集編 桜ガ枯レ落ツ迄
16歳
学園ではひっそりと人気な女子生徒
新しく生徒会に入った
16歳
白髪、黄色の目をしている美少年の男子生徒
過去に何かがあったらしいが詳細は誰にも明かさない
※白いコートを着た男兼任
16歳
生徒会に属する男子生徒、その実力は生徒会内でも頭一つ飛び抜けている
※
17歳
現在の生徒会長。会長として歴代と比べかなりの切れ者である。
※黒いローブを着た男兼任
※書記兼任
15歳
白髪、黄色の目をしている美少年の男の子
若くして
おどおどしているがかなりの実力者
※監査兼任
Nは→後のキャラ演者が読む
※設定一覧
同好会と称した罠を貼り、生徒を惨殺した男子生徒。
~っすといった特徴的な語尾の男子生徒
自由気ままな女子生徒
不自然な敬語を使う男子生徒
学園内の勢力図を熟知している
不思議な雰囲気を醸し出す少女
役表
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血桜ハ還リ咲ク 零章
「桜ガ枯レ落ツ迄」
N→
桜が散る前の鮮やかな日々
今は透き通り消えていったあの頃の情景
まだ笑顔が溢れていた・・・・・幸せなひと時
幸福な思い出は既に過ぎ去り
狼煙を上げた景色は絶望の色に染まっていた。
「ここは・・・・?」
N→
目を覚ました
寝ぼけながら隣を見るとそこには共に戦う相棒の姿があった。
「
「ごめん。寝てた」
「昨日夜更かしでもしたの?」
「ううん。21時に寝たよ」
「ちゃんと寝てて眠いの?
大事な任務なんだからしっかりしてよね」
「うん。この後の任務ってなんなの?」
「これから向かう先に
だから私達で倒しに行くのよ
結構強いみたいで私達は時間稼ぎをしつつ
支援を待つことになるわ
危ない敵だから気を付けてね」
「うん、わかった。気を付けるよ」
「いい子ね。あと少しで着くからもうちょっと寝てなさい」
N→
「ねぇ
N→
目を閉じる直前、
「あぁ…これ?これはお守りよ」
「お守り?」
「そう。前に学校に通ってた時にある人に渡しそびれちゃったものなの
もう一度会う宛もないのにずっと持ってるんだ」
「そうなんだ‥‥学校……
どんな所だったの?」
「どんな所だった…かぁ
そうねぇ、何から話せばいいのかな」
「聞いてみたい」
「そう?じゃあゆっくり話していくわね」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
N→
桜が散る前の鮮やかな日々
今は透き通り消えていったあの頃の情景
まだ笑顔が溢れていた頃の‥‥幸せなひと時
窓から漏れ出す風は心地よく
空を眺める少女の髪を優しく揺らす
人類の害敵、
その中の三大有名校である
あの頃の彼女はいたって普通の生徒で平凡な生活を送っていた。
しかし、とある少年との出会いをきっかけに思いがけない方向へと運命は進んでいく。
彼女はいつも授業を終えて、放課後になると
小さな教室へと向かい、集まった仲間たちと一緒にお茶をしながら談笑をする日々を過ごしていた。
そんな日々の中、
資料室には既に先客がおり、少年はチラリと
その少年の容姿を見て
「かわいい…」
「なに?」
「え!?…なんでもない!ごめんね?とっさに口からでちゃって…!」
「…まぁなんでもいいよ」
N→
「ねぇ名前なんて言うの?学年は?」
「…
N→
まさか目の前の美少年と同い年だとは思わなかったのである。
「え?同学年!?クラスが違うからわからなかった」
「そっか…それで?」
「えっと~?呼び方は
「…名字呼びは嫌いだ。
「そう?あのさ、
「興味ない」
「そ、そう?
あのね、私が入っている同好会があるんだけど
人が少なくてさ?
「なんで俺が?」
「え~?顔が可愛いから?」
「理解に苦しむ」
「そうかな?結構、賛同してくれる人は多いと思うけど?
じゃあ早速、明日の昼休み。C棟の4階に空き教室が何個かあるんだけど
その扉に同好会の看板がある教室にいつも集まってるんだ。
良かったら来てくれないかな?」
「もう行くつもりで話を進めるな
俺が行く必要性を感じないしな」
「そんなこと言わないでよ~
「なんで俺が行く義理があるんだ
てかそもそも俺はお前の名前も知らないんだぞ」
「そういえば名乗ってなかったね!
私は
「なんで俺がお前を呼ぶ必要があるんだ」
「むー…つれないな〜!
あっ、そろそろ戻らないとだ!
N→
取り残された
「…まったく、台風みたいなやつだな
でも、なんか嫌悪感はないな
温かさまで感じるような
なんだあいつ……
N→
こうして新たに
ほかのメンバーもすぐに溶け込んで行った。
同好会が主体で行う生徒同士の交流企画に向け、一同は作業を進めていく。
そして企画前日の放課後、同好会での作業を終え、
「
後は俺だけで十分終わるし、明日に備えてゆっくり休め」
「先輩は進路とか大丈夫なのか?もう三年だろ?
ほとんどは動いているみたいだが」
「あぁ…俺は大丈夫だ。
特にどこに入りたいってのもないし、まだ学園でやる事もあるしな
それに…どうせ俺なんて使い物にはならねぇよ」
「…野暮な事を聞いたか?」
「お前だってそろそろ考えておけよ
気がついたらすぐにその時期が迫ってくるからな?」
「あぁ…わかった。そうするよ」
N→
足音が聞こえなくなった瞬間、
「ククク…ハハハハハ!!お前らに来年なんて…未来なんて来ねぇよ
馬鹿どもが…!
俺はもうすでに準備万端だってぇの!!
