあぁっ!!」
「っと!!?」
「…まじか、初めて三本取られたぜ」
「いやいや、本気でやってたらわからなかっただろ?」
「そんなことねぇって
俺は本気だったよ」
「でもお前との特訓のおかげで
半年前より確実に上達していってる…」
「俺から見てもすげぇ成長速度だぞ
もっと誇っていいんだぜ」
「いや、俺はもっと強くなりたい
なんだろうな…楽しいんだよ
強くなるって」
「そこは同意だな」
「もう一度いいか?
この調子のいい感覚を忘れたくない」
「おう、いいぞ
かかってこい」
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そうして訓練を重ねていくと2人の実力は上がっていった。
二年に上がって少し経つと2人は生徒会へと抜擢される事となる。
「まさか俺たちが生徒会に入ることになるなんてな」
「ふっ、そうか?
どう考えたって周りの奴らよりレベルが上がってきてた辺りから
可能性はあるかなって思ってたぞ」
「これも
「そうか?まぁ素直に受け取っておくよ」
「そういやさ
生徒の経歴の穴を再確認する仕事やってんだけど
こういうのって見ていいのか不安になるんだよな」
「仕事だから仕方ねぇだろ」
「さっき聞こうと思ってて後回しにしてたんだけど
お前の小学生より前って経歴不明になってるんだが
ここはなんて書いたらいいんだ?」
「あぁ……それか」
「ん?」
「そこ…不明のままにしてて貰えるか?
実は、色々と知られたくないことがあってな
大したことじゃないんだから隠すまでもないんだが…」
「あぁ…まぁわかった
誰にだって知られたくないこともあるだろう
このまま空欄にしておくよ」
「すまねぇな」
「正直、俺のところもよく覚えてないから
後で入った方の学校の名前にしておいたんだ」
「疑われると面倒だからさ
俺もそこにしておいてくれねぇか?」
「ん?…それは、やっていいものなのか?」
「すまん、忘れてくれ
面倒なこと頼んじまったな」
「……わかったよ、そうしておく」
「いつもすまねぇな
今度ジュースでも奢るよ」
「そんなに気にすんなよ
友達なんだし、助け合いは当然だろ」
「サンキューな」
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そして時が流れゆき
三年に上がった頃には
歴代最強と謳われるその戦闘センスや、全体的な成績も非常に高く
学園外にもその噂が広がる程まで有名になっていた。
「
優秀すぎると教えることもどんどん無くなっていく…
俺もこれだけ歴代最強だのってはやし立てられてる癖に
あと少ししたら
あいつはまだ二年になったばかりだってのにな…」
「そんなにすごいのか?
俺はあんまり一緒に仕事をすることもないからな
そういや最近訓練も一緒にやってるんだったな
戦闘の方はどうなんだ?」
「そっちも破格の強さだ
俺が完成させれなかった
もう模擬戦だって何本も取られるようになってきててな
今だからギリギリ勝ち超してはいるがすぐに超されちまうだろうな…
おかしいよ、あいつの成長速度は…」
「その割には意外と嬉しそうじゃねぇか」
「そうか…?そうかもしれないな
あいつがこれだけ成長してるのが嬉しくもある」
「弟子の成長を喜ぶなんて、お前も師匠らしくなっちまったな」
「生徒会長としてまだまだ負けるわけにはいかない
俺も何とかして強くならないと…」
「また俺も戦闘訓練手伝ってやるからよ、元気だせって」
「それはありがたいな
…というか、俺は本当は生徒会長はお前がなるべきだったんじゃないかって思うんだ
俺は所詮凡人だ
お前はそうじゃない
昔からお前は強かったじゃないか」
「…昔のこと覚えてるのか?」
「覚え…て……あれ?
なんで俺、昔なんて言ったんだ?」
「おいおい、しっかりしてくれよ
どっちにしろ今はお前が生徒会長だぜ
それにどうせ俺がやれって言われても断るよ
そんな面倒そうな仕事なんてやりたくねぇっての」
「その割にはかなり仕事手伝ってくれてるじゃないか
いつも助かってるよ」
「そりゃ当然だ、助け合いだろ?」
「本当にありがとうな
「急に恥ずかしい奴だな!
そんなガチの言い方すんじゃねぇよ」
「ははは、悪い
ふと思っただけだよ」
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それから数か月後、
容疑者である生徒が無差別に他生徒を殺傷し
犯人も逃亡し行方不明という大惨事に政府は怒り心頭で
事件が引き起こった際は
「
こっちでも調べられることは調べているがまだ何もかもわかってねぇ」
「くそっ!急に何が起こった…
…こんなことになるなんて想像がつくか!?
無理に決まってるだろ…!」
「その同好会の教室付近を映した監視カメラを調べてみていたんだが大した情報はない…
それに事件の発端であるその当人もどこかに居なくなっちまった…
事件をまとめるために人員を集めるついでに情報を得てみた方がいい」
「人員…?一体誰を入れるっていうんだ?」
「事件に巻き込まれた生徒の中で
そいつの名は……
俺はそいつを役員に推薦する」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そして再び時間が経ち
学園へと
その際の表情はとてもやつれており、普段と違う様子を見せた
帰還してすぐに事件の報告を一斉に聞く
そして2名の生徒からの情報提供を受け、
「…誰だ?どこにいる!?」
「どういうことだ!!俺の中から!出ていけ!
ぐわああああああっ!!!」
「………………は?
