終編 桜ヲ枯ラス呪イ
27歳?
昔、
見た目は若いが、数年経っても見た目が変わっていないらしい。
謎の力を扱う、どうやら魔法の類ではないみたいだが…
18歳
白髪、黄色の目をしている美青年。
以前怪我をした際の血の色が…?
15歳
白髪、黄色の目をしている美少年の男の子
若くして
普段はパッとしないがかなりの実力者
19歳
元
学園での生徒殺傷事件の後、輸送中テロリストの襲撃を受け、行方不明となった。
18歳
学園ではひっそりと人気な女子生徒
生徒会となり、
その後、直接のスカウトが来たことにより学園を特例卒業し、
Nは→後のキャラ演者が読む
※設定一覧
同好会と称した罠を貼り、生徒を惨殺した男子生徒。
~っすといった特徴的な語尾の男子生徒
八木原に殺され死亡
自由気ままな女子生徒
八木原に殺され死亡
不自然な敬語を使う男子生徒
学園内の勢力図を熟知している
設定
・
突如世界に現れた「
Variant Hunt Army通称
自衛隊や警察組織と違い、独立した権力を持つ
民間軍事会社(People Military company)通称PMCに分類される組織。
一般人や学園卒業者の中で実力保有者が入隊することができ
その戦う
・
2000年に突如現れた異形の生命体。
理由や目的は不明だが人類を脅かす存在。
現れた当初は世界でも数十体しか確認されなかったが、年々数を増やしている。
出現方法も繁殖方法などは不明となっている。
生物が
一部では神の使い等と吹聴している宗教まで現れている。
・
その素性、人員、目的一切が不明のテロ集団
突如姿を現れては殺戮を行う事から市民から恐れられている
・妖刀
人智を超えた力を持つ妖刀。
その御力は人の成せる領域を超えており、多種多様な技を扱う。
複数ある妖刀はいずれも人間の深層心理に影響を及ぼし
身を滅ぼす者やその命を刈り取られていく者も現れている。
現在 存在が確認されている二つ
役表
※黒ローブは誰も演じない、誰かと喋っているように間を空ける
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血桜ハ還リ咲ク 零章
「桜ヲ枯ラス呪イ」
N→
桜が散る前の鮮やかな日々
今は透き通り消えていったあの頃の情景
既に笑顔は崩れている………残酷な現実
自らに課された鎖はその手を遮り、明光を閉ざす
N→
本来、
もしくは学園を卒業した者のみが入兵することができる。
しかし、既に卓越した実力を所持しており
上層部が認可した者は特例で入兵することができる事がある。
その誘いを承諾した
数人の兵員で構成される班へ仮入隊をし、そこで戦果をあげていった。
その功績が認められスピード昇進すると、
上司から班を作るように言い渡された
その資料を見て
「…これは、どういう運命なの?」
N→
年齢:15
階級:三等兵員
所属班:現在設立申請中
髪は白みがかり、黄色い瞳をしており
哀愁漂う雰囲気を持つ少年はどことなく
「うーん…気になるけど
とりあえず会ってみない事にはわからないわね
よし!まずは会ってみよう」
N→
上司へと連絡をすると話が通り、
中では少年が椅子に座ったまま、静かにただ一点を見つめ続けていた。
「君が
N→
静かに座っていた少年は顔を小さく縦に動かす。
その表情は虚ろで、暗く、寂し気であった。
そんな瞳を
「…うん」
「私は
これから貴方の班長になるかもしれないんだけど
その前に直接本人と話してみたくて来たの」
「……そうなんだ」
「そうなんだ……って上司からなにも聞いてないの?」
「僕は…ただ言われたから……来ただけ…」
「そう…?
…そうだ!今回私の所に来る前に2つの班を行き来してたって聞いたんだけど
どうして班を移動することになったの?
実は私もあまり話を聞いてないの」
「……」
N→
少しの間の後、ゆっくり口を開く。
「全滅…したから」
「え………?」
「…僕以外は殺された
N→
上司たちから聞いた話だと仲間を全滅させられた人間はこのように心を失う者もいると聞いたが、この少年もそうなのかもしれない。
「そうなの…ね
ごめんね?あんまり言いたくなかったよね」
N→
申し訳なさそうに俯く
しかしあまり気にしてないのか
「……大丈夫」
「そう?それなら聞いてもいいかな?