ハハハハ!!!」
N→
花見当日、校外にある大きな公園に生徒が集まり花見企画が始まった。
橋の上に二人が並ぶ。
しかし、その時‥‥
「様子が変だ…誰もこっちに来る気配がない」
「どうしたの
「嫌な予感がする…声の数が少なくなってる」
N→
途中見失ってしまい、
その途中、付近の木々に赤い血が付着しているのに
「え、これは…血!?なんで…!!!」
「
N→
酷く焦った様子で息を切らしながら
「これって…!!何が起きてるの!?
他のみんなはどこなの!?」
「わからない!あの後ゲームを始めるために開始の合図を出したんだ
少ししたら先行したグループの方から悲鳴が聞こえてきた…
何かあったのかと思って見に来てみたら誰もいないんだ
それで辺りを探していたら、この血の痕跡を見つけたんだ
そうだ!それより
何が起きているかわからない!もしかしたら何者かに襲われたのかもしれない…
最悪な場合、相手が人間とは限らない」
N→
左手に鞘を右手を束に添え銀色の刀身をしならせるように抜刀し、構えた。
「くそ…何が起きてるんだ!」
「待って!あそこにいるの
N→
視界の端に鮮血が飛び散るのが映った。
「うっ…!!!なんで!!?」
N→
「があっ!!!」
N→
強烈な一撃を受けて
その衝撃で自らの刀を吹き飛ばしてしまい、口から血を吐き出すとキッと
「どうして!?なんで…
「さぁーてと…馬鹿を罠に嵌めることにも成功したわけだな
何故俺がお前らを殺そうとしてるか教えてやろう
俺の持つこの刀の名は
この刀は人の命と絶望を食らい、その持ち主が本来持ちえぬ力を与える
全部前から仕組んでいたんだ
その為にお前らを学園から離れさせ、殺す機会を作った
我ながら完璧な作戦だったよ
さ〜て、じゃあそろそろお前らを殺すとするかな」
N→
横から槍を持った
その攻撃を刀で軽く往なしながら
「お前じゃ俺には勝てないんだよ!」
N→
地面に倒れ伏した
「
N→
その斬撃を
そして同時に
二人の身体は徐々に色を失っていき、灰のようになり風に飛ばされ崩れていった。
「最低…!人間じゃない!!悪魔!!
お前なんて地獄に落ちればいい!!!」
「地獄に…ね~?
いつかそこに行くことになるんだろうが
残念だったな。まだ行く気はない
お前には俺を断罪する権利はねぇんだよ
裁く権利があるのはいつだって強い者だ
ここで死ぬのは俺じゃなくお前だ!
クックック…ハハハハハ!!」
N→
しかしその瞬間、
「強者にはそんな権利があるのか
つまり貴様を断罪する権利は俺が持っているということになるな
ならば言葉通り貴様の生死は俺が決めよう」
N→
「てめぇ…!!どこに潜んでやがった!」
「その刀の力が不確定だったからな
様子をうかがっていた」
「くそいてええ…ぶっ殺してやる!!」
N→
対して
「死ねえええ!!!」
「………
『
N→
それは斬撃が生み出した衝撃波であった。
その一撃をまともに受けた
両手で握っていた
目を大きく見開き、口と腕の切断面から思いきり血を噴き出しながら
地に伏した
立ち上がろうとするも脚に力が入らず
上体を起こすだけで精一杯の様子であった。
そして斬られた事に時間差で気づいたのかワナワナと
「え…………はぁ?何が起きた!?」
「……お前への断罪は、俺が執行しよう。」
「待て…待ってくれ!!たすけ…たすけてくれ!!!」
「……お前は幾度その言葉を聞き捨てた」
N→
「それ決めるのは俺だ。お前は甘んじて運命を受け入れろ
地獄行き…だ」
N→
「あ…あっ‥‥ぁ‥ぁああぁぁああぁあぁああぁ!!!」
N→
「…絶望したか?自分が餌になった気分はどうだ?
何が楽しかったんだ?少なくとも俺は酷い気分だ」
N→
「立てるか?」
「
先に向かった貴方の方が到着は早かったはず!
どうして見てたの…!?」
「………あの刀の詳細が不明瞭すぎた。
不意を突いた一撃の際、奴の反撃で返された時も先に刀の力を見ていて警戒していたからその後の追撃を受けなかった。
もし無知であったのならそのまま、まともに受けて斬られていたのは俺だった」
「…あの刀を知ってたの?」
「…あぁ。最初から俺の目的はこの
そのために
全ては俺の為、自分勝手な目的だ」
N→
その瞳は暗く、深く、そして寂しげであった。
その後、何者かが学園に送った知らせを受け、生徒会の面々が到着した。
今回の事件は生徒会が処理することとなり、結果、同好会は解散。
「
あの悲しい目、まるで泣いているのを隠しているみたいだった
でも、私は
私はどうすればいいの」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「みんな殺されちゃったの…?」
「そうなの…私にはどうにもできなかった
あの場に居たのに、足が動かなかった…
信じたくなかったのかもしれないわね
私は見てることしかできなかった……」
「で、でも…仕方ない‥‥んじゃないかな」
「ううん‥‥私はあの時彼を責めたけど
でも…見殺しにしたのは私自身
彼を責める権利なんて…なかったのに」
「
N→
「ごめんね?