一体何が……?
な、なぜ!!?これは…
俺はどうしてこれを持っているんだ…!?
それに…俺はどうしてこんなところにいるんだ?」
「違う…まさか……
俺が……やった…のか?」
幼少期、いじめを受けていた彼は
しかしそう思っていた記憶に断片的な視界が入り込む。
それは一人称で映る光景であり、その視界が
そしてその腕はいじめをしていた集団を惨殺し始める。
「お…俺が!!!?オレがあの…あいつらを…!?
ち、ちがう…!!俺は
あいつが…俺を助けてくれたから……!!」
「うわあああああぁああああっつ!!」
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「
「こんな遅くにどうしたんんだ?
お前も疲れてるだろ?早く寝た方がいいんじゃ……」
「
「……大声出して急にどうしたんだよ?」
「俺って…昔さ……急におかしくなったことなかったか?」
「……どういう意味だよそれ」
「俺が俺じゃなくなったことがあったんじゃないのか?」
「そんなことな――――」
「
「!!?」
「頼む…本当のことを言ってくれ……
じゃないと俺は……もう何も信じれなくなる」
「……」
「やっぱり……そうだったんだな
お前は…俺の事を……助けてくれてなんかなかったんだろ?」
「……」
「あれ全部………オレがやってたんだろ?」
「…………そうだ」
「っつ!!!!
ふっ……ハハハハハッ
やっぱり…間違ってなかったんだな……
何度も…何度も……夢で見てたんだ
でも違うって……認めたくなくて…ずっと否定し続けてた
馬鹿じゃねぇか…俺……」
「……」
「なんで…教えてくれなかったんだよ……」
「お前の為だったんだよ」
「俺の為…?じゃあ何で言わなかったんだ!!
本当に友達なら…止めてくれよ!!」
「……そうだったな、悪かった」
「……ぐっ……くそ…
すまない、こんな時間に急に来て…じゃあな」
「お、おい!
……
そしてそれからまた時は経ち
現場に到着した
その後、
「なにやってんだ…あいつはよ
ほんとに馬鹿野郎だ」
その中身は身体に有害な液体を薄めたものが入っており
彼はそれを使用して
「結果はどうあれ作戦は成功か
とはいえ、まさかこんなに早く負けちまうなんてな
警察に移送されている最中の
腕には厳重につけられた手錠をされ、数人の見張りもあり移送されている。
移送中、車外から不自然な音が聞こえてきた。
「………なんだ、何の音だ?」
突然車が勢いよく横転し、その中から
「ぐっ!!?急に何が起きた…!?どうなって……」
そこには
黒いローブを身に纏い、数人の同じ格好をした人物と共に
「助けに来たぞ」
「お前…どうして!?」
「もうお前は光の元で生きれない
だが居場所がないわけじゃない
俺と一緒に来い
お前はこっちで生きるべきだ」
「こいつらは……
どうしてこいつらとお前がテロリストなんかと一緒にいるんだ…!?」
「そうか、お前は何も知らなかったんだったな
俺とお前が育ったあの施設はただの養護施設じゃない
テロリストを養成し、優秀なものを販売する施設だったんだ
そう、俺はあの後
「なんだ…と…?」
「お前は施設から出されるときに記憶を抹消されてるから覚えてないんだろうな
お前の本来の人格と共に封印したはずだったんだが
妖刀の影響で出てきちまったみたいだな」
「あれは…もう一人の俺?
それじゃ…俺は妖刀に操られたわけじゃなかったのか…」
「妖刀は人を操るわけじゃない
本来の自分を呼び起こすものなんだ
あれは本来のお前だったんだよ
俺が好きになったお前そのものだ」
「俺…そのもの…」
「さぁ一緒に行こう
お前を一人になんてしねぇよ
お前を傷つけてきた全てに復讐をしてやろうぜ」
その薬液を受けて、過去の記憶が鮮明に思い浮かんできた。
自分の気に入らないものを潰し
人が痛めつけられるその様子を楽しむ
本来の彼、残虐性に満ちた
「ハハッハハハハッツ!!!
オレが遂に必要になったってわけ…か?
いいぜ!力を貸してやるよ!」
「それでこそ
ようこそ
ふっ!ははははは!!!
ほんと面白くなってきたなぁ!!」
狂気に満ちた笑みを浮かべながら
「オレは…最強になってやるよ!
俺が気に食わない奴ら…それら総てを叩き潰してやる!!」
M→
こうして俺の瞳は暗く染まっていった。
秘めれれた悪意は彼を闇に落としていく。
それは暗き色の残り香が冷たく包み込むように絶望と悪意を
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利用規約
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・アドリブ演技に関して
この台本はアドリブを入れる事を前提として書いています
なので演者様方の判断で挟んで頂いて構いません
是非素晴らしい演技にアクセントをつけてください
しかし作風に合わないものはご遠慮ください
・性別変更や比率に関して
作者はあまり好ましくは思っていませんがある程度ならば可とします
そのある程度の境界線は他の演者様たちとの話し合いに委ねます
・特殊なものについて
台本を演じる際に読み込まないで演じる行為や
言語を変える、明らかに台本無視と取れる
特殊な行為をするものは認めていません
流石に読み込んで普通に演技してください
多分そうじゃないとこの台本は演じれないです
二次創作等、商権利用問題のある場合、質問や不明点ございましたら
作者のTwitter
https://twitter.com/kaguratizakura
のDMにてご連絡ください
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