「……………倒した」
「倒したって…
N→
蓮太郎は小さく頷く。
見たかぎり女の子のような華奢な身体からはとても戦えるようには思えない。
(この子が…一人で?
相当な危険度だって…確か脅威度基準は複数の隊が合同で挑まなければ討伐ができないくらいのはず
私が戦った
その一つ上のランクをこの子一人で倒したっていうの…?)
「
無理にとは言わないけど…どう?」
N→
気が付けば勧誘の言葉を漏らしていた。
「よろしくね、
「うん…」
N→
その後、上司へと申請を出し、正式に
(
この子はあまり他人に慣れてないみたいだし
そこは私が班長として頑張らないと…)
N→
数回の任務を行いながら、
最初は任務時に見せるとてつもない実力に驚いていたが、それよりも話してみると普通の大人しい少年であることがわかった。
「
「う、うん……」
N→
護送車の中で
「…ふわぁあ。まだ眠い……」
「まだ眠いの?でもこの後は大事な任務だから今だけは頑張ってね」
N→
目的地から少し離れた建物の周りで立ち止まった。
空は既に真っ暗になっており、近くに人気はまったくない。
現在は周囲一帯の建物はすべて使われておらず
今回のように定期的に場所を変えて使用することで
監視や盗聴をさせない特別な会議の場として使われていた。
「そういえば、どんな任務なの?」
「えっとね…ちょっと待って」
(これも…また数奇な運命ね……)
N→
任務時に支給される特別な処理が施されている端末で内容を確認する。
「今回の任務は国会議員であり防衛隊長官を務める
この政府御用人が緊急で特別会議を行うことになったの
その周辺警備と護衛だって
私たちは付近の建物で誰か怪しい人が来ないかを監視するのが仕事ね」
「え………
「知ってるの?」
「いや…なんでもない……」
「よくある護衛任務らしいんだけど
こんなに人数が居るものなのかな?
まるで襲撃されるのがわかってるみたい…」
N→
そうして話をしている時、何か足音が近づいてきているのに
「
「え…?ほかの人と配置が被ることはないはずだけど…!?」
N→
足音の方を二人は注視する。
暗がりから1人の男が姿を現わす
その顔に
「え、貴方は……もしかして
「
N→
「まだ無事だったようだな…よかった
「え…着いていくって?
急に…そんなことを言われても無理ですよ
今は私たちは任務中なので…ここを離れられないんです」
「急を要することなんだ
あとで必ず詳しく説明する
だから今は黙って俺についてきてくれ」
「…そう言われてもーーー」
「
N→
焦った様子の
「えっと…この
親を失って身寄りがなかった私とお姉ちゃんを引き取ってくれて
ずっと面倒を見てくれてたの
私たちが学園の寮に入ってからは全く会えてなかったんだけど…
それより、
「…わかった。少しだけ説明する
今からこの任務の護衛対象がテロリストに襲撃されると情報が入った
奴らはすべての関係者や目撃者をも見境なく殺すつもりだ
人数もお前らより多いだけでなく個々の実力にも差がある
いくらお前でも多勢に無勢だろう…
だから俺はお前をここから逃がすために来た」
「でも…もしそれが本当だとしても余計にここから離れるわけにはいかない
テロリストが私の仲間たちを殺そうとするのなら見過ごせないし
なにより…そんなときに私だけ逃げ出すなんておかしいです」
「…お前はこんなところで死んではならないんだ
理由はここでは話せないが、お前の命は他の者とは違う
たとえ他の命を犠牲にしてでもお前を失うわけにはいかないんだ
俺が居ればここからお前を逃がすくらいはできる」
「それじゃ納得できないです……
私一人が助かるためにみんなを置いていくなんてできません」
「…今はわからなくていい
お前と
俺と…お前の親父さんとの約束なんだ」
「…私の、お父さんが?」
「あぁ…お前の親父さんは俺にたのーーーー」
N→
突如、けたたましい爆発音と共に
一同は驚き、その音の先を見ると黒煙が上がっているのが見えた。
「
今の爆発音は…!!?