心配しないで?もう…目を背けないって決めたの
だから大丈夫よ」
「う、うん…ならよかった」
「それじゃあまた話を続けるわね?」
「うん」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
N→
桜が散る前の鮮やかな日々
今は透き通り消えていったあの頃の情景
まだ笑顔が溢れていた・・・・・幸せなひと時
悲劇の記憶が頭に残ったまま
地を見下ろす少女の目は決意に染まる。
あの惨劇から1週間後、現在は空き部屋となった元同好会の教室に
部屋の中には仲間の名残はなく、今は机と椅子だけが残されたまま放置されていた。
「どうしてみんなが犠牲にならなきゃいけなかったのか……知りたい
あの刀、
あれを
なんであの刀を探していたの…?」
N→
顔を手で叩き再び目を開く。
「こんなところで立ち止まっていられない
皆の犠牲を
N→
次にここに戻る時は
そう決意を胸にしまい、歩みを進めた。
その頃、生徒会室へ入った
ほとんどの生徒会員はそのまま室内から立ち去っていった。
室内中央にある会議席に
重々しい空気が流れた後、会議が始まる。
「先日起きた事件…
残酷で悲しい事件の真相について
生徒会副会長代理を筆頭に監査を動員して調査させているが…
俺は帰ったばかりで話を正しく掴めているか確認を取りたい
「前に話した通りです
学園内では生徒会の監視があるため、長い年月をかけ綿密に練られた悪質な事件です」
「今回の件、全ては私の不徳の致すところが招いた事です
会長がご不在の間、この企画を承認したのは紛れもなく私です。
学園や生徒会の、そして会長自身の顔に泥を塗ってしまいました
如何なる罰則でも受ける所存です」
「とても巧妙かつ完璧な作戦だ。
もしも俺がお前の立場であっても気づくことはできなかっただろう
どんな言葉で取り繕ったとしても
生徒会が一枚出し抜かれ、今回の一件をみすみす見逃してしまった。
その事実は変わらない
その責任を問うのなら、それは全て生徒会を代表する俺が招いた失態だ
こちらこそ謝らねばならない」
N→
「会長!頭を上げてください!
私の失態である事もまた事実
罰を受けなければ私の犯した過ちへの示しが付きません
今回の事件はとても謝罪の言葉で収まるものではありません」
「だが何をしようと変わらない事実だ
今回の件はあいつを学園に入れた上層組織にも問題がある
この失態は反省し、二度と凄惨な事件を起こさないよう尽力すればいい
だが死体を処理した奴が他にいる…
あの一件は非常に残酷な事件だ
血痕は見つかったが肝心の生徒の遺体が一人も見つからない
そして
奴を見つけない限り、この事件は解決とは言えない」
「わかりました。私達でも情報を洗います」
「頼んだぞ…
N→
その頃、
それから少しして
「ここが生徒会棟…初めてくるけど
確かに緊張するわね……」
N→
「これじゃあ…話もできなさそう
どうしたらいいのかな…生徒会の人と会う機会なんてあんまりないから…」
N→
扉の前でウロウロとしていると、そこに一人の男子生徒が歩いてくる。
「生徒会棟に何か用か?」
N→
その生徒は第三学年
現生徒会長本人であった。
「せ、生徒会長!!?」
「何か要件があるなら聞いておこうか?」
「あ、あの!!この前の事件…について
話したいことがあるんです」
N→
「君があの事件の生き残りの
わかった、着いてこい」
N→
生徒会室の中には全員が円状に座れるように机が配置されており、そこからいくつか扉のない部屋に繋がっており、そこには机と椅子、棚等が置いてあった。
その最奥に唯一扉のある部屋の前に二人は立つ。
扉にはドアノブが付いておらず、本来ドアノブがある部分に黒い電子プレートがついていた。
「ここが俺の部屋だ
生徒会以外の生徒を入れたのはお前らが初めてだ」
「さてと…一体どんな話があってきたのか聞かせてもらおうか」
N→
生徒会長の貫禄を前に委縮してしまい、
「あの事件…について
実は真実ではない事が多いんです…隠している事があって‥‥」
「続けてくれ」
「今回の事件の首謀者
その刀は殺した人をまるで飲み込むように消してしまうんです…
その後、私に刃を向けた…
助けに来た
その刀はまだ
信じてもらえないと思いますが…全て事実です」
「信じるよ
というより今の話で合点がいった部分もある
今回の件には不可解な事が多い
犠牲者と首謀者が消失した事件
生徒会が到着するまでの時間に両者が発見できなかったのは
まるで本当にそこから消えたとしか思えない
ただ虚偽の情報を告げたのは何故なんだ?」
「信じてもらえないかと思いました」
「そうか…生徒会がそんなに信じられなかったのか」
「すみません‥‥でも
何か心当たりはありませんか?」
N→
そこで
「今から見せるものについては他言無用で頼む」
N→
二人が覗き込むように手元を見ると
そこには隠すように黒い電子パネルが設置されてあった。
その中から横長のアタッシュケースを取り出す。
ケースの開口部には扉のものに似た黒い電子パネルが付いており
するとアタッシュケースが自動で開いていく。
その中には一つの刀が入っていた。
「刀…!?これって!!
「この刀は代々この学園の生徒会長が所持を許される
人智を超えた力を持つこの刀は才能を有する者に更なる力を与える
もしも刀に見合わぬ力の者がこの刀に触れるとそいつはまるで鏡が砕ける様に消滅する
生徒会長は学園の長として例外なく実力ある者が選ばれる
故にこの刀は所持出来る事が多い
だが
普通に戦ったのならば勝ち目はない
この刀を使えば…あるいは勝てるだろう
だがこの刀は緊急時以外は使わないようにしているんだ
先ほども言ったが触れただけで人を消しかねない刀だ
恐ろしくもなる」
「
才能のない人間に力を与える…
人が絶望したときに殺すと力を増す
そんな事を言っていました
でも
「生徒会としてもあんな惨劇が再び起こるような事は防がねばならない
機会があれば本人に直接聞いてみるしかないだろう
今はそれしかできる事はない」
「で、でも…!
「それは俺に任せておけ
俺の質問ならば少なからず耳を傾けるだろう」
「わかりました‥‥それではこの辺で失礼します」
「…
何が狙いなんだ?」
N→
数分後。
「会長。もうお休みになっては?