はい…わかりました!今すぐそちらへ向かいます
今すぐ護衛対象のところまで行きましょう!」
「う、うん…」
「相手は私たちを容赦なく殺そうとしてくるわ
絶対に油断しないでね…」
「うん…でも相手と戦ってどうしたらいいの?」
「なるべくは殺さないで確保したい……けどそう上手くいかないかもしれない
もし危険だと思ったら逃げる
…それだけは約束して
「うん…わかった」
N→
急に周りの建物が爆発を起こし、一同はその爆撃を回避する。
「ゴホッゴホッ……
……いえ、あの子ならきっと大丈夫
私は目的地へと向かわないと」
「待つんだ
「私は…私の任務を全うします」
「そう…か……わかった
大きくなったな
「
「ふっ…わかった
無事に戻ってこい
その時はすべてを話そう
お前に託した…
「
N→
残された
「まったく…あいつの我儘には弱いな
無理やりにでも連れていくべきだったか……
情が移りすぎた…な」
N→
そんな
「…今の爆発はお前がやったみたいだな」
N→
その攻撃を後ろへ数歩下がり回避した。
煙が晴れてきて、その姿が視界に映る。
黒いローブを見に纏ったその男はニヤニヤ笑いながら十字型の短剣をくるくると回していた。
「その顔…見覚えがあるな
確か…
「お~~~??オレを知ってるってかぁ?
オレも有名人になっちまったみたいだなぁ!」
「あれだけデカく報道されてれば嫌でも耳に入ってくるものだ」
N→
「オレたちが今日ここで起こしたことはお世間様にバレるわけにゃ行かねぇからなぁ?
とくにオレの正体を知っちまったお前は尚更生かしちゃおけねぇ
ここにいるやつらはみ~んな死んでもらうぜぇ!!」
「やれやれ…元生徒会長というからには
多少は話が通じるものかと期待したが…
ただの狂人だったようだな」
N→
敵視していないかのようなその姿勢に
「あ?…おいおい、さっさと武器を出せよ?
それとも、まさかこんなところに丸腰で来やがった愚か者だってのかぁ?」
「お前ごときに武器を使うまでもない…」
「ちっ…調子乗りやがってこのおっさんがよぉ!
なら望み通りぶっ殺してやるよぉぉぉ!!」
N→
強烈な殺意を浮かび上がらせた
走りながら、左右に細かいステップをしており、どこから攻撃を仕掛けるのかをわかりづらくしていた。
「ほら行くぜぇっ!!」
「血気盛んな若者だな…少し落ち着きを覚えた方がいい」
N→
激しい刺突の連撃を
動きを最小限に抑えて回避しているため、細かいテクニックを使用している
「テメェ…!!避けてばっかで!!うっぜぇえなああぁ!!
攻撃してこいよ腰抜けがぁ!!」
「…あえて挑発に乗ってやる」
「はっ!馬鹿がっ!もらったぁあ!!」
N→
立ち止まった
避ける素振りを見せず足を止めると、
その刺突は深く身体へと突き刺さり、一撃で心臓を貫いた…はずなのだがその短剣の突きは大きく空を切った。
「な、なに!!?今のを外した…?ありえねぇ!!」
N→
顔を上げると少し離れた位置に
今の一瞬でどうやって移動したのかが
「どうやって…そこまで逃げやがったッ!?」
「さぁな…俺もよくはわかってない
この力の根源については俺も知りたいところだ」
『
N→
「な!!?なんだこれ!!
どうなって…やがる!魔法かなんかかよ!!」
「惜しいと言っておこう
…炎や雷でも起こせるのならいいんだが
魔法ってほどユニークなことはできないもんでな」
『
N→
周りの地面から薄い灰色に光る鏡のようなものが四方から飛び出す。
それは
「なんだこれはあぁああ!?離っしやがれぇ!!」
「その結界にお前を封じ込める
しばらくは解けないようにしてあるからそこで大人しくしてろ」
「てめぇえええぇ!!ふざけんじゃねええぇ!!」
N→
叫びながら壁に向けて刺突を繰り出しているが、穴が空くどころか傷一つ付かず逃げることができないようであった。
「お前らにもリーダー格がいるはずだ
そいつを倒せば撤退させられるかもしれない
急いで探さないとな・・・・」
N→
表情が少しだけ青冷めているようで、ゆっくりと深呼吸をしてからその場を去っていった。
「くそがああ!待ちやがれええぇぇ!