一日中休まず実務をこなされています
休息を取ろうとも誰も文句は言わないでしょう
今回の事件を気に病んでいるのはわかりますが、会長が倒れては元も子もありません」
「すまないな」
「今回の一件は私の監督不行き届きが招いた結果です
会長には何の非もありません」
「お前に非を作ったのは間違いなく俺だ……
いずれお前は生徒会長を継ぐ人材だ
そんなお前の顔に泥を塗ってしまった
そんなお前に失態を犯させた事は一生悔いが残るだろう
すまない…」
「いえ、お気になさらず
私如きの顔、立てるまでもありません
それでは今日のところは私も失礼します
会長も無理をなさらぬようお休みください」
N→
今日の仕事が終わっているだけではなく、会長がこの後、本来やるべき仕事を全て代わりに終えていたのだ。
「ふっ…流石だな
本当にあいつは凄い奴だ
俺のような無能とは違う
まさしく学園を背負って立つ天才だ…
戦闘に置いても奢る事なく、鍛錬を極めている
…ハハッ。勝てないな
生徒会として…人として…
あいつが導く学園を早く見てみたい」
N→
倒れそうになるも咄嗟に机に手をかけ、倒れるのを阻止する。
「っ!!?…頭が痛い
…疲れているみたいだな
今日は休もう……」
N→
再び立ち上がり足を踏み出そうとした瞬間、彼の頭の中から声が響いてきた。
(エモノ…マサカ‥‥‥‥こんなに…近クニ
…オレに任セロ)
「…誰だ?どこにいる!?」
(オレハ…お前ダ)
「どういうことだ!!俺の中から!出ていけ!
ぐわああああああっ!!!」
N→
その頃、生徒会棟付近では
そこに後ろからこちらに向かって歩いてくる足音が聞こえた。
「……会長?」
N→
暗闇から
「会長!大丈夫ですか?」
「……大丈夫だ
っ…少し頭痛がする…だけだ
それよりお前はまだ帰っていなかったのか?」
「戸締りの確認をしていました
他の生徒会役員が閉めていたのでしょう
問題はありませんでした」
「そうか…なら良かった
すまないが
この後寮まで着いてきてくれ……
俺が大丈夫か監視しておいてくれ」
「勿論、着いていきます
どうぞ、肩をお貸ししましょう」
N→
「
黙って歩くのも暇だろ?」
「お気になさらず」
「いや、その方が気が紛れる」
「ご無理をなさらぬようお願いしますね」
「俺の仕事……代わりにやってくれたんだな…いつも悪いな
学園にいる時は俺がやらないといけないのに」
「不在時にやっているのと変わりません
他の仕事に差支えも無いので問題ないかと」
「…………
「はい」
「お前は間違いなく学園を…いや
世界を導く人間だ
お前はいずれ
俺はそう確信している…
この長い人類絶滅の危機を……闇を払う英雄となる…………
そう、確信があるんだ」
「会長は買い被りすぎです
私はそんな大層な人間ではありません」
「俺はお前を信じている……
そんなお前に頼みたいことがある
この刀……
N→
「持ち歩いていたのですか?」
「お前も知っているだろ
この刀は人が持つにはあまりにも強大な力がある
弱い者にはこの刀を扱えない…
故に強い者が所持する事になる……
しかし、俺にはこれを持つ精神を持ち合わせていない
怖いんだ……この力を持つ事が
これから何が起きるかわからない…
二つの妖刀
それを狙う者…
それを守る者…
今両者は対立している……
決着が着く時…世界が動く
俺には責任が重すぎる……
俺というちっぽけな器に収まるほどのものじゃない…
お前ならば力に溺れることはないだろう
この刀はお前の強力な武器となる
世界を正しい方向へと導くことが出来る…
無理を承知で聞く…頼めないか…?」
N→
「この刀は生徒会長以外の所持は禁止されています。
規則を破る訳には行きません」
「ならば…
お前が今から生徒会長になってくれないか?」
「それもお断りします
会長選挙は年に一度
年度内に緊急で変わる時は会長が退任、死亡等の場合のみ
不在時期から二ヶ月後に緊急生徒会長選挙が開始され
そこで決める。そう校則で定められております」
「だが…俺はこの刀にいつ操られるかわからない。正直、自信が無い…不安だ」
「会長!」
N→
俯く
「会長ならば大丈夫です
貴方が私を世界を導く人間というならば
それを育てたのは紛うことなき会長ご自身です。
しかし、もし会長が校則や人道に背く行為をしているのならば私が会長を斬ります」
「励ましているんだか脅しているんだか…
ハハ……
少し安心したよ
ありがとな」
「会長。着きましたよ」
N→
その頃、
「
生徒会長を狙うならどのタイミング…?
会長が一人になる時……生徒会室の中で?」
「生徒会室にはもう入れる機会はない…
どうすれば……」
「生徒会に入れれば……まだチャンスはある」
N→
そして二週間後
生徒会書記と監査が
選手の控え室にて模擬戦用の刀を手に取った
選手が入場し、書記と監査を同時に相手することとなった。
書記 (
「二人同時に戦うと申されていたので
監査と私がお相手させていただきます」
監査 (
「本当に大丈夫なんでしょうね?