出しやがれぇ!!くそくそくそくそっ!!!!」
N→
目の前に張られた半透明の結界に向けてナイフをぶつけているが、びくともせず
なすすべもなく攻撃を続けていた。
そこに白いコートを着た男がゆっくりと歩いてくる。
その男は結界の目の前で刀を抜き、結界を一撃で切裂いた。
結界は割れた鏡のように粉々に砕け、消滅していく。
「苦戦しているようだから…助けてやる」
「てめぇ・・・・
余計なお世話だクソ野郎!
あまり調子に乗ってるとぶち殺すぞ!」
「……妖刀を持たないお前など相手じゃない」
「ぁああ!!?てめぇ…調子乗んなよ?
オレを倒せるってか!?できるならやってみろよ??
なんならここで今すぐお前とやり合ってもいいんだぜ?」
「後でならいくらでも付き合ってやる
それより状況はどうだ?
第一目標と第二目標…
どういう手筈になって動いている?」
「あぁ?第一の方はとりあえず周りの見張りを狩りながら包囲網を張ってる
逃げようってもここからじゃオレらを倒して突破する以外ないだろうからな?
一人も逃がさねぇための囲い漁…ってやつか?」
「なるほど…作戦は上々のようだな
それで…第二の方は?」
「あ?知らねぇよ
どこの配置についてんだか知らねぇが今のところ目立って強いやつはいねぇ
つーかお前が第二を捕らえるってあんだけ粋がってたよな?
オレらは第一で忙しいんだよ
自分の任務くらい自分で消化しやがれバーカ」
「あぁ。無能なお前らに任せるより俺が動いた方が確実だからな」
「…今回の任務は死人が出ても仕方ないほどの大規模戦闘だ
間違ってうっかり後ろから刺しちまっても恨むなよ?」
「できるならやってみろ
大口叩く暇があったら行動に移してみたらどうだ?」
「ぁ?……てめぇ?後で覚えてやがれよ?
今は大事な大事なお仕事が最優先だ
運がよかったなぁ…?」
N→
「
N→
同刻、
「どこ…?
N→
遠くで金属音がぶつかり合う音が耳に入る。
その途中、仲間が倒れているのを発見し足を止める。
心臓は動いていないようで、完全に息の根を絶たれているようだ。
「この人、死んでる・・・・
N→
急いで刀を向け、振り返るとそこに立っていたのは
「まだ無事だったのか…」
「えっと……さっきの人…」
「
君は何をしているんだ?
戦っていたようには見えないが…」
「わからない・・・・僕はどうしたらいいのかな?」
「それを俺に言ってどうする?
お前はどうしたんだ?
逃げたいのか?戦いたいのか?」
「えっと・・・・わかんない」
「話にならないな・・・・
ちょっと待った。君…名前は?」
N→
「
「今・・・・
N→
「…まさか、奴らはこの少年が居るのを知らない?
こいつすら殺してしまおうというのか?」
N→
その間
「そんなわけがない・・・あいつらにとってこの少年の存在は必要不可欠なはずだ」
N→
突如、数本の刃物が
「危ないぞ!!」
「っつ!」
N→
二人は咄嗟に近くにある障害物へと隠れて投擲ナイフを回避した。
ナイフを投げた者がゆっくり近づいてくる。
「生存者は~っけん。
お前ら二人…ここでデッドエンドだ」
「…しつこいやつだな
よくあそこから出られたな
強く張ったつもりだったんだがな」
「そ~んなことはど~~だっていい!
それよりオレはお前の死体に用があるんだよ!
まぁどうせその辺に捨てておくけどな!」
「
「えっ……う、うん」
「聞きたいことがある。なるべく殺さないようにしてくれ」
「…うん」
「てめぇら・・・・あ?
そのガキ…まさか?
あ~あ~あ~そういうことね
お前と同じような見た目の奴は気に食わねぇなホントによ!!」
N→
「死ねぇクソガキがあああ!!」
N→
再び視点移り
会議の場所近くにて多数の黒いローブの集団に兵員が襲われていた。
しかし、予想以上に敵が手ごわく数を減らすことができなかった。
「…殺し慣れている相手がここまで手強いなんて
どうしたらいいの…」
N→
他の配置から合流してきた兵員の加勢により、周りの敵が一時撤退していった。
「今のうちに負傷者の救護を!