簡単に負けられたらまるで生徒会役員のいじめに捉われかねないから辞めて欲しいんだけど」
「いえ、このままでお願いします」
N→
戦闘開始のゴングが鳴り響いた。
書記は片手用持ちのハンマー、監査は片手剣を手に
『
N→
その瞬間、目にもとまらぬ速さの居合斬りが二人の武器を弾き飛ばした。
時間差で気がついた書記と監査は驚愕の表情を浮かべ、ただ
「これは‥‥これほどとはな」
「この実力です…
特例の人員補充に一切の異論はありません」
「そういうことだ。
お前を生徒会役員に任命する
これから与えられる勤めを全霊を以て果たせ 」
「はい」
N→
瞳に映るもの、それはまるで覚悟を表した鏡のようであった。
「
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「そうして生徒会に私は入ったの
あの時は少しでも強くなりたいって思ってたんだけど
不思議と力が沸いてきたの
そしたら急に力を使えるようになってた」
「それで‥‥?何かわかったの?」
「いいえ、生徒会には入ったんだけど
すぐに彼が近づいてこなくて
まだ何も掴めてなかったのは変わりなかったの
それから少ししてまた‥‥状況が動きだしたの」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
N→
桜が散る前の鮮やかな日々
今は透き通り消えていったあの頃の情景
まだ笑顔が溢れていた・・・・・幸せなひと時
決意を胸に抱いたまま
伸ばした手は空を切り少女の瞳が暗く
あれから二週間後、生徒会室にて
新しく生徒会に入った
「お手伝い頂きありがとうございます
他の役員でこういった作業をやれる者が少なく
会長のご不在時は私がやるしかないので
一人増えただけでも効率よく終わらせられます」
「そうは言ってもまだ
ゆっくりでしか出来なくてごめんなさいね」
「何を謝っているのですか?
とても助かっていますと言ったでしょう?
監査は戦闘の実力だけを見て貴女を推薦したのでしょうが
こういった事務作業までこなしてしまうとは思っていませんでした。
今の生徒会においてはとても貴重な人材です」
「そう…。生徒会も案外大変なのね
そういえば会長はいつ学園に戻るの?」
「今回の招集は定期会議ですので三日ほどで戻るかと思います」
「そう……ねぇ
「そのようですね
彼は会長が
今も監査として学園を巡回しているわけですが
彼が進んで外仕事を受けたのは
未だに所有者を特定できていないからではないでしょうか?」
「…そうなのかな
「………
少し休憩しましょう
と言っても、お願いしたい事がありまして
宜しければ着いてきて貰えませんか?」
「え…どうしたの?」
N→
そう尋ねるが
生徒会の主催する演習でのみ使われる戦闘ホールへと向かっていた。
「
突然ですが一度私とお手合わせ願えませんか?」
「え!?急になんで戦う事に…?」
「新しく生徒会に入った貴女の強さを見てみたいだけです
他意はありません」
N→
お互いに得意とする武器を手に持った。
中は円形の更地が広がっており
その周りを取り囲むように観客席のある、コロシアムのような造りであった。
「ルールは五本勝負にしましょう
先に三本取った方の勝利とします
遠慮せずに来てください」
N→
しなやかに太刀を振るい、鋭い一撃を
「な、早いっ!?」
N→
「…一本先取ですね」
「
強すぎる…もしかして
「まだまだ本気は出していません
それに
次は真剣に来てください」
N→
(リーチが長い代わりに大振りになりがちな太刀を
まるで短刀のようにしなやかに…
それでいて大剣で
「行きます」
N→
しかし圧倒的な力で身体ごと押し返れてしまい。吹き飛ばされてしまった。
「…くっ!!なんて速度と威力なの!!?」
N→
顔の横に寸止めの状態で太刀が留まっていた。
「いつの間に…?」
「貴女が着地をした瞬間には既に斬れる状態でした
これで二本目です」
N→
再びゆっくりと
「ねぇ…
…もうわかるでしょ?何のために戦うの?」
「貴女は
その過程で恐らく彼と戦うことになるでしょう
結果、勝利を収めたとしてその後どうするのですか?
その先を考えていますか?
止めた後、彼にはどのような処置をするのでしょうか?
貴女の中にあるその迷い
それがある限りは、
彼は強いです。生徒会に
我々を敵にしてでも勝つという覚悟すら感じるほどの威圧を持つ
対して覚悟ができていない貴女では彼を止めることは愚か
何も目的を果たせないまま無駄足を踏むだけですよ
今一度考えてみてください」
N→
「はぁぁぁぁっ!!!」
「これは、先ほどよりも早く鋭い…」
N→
次第に焦りの表情を浮かべていった。
「急速な成長‥‥ではないですね
これは潜在的なものでしょうか?
それとも…?」
N→
すると、ヒヤリと冷気が漂うような強烈な殺意が
「それが…貴女の技ですか」
N→
「失礼のないよう全霊を以て挑ませていただきます」
『
『
『
『
N→
両者が同時に斬りかかる。
それは音速に届くかの如き速度で
その攻撃は
その三連撃を受けた
そこに
その横に薙いだ一閃が
「早い………ですが、私の勝ちです」
N→
突如、
「うぅ…………えっと、あれ?どうなったの?」
「貴方の三つの技、それと私の
みねうちでしたが、衝撃で意識を失ってしまったのでしょう」
「そう、負けちゃったのね」
「かなり洗練され、完成された型ですね
その刀術、どこで習得したのですか?」
「…覚えてないの
他界した父が使っていた技なんだけど
正式な型の名前は全くわからないし
他の習得者も見た事がない
何より教わった事なんてないはず…」
「謎が深まりますね
では話を変えましょうか
しかしすぐに会長が所有者であることに気づくでしょう。
となれば次に会長が戻る時を狙うと予想します
私達にできる事は彼か会長を監視するくらいでしょうか」
「そうよね…そうしてみるしかないわね」
N→
三日後、
生徒会室内で役員一同の集会の後
そこで
(気づいているのか…?だが何故背を向ける…?)
「
前の事件について、何か隠している事があるんだろ?