私は…テロリストを追撃します」
N→
遠目ながら路地を隈なく見ていると、白いコートを着た男が視界に映る。
その正体はよく見えなかったが、なぜか口から一人の名前が零れた。
「あれって……まさか……!?
N→
白いコートの男、
「……ここなら話せるか?」
N→
黒ローブの男
「あぁ………問題ない…
それより‥‥奴の…居場所は‥‥
わかったのか‥‥?」
「今
あいつらならば問題ないだろう
唯一の障害である
あいつはこちらに引き入れるために説得するか、もしくは捕獲すればいい」
黒ローブの男
「わかった‥‥そのままで構わない
だが…お前は
例え誰を‥‥逃がそうとも‥‥‥‥
‥‥そいつを‥‥無理やりにでも捕らえろ‥‥」
「なに…?メインはあのお偉いさんじゃないのか?
少なくとも俺はそう聞いたぞ」
黒ローブの男
「作戦‥‥変更だ‥‥‥‥指示に‥‥従え‥‥‥‥」
「…わかった
俺が必ず
「
「っ!!!?なぜここが!?」
N→
突如現れた
その刀はかつて見た妖刀
「…
N→
あの時に斬られたはずの片目が傷一つなくなっていた。
「目は大丈夫だったの?なんともなさそうだけど…
あんなに深い傷じゃあ…視えるはずないと思ってた」
「……
N→
二人は刃先を向け合いながら静かに対話を始めた。
「俺に着いてこい・・・・」
「着いていくって…どこに?」
「それは・・・・後で話してやる
だが今は黙って従え」
「断ったらどうするの?」
「無理やりでも連れていく」
N→
瞳を閉じて静かに考え、そして返答する。
「従うわけにはいかないわ」
N→
『
N→
突如、
気がつくと目の前から忽然と姿が消えていた。
「これは…!?」
N→
その瞬間、刃のぶつかり合う音が鳴り響くと
「最近は破られることが多いな・・・・」
『
「くっ!!!…
「戦いに待ったはない!」
『
「っ!どうして皆なにも言ってくれないの!」
『
N→
二人の技がぶつかり合う。
その
衝撃に押し負け軽く吹き飛ばされる
予想外の強さに驚愕するもすぐに向き直る。
「
私は貴方と戦いたくない!
ここに戦いに来たわけじゃないの!」
「お前はそうでも俺は違う!!」
N→
『
N→
刀身を横に持ち地面を叩きつける。
それはまるでハンマーで殴りつけるかのように、強い衝撃を放っていた。
しかし、それも
「すごい…威力!!」
「くそ・・・・これも避けるのか
ならば…これでどうだ!」
N→
あの日、同好会事件の時に構えたものと同じであった。
「それってあの時の!!!?」
『
N→
あの時の斬撃を覚えている。
辺りに寒気が走るような一撃。
半端な覚悟で当たろうとすれば自分が斬られてしまう。
「やるしかないのね……!」
『
N→
二人の技がぶつかり合う。
その衝撃は凄まじく、辺りに積み上げられたごみ箱や自転車を枯れ葉のように吹き飛ばす。
お互いに一歩も引かずに刃を押し込みあう。
「
「だったら!!黙って着いてくればいいだろ!!
それができないなら・・・・!戦うしかない!!」
「・・・・でも!!あそこにはまだ他の仲間がいるの!!
見捨ててなんていけないよ!!」
「どうせ・・・・!!ここに居た奴らは!!
お前を除きすべて殺す予定だ!!!」
「そ、そんな…どうしてそんなことを!!」
「何度いわせりゃわかる!お前には関係ない!
さっさと倒れてくれよ!
こんなところで力を割いてられないんだ!!」
N→
その一瞬の隙に
態勢を崩した
「お前は!!何も知らなくていいんだ!
いちいち知ろうとするな!!俺の中にズケズケと入り込んでくるな!」
「・・・どうして何も言ってくれないの!!
言ってくれないと何もわからないのに…!」
「最初から理解なんて求めてない!!余計なお世話だ!