詳しく話してくれないか?」
「会長に話した内容が全て真実でーーー」
「俺に嘘をつくのは良い判断だとは思えないぞ
この学園で一番の権力者を前に、虚偽の話をする事は処罰対象となる
わかっているな?」
「………貴方が
「月ノ
生徒会長となる者は
その者は初代会長から代々受け継がれるアタッシュケース内に
これがそのアタッシュケースだ」
N→
「この端末はその初代会長の持っていた端末だ
これが無ければこのアタッシュケースは開かない
強い力で無理やり空けようとすればケース内の爆弾が起動する仕組みになっている。その威力はこの学園が吹き飛ぶほどのものだ」
N→
アタッシュケースを地に落とすと刀を空に
表情は伺えないが、
「お前の持つ刀‥‥それも見せてくれよ?
オレの刀とどちらが強いか…比べ合いをしないか?」
「お前…誰だ?
「おやおや?察しがいいね?
オレは
前にお前と戦ったときはオレの意識はまだ虚ろだったが
今ではこんなにはっきりしている…オレは存在している」
「お前も俺を待ってたみたいだな」
「待ってたぜ…その
恋焦がれたような気分だった…な?」
「ちょうどよかった
俺もお前の刀が欲しかった」
N→
対して
中には
その柄に手を添え、抜刀した。
「この刀……あいつの後に使うのはお前が初めてになる
今の所有者は俺だ……さぁ、お前の力を見せてみろ」
N→
辺りを照らしていた光はやがて刀に飲み込まれるように消えていった。
「なるほど…才能の無い者に力を与える刀…
常人が使えば力に耐えられず溺れていく
だが俺は大丈夫なようだ
触れられる…力も問題なく使えそうだ…」
「じゃあプレゼント交換会といこうぜ
いや、違うか?互いに取り合うだけだから、強奪会だったなぁ!」
N→
「さぁ!早速これを受け取りな!!」
『
N→
その黒い煙は薄暗く、まるで
「よっと!!」
N→
「……過度な欲は人を喰らうか
刀にそれを言われるとは何とも頭が痛いな」
『
N→
迫る影に向けて一閃、抜刀する。
影はその斬撃によって切断され、そのまま溶ける様に消滅していった。
「やるねぇっ!」
「そりゃどうも」
『
N→
「なにっ?確かに斬った‥‥」
「残念だったな
俺はそこには居ないぞ」
N→
しかし急速に真後ろへとターンし、何もない空間へと
するとガキンと金属同士がぶつかりあう音が響く。
「なに…?なぜわかった?」
「理由は簡単だ
お前の殺気を感じ取ったんだよ
わかりにくく隠してやがるな?
気配をその場に残して自らは動けるのか
視覚頼りで戦う者には効果がないが
五感を駆使する敵の混乱を招く技
感覚全てを注視していたら気がつかない…
すげぇなその技!!」
N→
「強い…なんだこの力!?」
N→
「まだまだ技があるんだ
色々見せてやるよ」
『
N→
まるで羽が生えたかのように、
「へぇ!そんな事もできんのか!!
おもしれぇなぁ!!もっと見せてくれよ!!」
「いつまでその余裕が続くかな」
「余裕なんかねぇよ!
オレは今とてつもなく高揚してんだ!!
この戦いを長く楽しみたいって身体がうずいてるんだよぉ!!!」
N→
「はぁっ!!」
「ちっ…!うらっ!!」
『
『
N→
二人の技は激しくぶつかり合い、凄まじい衝撃波を辺りに放つ。
空中に未だ飛ぶ
対して地上に立つ
「流石に強いな、生徒会長として最強と名高いわけだ」
「ハァハァ……最強ならよかったんだがな」
「…どういうことだ?」
「ハッ!!てめぇには関係ねぇよ!!
そろそろ頭来たぜ…面白いもん見せてやる」
N→
その刀身から凄まじいオーラが立っているのに
「なにを…!?」
『
N→
その刀身から先ほどのような影は飛ばず、ただ空を切ったように見えていた。
「…これだけなはずがない
なにをした!?」
「光と影の境界線…
この
「まさか…!!?」
『
N→
その内部で高速に影が動き、内部にいる
「があぁぁぁああぁああぁぁああぁあっつ!!!」
N→
その頃、
「会長は…どこに?」
「もしかして
N→
「夢野さん!一人では危険です!!」
N→
しかし制止する声は
「二人は戦っている‥‥会長に限って…ありえません
いえ、あってほしくないです‥‥」
N→
「この声、
N→
その時、
「この技は‥‥なんだ!?」
「
生命力の薄れた今のお前は脅威ではない」
N→
ジリジリと
「よくもまぁ立ち上がれるもんだ
普通の人間ならそのまま魂を斬り落とされて即死なんだが
流石に強いな…」
「く、くそっ!」
(こいつに勝つには…これしかない)
「はぁはぁ……」
『
「
N→
突如校舎の影から
「邪魔だ!!」
『
「キャアッ!!」
「
N→
「はああああっ!!」
N→
しかしその威力は想像を上回るほどのもので
(巻き込むわけには!!)
「グガアアァァッツ!!!」
N→
するとなぜか影は修也の目の前で爆散し消滅した。
「なんだ!?なぜ消えた?
お前今なにを…した?」
「助かった…?」
「邪魔…だ……早く…逃げろ‥‥」
N→
しかし既に限界に近いのか
表情も虚ろな
「すでに限界だったみたいだな
勝った‥‥ぜ
これでオレが最強だ!!ハハハハハ!!」
「…生徒会長じゃないわね
あなたは誰なの?」
「どいつもこいつも察しがいいな
オレは…こいつの、いや
こいつの劣等感や不安、そんな暗い感情が生み出した人格
人はそれを
「じゃあ‥‥本来の会長はどうなったの?」
「眠ったままだ
きっかけは会議の時だ
学園を守れず、色々言われてねぇその重責に耐えられず
オレが出てきてしまったぁってわけ?」
「…そう
なら貴方は、なんのために今戦ってるの?」
「もう一つの妖刀が欲しくなった
それとオレを知っちまったお前らを殺す
それが戦う理由だ
そうだな・・・・生徒会に二人が忍び込み、オレを殺そうと
生徒会長がこれを言えば嘘でも真実になっちまう」
「そんなのが通るわけーーー」
「それが通っちまうんだなあぁ!
なんせオレは生徒会長だっ!
ここではオレの発言の一つ一つが絶対なんだよ!!」
「そうはさせないわ」
N→
「オレを倒せるってかぁ?アァン!!?
妖刀も持たないお前如きに!!?」
「来なさい…」
「その態度…うざってぇなああああ!!
望み通り殺してやるよ?」
『
N→
否、かき消されたのだ。
弾くように刀で斬り落とされた影はそのまま消滅していった。
「あぁ?どうなってんだ?
どういうことだああぁぁぁ!!?」
『
N→
再び三連続で放たれた影は全て
「どうなってんだ?てめぇのその刀…?妖刀か?」
「違うわ
これは私のお父さんが使ってた刀
名は
私の使う流派は
一刀に込めた力が太陽が如く闇を払う!
思い出したわ。これが私の力の正体よ」
「
だがよ?それがどうだってんだああぁぁっ!
てめぇ如きがいくら粋がったところで俺には勝てねぇんだよ!」
N→
再度、
その
「おおおおお!?ここまで力が出るとは…なぁ!
お前程度の雑魚には!!世界の真相を知る権利なんかねぇ!
さっさとくたばれよぉ!!!!」
『
N→
それを見た
その瞬間、周りで
「は…?どうなってんだ…!!?
かき消され‥‥て?
は、はあっ!!?ふ、ふざけ…んじゃねぇ!!
これすらも…消せるのかよ…
ふざけんなあああ!!」
N→
「‥‥哀れね」
『
N→
斬りかかろうとした
たったの一撃だった。
横一閃に繰り出された一刀は敷島を完全に下したのだ。
「終わった‥‥のね
「そ、
「生徒会長‥‥いえ
とは言っても峰打ちだけど
多分すぐには目を覚まさないわ
もう大丈夫よ…」
「油断…するな‥‥」
「馬鹿がああ!!!」
N→
いつの間にか立ち上がった
その瞬間、ガキンという金属音が鳴り響き、二人の前に立ちはだかった男子生徒は
「て、てめぇ!!!
「ここまでの証拠があれば‥‥状況はわかります
会長‥‥どうしてこんなことを」
「ハハハハハ。お前が、居なきゃよかった
オレは…おれは…俺は…!
惨めな思いをすることもなかったんだああっ!」
「あの事件の責任の事ですか?それは私に非があるとー」
「そうじゃねぇ!俺はお前に対していつもこう思ってたんだ!
俺がお前だったらって…
お前になれたらって…
お前くらい強ければって!!!
なのに…お前はっ!!いつもいつもいつもいつもぉっ!!!
俺なんかを庇いやがって!!!
お前は一体…!何様のつもりなんだっ!!」
「私は…会長の指導の下ここまで来れました
今の私があるのは会長あってこそ‥‥」
「同情が欲しいんじゃねぇ!!
俺にとってお前は‥‥お前はあああ!!」
N→
その構えを
「それは‥‥
初代生徒会長が考案し、代々受け継がれてきた絶技
かつて会長が私に伝授してくださいましたね
ですが‥‥お分かりのはずです
その技は常日頃より集中力を保つことで発動できる一刀
今の会長には……」
「うるせええぇっつ!!さっさとかかってこい!
さもなくばここの生徒を皆殺しにするぞ!!」
「会長‥‥!そこまで行ってしまわれたのですね
・・・・・あの日の約束を果たします」
『
N→
それを返すように
そして決着はついた。
「は‥‥ははは
ま、まけた‥‥んだな‥‥」
N→
肩から腰にかけて一刀のもとに斬られ、血を流しながら倒れる
その様子を眺める
二人は静かに見つめあっていた。
「ぐ‥‥がはっ‥‥
随分と、容赦…ねぇじゃねぇか
「会長…」
「…ハハ
お前に実力も劣ってるとは…どこまでも‥‥妬ましいやつだ
そういう所が…俺を
「私に対するその想い…妬みが憎悪へと変わる」
「………お前さえ居なければ自分をここまで
「会長…………
貴方を現時刻を持ちまして、生徒資格を
重犯罪者と判定し
警察へと身柄を引き渡します
よろしいですね?」
「…あぁ。異論はない
さっさとやってくれ」
「‥‥‥これまでのご指導ありがとうございました」
「……………
「…はい」
「これで終わってない……からな
まだ闇は払い切れてねぇ……
懐はしっかりと正しておく事だ…」
N→
少しして駆けつけた他生徒会役員が警察へと連絡を入れる。
それから、一時間も経たぬうちに、武装した警察隊が
その姿を生徒会役員一同が静かに眺めていた。
突如、まるで戦いの
校舎内に入った
二人は言葉を交わすことなく、静かに隣り合わせに座っていた。
「
俺は
「…えぇそうかもしれない
でも貴方は私を二度も救ってくれた
今はその借りを返しているつもりよ」
「なぜ俺に‥‥付き纏う
どうして放っておいてくれないんだ‥‥」
「放っておけるわけないでしょ‥‥」
「なぜ…なんだ!どうして俺を」
「貴方を好きだから
それじゃ不十分?」
「そんな‥‥それだけの事で?」
「でもそれが私の自分勝手な目的よ
それ以上もそれ以下もない
貴方が好きで心配だから…守りたいんだよ」
「っ!!‥‥‥‥‥‥」
N→
混ざり合う複数の感情の整理が追い付かずただ苦しむ他なかった。
「貴方が何を抱えてるのかわからない
だけど、もし私を友達だと思ってくれてるなら
いつか話してほしい
頼りないかもしれないけど
私は
私じゃ力にならないかな?」
「‥‥‥‥俺は」
N→
しかし
幾度もフラッシュバックした光景が
「‥‥もう遅いんだよ
もう俺に関わらないでくれ」
N→
「
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「結局私は彼の力になる事はできなかった
私じゃ…誰も救えないのかなって、悲しくなったの
でも、前を向かないといけないって
居なくなった彼にまた会ったときに、今度こそ力になってあげたい」