いつも…いつもお前はそうだ!
初めて出会ったときから…ずっと!!!」
「私は…それでも!
「お前がどうしたところでこうなる定めなんだ!!
ずっと前から決められてた物語を沿っているだけなんだよっ!!!」
「でも!ここには・・・・あなたの」
「お前にはわからーーー」
「あそこには!!
N→
その言葉が耳に入った瞬間、
「な、なんて言った・・・・?」
「あそこには私の部下・・・・
多分…今もどこかで戦ってる」
「ここに
N→
そして同時刻、
「死ねぇぇっ!!」
「…っ」
N→
「へぇ~?強いねぇ?
さーすがだよ!だが…っ!!」
N→
「てめぇからは攻撃しねぇってつもりか?
舐めやがってよぉ?」
「そんなつもりじゃ…ない」
「驚いたよ・・・・まさかここまでの実力だとはな
だが…どうして自分から仕掛けない?」
「だって…殺さないようにって言われたから」
「てめぇも!!オレをコケにするのかクソガキ!!
本気を見せてみろよ!じゃないと俺は倒せねぇぜ!」
「…わかった」
『
「なにっ!!!?」
N→
その一撃を寸でのところで回避した
「ぐっ!!てめぇ!」
『
「くっ、があぁっ!!」
N→
憎悪に満ちた視線を
「ハァ…はぁっ……あの野郎と同じ技でも…こんなに違うもんか
キレも威力も段違いじゃねぇか……!なんだこいつ
だが貴様には…こいつを見せてやる…!!」
N→
にやりと笑うと小声で何かを呟く。
『
N→
言い終わる直前、遠くで甲高い爆発音が鳴り響く。
それは手持ちサイズの手榴弾だった。
「時間切れ…だ…!だが、どうせ後で殺しにいく
死ぬまでの時間が少し伸びてよかったなぁ!!」
N→
その爆弾は
「な・・・・・・・・!!」
N→
煙幕を起こすだけのものであった。
しかし煙が晴れるとそこに
頭を抱えた
「逃げたのか…?なぜ退いた?
いやに引き際がいい・・・・
さっきの音、何かの合図か?」
N→
「・・・・集まってきてる?」
「なにか聞こえるのか?
俺には何も聞こえないが・・・・
いや、そういえば君は
少し聞いてもいいか?
君は幼少期の間はどこに暮らしていたんだ?」
「・・・・昔
家族に捨てられてから・・・・
ずっと・・・・一人だった」
「家族に捨てられた・・・・か
お前も俺やあの姉妹と似たような境遇なんだな」
「…あの、僕も・・・・一個聞きたい」
「なんだ?」
「
さっき・・・・のだと・・・・・・・・よくわからなくて」
N→
「あいつも昔は身寄りがなくてな
俺が引き取って学園に入るまで育てたんだ
昔、とある事があってあいつの親父さんに借りができてな
とはいえ、人を育てるなんてしたことないし面倒みられねぇと思ってたが…
子供二人を見捨てれるほど人を捨ててなかったみたいでな
処世術としてあいつらに戦う技術を教えてやったが・・・・
まさかそれがこんな形で狙われるようになるなんて」
「なんで・・・・狙われてるの?」
「詳しいことは言えない…
というより、俺もその実わかってないことが多い
あいつらがどうして
俺はそれを阻止しに来た」
「…そうなんだ」
「俺はあいつらのリーダー格を倒しにいく
そうすれば作戦を中止し、撤退するかもしれない
お前はどうする?」
「えっと・・・・・・・・わかんない」
「意思がないのは構わない
だがここは戦場だ
迷いは命取りになるぞ
・・・・お前は
それなら動けるか?」
「う、うん…」
「頼んだぞ、
N→
「俺は俺で動き始めるか…」
N→
再び場面変わり
「なぜ・・・・ここに?」
「あの子は今
確証はなかったんだけど・・・・きっと知ってると思ったの」
「・・・・
「やっぱり・・・・そうだったのね」
「
「わからない・・・・けどまだ無事だと思う
あの子は・・・・強いから」
「そうか・・・・力をつけていたのか
・・・・っ」
N→
「だが・・・・それでも目的は変わらない!!!」
N→
しかしその斬撃は先ほどのものとは違い、弱々しくキレがない。
まるで本人の迷いを現しているようであった。
「
貴方は一体なにに縛られているの?」
「前にも言ったはずだ!お前には関係ない!!」
『
『
「っ!!!」
N→
鮮血が飛び散り、
しかしその血は赤黒い色ではなく、緑色をしていた。
「え……その色って・・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
N→
傷口は徐々に塞がっていき、いつの間にか傷はなくなっていた。
「もう治った…?あり得ない…そんな早くに
ねぇ・・・
一体何者なの…!?
N→
その言葉を聞き、
「・・・・・・・・」
「貴方だけじゃなく、
・・・・・・・・貴方は人間なの?
なんとなくだけど…貴方の家系に関わりがあるんじゃないの?
何か秘密があるのは証拠はないけど…確信してる」
「・・・・・・・・・・・・」
「
N→
少しの間の沈黙が訪れる。
二人は刀身をぶつけ合い、鍔迫り合いを行う。
「くっ…!!それも話してくれないの?」
「………襲撃目標は二つ
一人目は防衛隊副長官
もしくは殺害
奴は我々
ここで手を打たねば後々邪魔になる!」
「それで…今回の警備が手薄な時を狙ったのね
防衛隊も今は居ない…絶好の機会ね!」
「二人目の目標は…
お前だけは確実に生け捕りにしろとの指示が出ている」
「え、私を………どうして!?」
「理由はわからない・・・・だが、それが命令だ!
そして…最終目標は
それ以外の兵員すべて殺害することだ!!」
「そ、そんな…!それじゃ
「・・・・・・そうだ!!!」
「それって・・・・・・・・
N→
姿勢を崩した
「貴方は・・・・弟を・・・・
「!!!!」
「
そうなってもいいって言うの・・・・・・・・」
N→
「良いはずがないだろ!!」
N→
その斬撃は
怒りに任せて周囲に八つ当たりのように繰り出した一撃だった。
「だが・・・・・・・・こうするしかないんだ!」
N→
先ほどとは違い、荒々しく力を込めており技をぶつけるわけでもなく
ただただこちらに向けて無意味に突撃を繰り返している。
「……」
「俺には!これしか!!!」
『
N→
刺突を
そして防ぐこともなくその身に受けた。
「ぐっっ!!!」
「なっ!!!?」
N→
血を口から吐き出すと、痛みに悶える表情を浮かべた。
「ぐっ…!!しゅ…
「な、なぜ…!よけなかった…」
N→
今の一撃は
混乱した
それを
「わたし……
だって……
「そ……
N→
刀をゆっくりと抜き、手から
驚愕と困惑で動けない
「お前なら…簡単に避けれたはずだ……なぜ避けない…」
「ねぇ…
私ね…
あの子ね…すごい頑固で……でも私の為に頑張ってくれる
そんな子でさ…なんかね……
そう…思ってたの……
……二人が兄弟なんだって…一目みてわかったよ」
N→
咄嗟に
「
どうして……避けなかった!
お前なら…あんな攻撃、訳ないはずだ…
どうして…そこまで……俺に関わろうとする」
「わかんない…でも放っておけないんだ……
二人とも…守りたいって……本気でそう思うんだ…
その為なら…なんでもできる…そんな気がするんだ……」
「………」
「ねぇ‥‥修也君
聞いてくれる?」
「・・・・なんだ?」
N→
微笑みながら
「私を生け捕りにできなかったら……どうなるの?」
「・・・どういうことだ?」
「私がもし・・・・ここで死んだら、どう?」
「それ・・・・は・・・・・・・・
お前が死んだら俺らは目的を達成できない・・・・
撤退するかも…しれないが、正直言うと予想もつかない
もし俺が…兵員たちを逃がすのに加担したのがバレれば
俺もただでは済まないだろう・・・・
だが・・・・何もかも先延ばしになるだけだ
何も解決はしない
俺たちはまだ数も力も足りてないテロ集団だ
だが、必ず
「そう…よね……」
「たとえお前が逃げたとしても……
俺が手を下さなければならなくなる…
従わねば俺や他の者まで殺される……
それぐらい…
あいつはそれほど強大な存在なんだ…」
「・・・・
「・・・・なんだ?」
「貴方が私を殺して…」
「・・・・なにを・・・・言ってるんだ?」
「貴方が手違いで私を殺した事にして……
きっと私が死ねば…
あの人が付いていれば…
「・・・・待て!