「でも‥‥さ
助けたんだし…
「ありがとう
「そんな事ないよ…僕は全然だめだから」
N→
少しして車がゆっくりと止まった。
運転手から目的地に着いたことを聴き、二人は護送車から降りていく。
民間人は避難済みのようで周りには人気がなく
不自然なほどの静寂が辺りを漂っていた。
「この辺りにいるの?」
「おそらくは、この辺りだと思うんだけど
まだ細かい位置は掴めてないから慎重に周りを確認して
いつ現れるかわからないから武器を構えておきなさい」
「‥‥わかった」
「まずは援軍が来るまで様子を伺いましょう
…もし倒せるならいいんだけど、無理はしないでね」
「
N→
しかし以前として警戒を解かない
「どこにいるの?見えないけど…?」
「でかい気配がする……
こっちに気づいてる…と思う」
N→
すると突然、遠くからでかい衝撃音が鳴ると同時に巨大な影が
「避けて!!」
N→
巨大な影が二人の近くへと落下する。
その衝撃波はすさまじく、辺りの民家を倒壊させるほどのものであった。
「な、なにが!!?まさか…
N→
こちらを押しつぶそうとした巨大な影は
民家一軒分の大きさにもなる
脚が太く、頭がでかい
「
N→
その瞬間、
「大丈夫だよ」
N→
「
「う、うん…倒してもいいんだよね…?
だめだった?」
「そうじゃ…ないんだけど‥‥」
N→
その瞬間、
「危ない!!」
「!」
N→
そして一言、静かに技名をつぶやいた。
「
N→
噴き出した
空中から着地し、ゆっくりと刀をしまう
(やっぱり‥‥強すぎる‥‥
この子は…何者なの‥‥?
何の関係があるの‥‥?)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
黒いローブを着た男→
白いコートを着た男→
N→
それから数ヶ月後
どこかの建物の屋上にて
白いコートを着た男が風に吹かれながら空を見上げていた。
そこに黒いローブを着た男が
黒いローブを着た男
「お仕事お疲れさまだなぁ?
さすがは我らがエース様!しっかりと任務をこなしてかっこいいぜほんとよ」
N→
白いコートを着た男は黒いローブの男の方を向かずに静かに声を返していた。
白いコートを着た男
「・・・・当然だ、失敗など許されない」
黒いローブを着た男
「おーおー?ますます憧れるねぇ?
でもよぉ?お前も心ないやつだな?
あんなに沢山の人を無残にも殺しちまうんだからなぁ」
白いコートを着た男
「・・・・
黒いローブを着た男
「そんなわけないだろぉ?オレは
白いコートを着た男
「そんなものは不要だ
用が済んだなら消えろ」
黒いローブを着た男
「ひっでぇな
仲間なんだぜオレら?仲良くしようぜ?」
白いコートを着た男
「お前らと馴れ合うつもりはない
ただ目的が同じというだけ
お前らが邪魔をするならば容赦なく全員殺す」
黒いローブを着た男
「おーおー?惨忍な奴だねぇ
でもまさかなぁ?あいつまでも殺しちまうなんてな?」
N→
白いコートを着た男はその言葉に反応する。
それに気づいた黒いローブの男はニヤリと笑い、ゆっくりと近づきながら言葉を続けた。
黒いローブを着た男
「あんなにお前を助けようとしてくれたのになぁ?」
白いコートを着た男
「……黙れ」
黒いローブを着た男
「お前を助けた事だってあったのにな
邪魔者は誰であろうと切り捨てるとは…冷酷極まりないことで」
白いコートを着た男
「・・・・黙れ!」
黒いローブを着た男
「馬鹿なやつだよなぁ!
助けようとした相手に足をすくわれて・・・・ねぇ~?
あの女を殺しちまうなんてなぁ!!
可哀そうになぁ~!!ハハハハ
どうだった??感想を聞かせてくれよぉ?
なぁ、
白いコートを着た男
「黙れと言っただろ!!!!」
N→
白いコートを着た男
その正体である
黒いローブを着た男
「なっ!!!!
おーこわいこわい…!
軽いジョークだろぉ?許してくれよ?」
「前とは違う…
身の程を弁えろよ…?
「・・・・はいはい
悪かったなぁ?エース様をからかってしまってね」
N→
刀を納刀し、
「…わかってる
俺は進み続ける…たとえどれだけのものを犠牲にしようと…
進んでいく…俺が進むのは修羅の道だ
心なんて………もう、捨てる」
集編 桜ガ枯レ落ツ迄 完
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
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・アドリブ演技に関して
この台本はアドリブを入れる事を前提として書いています
なので演者様方の判断で挟んで頂いて構いません
是非素晴らしい演技にアクセントをつけてください
しかし作風に合わないものはご遠慮ください
・性別変更や比率に関して
作者はあまり好ましくは思っていませんがある程度ならば可とします
そのある程度の境界線は他の演者様たちとの話し合いに委ねます
・特殊なものについて
台本を演じる際に読み込まないで演じる行為や
言語を変える、明らかに台本無視と取れる
特殊な行為をするものは認めていません
流石に読み込んで普通に演技してください
多分そうじゃないとこの台本は演じれないです
二次創作等、商権利用問題のある場合、質問や不明点ございましたら
作者のTwitter
https://twitter.com/kaguratizakura
のDMにてご連絡ください
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