お前…自分が何を言ってるのかわかっているのか?
それはお前が・・・・死ぬってことなんだぞ」
「えぇ…」
「お前は・・・・俺に殺されるんだぞ」
「えぇ…」
「覚悟のうえ…だっていうのか」
N→
その表情は今までと違い、悲しみに満ち溢れていた。
涙一つ流していなかったが、彼の表情が物語るその絶望を見て
「
私は死んでもいいよ……」
「どうして・・・・そこまで…」
「私は貴方が好きだから…
それに
ただ…貴方たち二人を守りたい……
それにさ・・・・兄弟で殺し合うなんて…
そんなのってないよ………」
「
N→
涙は流していなかったがその目には色々な感情が籠っていた。
今まで自分に封じ込めていた黒い感情
その蓋が今解き放たれ、その全てがあふれ出した。
「俺は…今まで何人もの命を奪ってきた・・・・
もう…迷いはないはずだった…
………だけど、俺は弟を…見殺しにするなんて・・・・できない
あいつのために…俺はここまで一人で戦ってきた
それだけはできない・・・・
だが…俺はお前も…死んでほしくない・・・・
…………どうしたらいいんだ……」
「そう……だったのね」
N→
ゆっくりと
「ありがとう…話してくれて……
辛かったのね・・・・ずっと」
「そ・・・・
・・・・俺には・・・・できない!
どうして・・・・お前は・・・・・・・・俺なんかを!
俺はこんなにもお前を突き放したのに・・・・!」
N→
驚愕する
「ごめんね・・・・正直言うとちょっと怖い…だけどね、私は今ので十分だよ…」
「……っ!!」
「
私の最後の我儘聞いてくれない…?」
N→
強く勧誘されたため、しぶしぶ入った同好会。
あの日々は
仲間たちに囲まれ、ただ普通の学園生活を謳歌した。
そんな彼の中の幸せな時間。
いつからかその日々が、冷え切った
「・・・・・・・・・・・・
ハハ・・・・・・・・相変わらず
お前の我儘には、弱いみたいだな・・・・」
「そうね…私たちの出会いもそうだったもんね」
「お前は俺を無理やり勧誘して…
面倒だって言ったのに…花見まで誘ってきて
楽しいって……思わせて…
勝手に現れて勝手に俺を揺さぶって…
ほんと…台風みたいなやつだよ……お前は」
N→
「………わかった」
N→
それから少し時は戻る。
見晴らしのいいマンションの屋上で
特定の場所を中心に囲うように移動する者、その中で戦う者
その中で一人、その囲いから離れたところで不自然に動く者が居るのを捉える。
「こいつ…一人だけ戦いに参戦しない?
ずっと見ているだけだ
指示を出しているとすればこいつが長か?」
N→
一刻の猶予もないため急ぎその場へと向かう。
相手は気配を上手く隠しながら動いているが、
その者が立ち去る道を遮るように地面へと降り立つ。
「お前があいつらを指示しているのか?」
黒ローブの男
「・・・・お前は・・・・・・・・あの血統の者だな?
・・・・なんの・・・・・・・・用だ?」
「お前らの襲撃計画について教えてくれた奴が居たんだ
心当たりはあるか?俺もその正体が気になる」
N→
先ほどの爆発と同じ音が響き渡る。
「お前らと腐れ縁になるのは御免でな
ここで倒すつもりでいかせてもらう」
黒ローブの男
「そろそろ、チェックメイト……お前に…出来ることなどない」
N→
護衛対象のいるビルへと向かっていた。
壁に手を突きながら歩いているが
その足取りは重く、覚束ない。
身体に力が入らず、意識も朦朧としている。
そんな中、先の
「……これでよかったんだよね」
N→
刀を杖代わりにしながらゆっくりと歩みを進める。
その拍子に膝を突いてしまい、立ち上がることができなかった。
「ぐっゴホッゴホッ…!!
ぁぁあ…痛ぃ……!」
N→
その手には
薄れゆく意識を必死に保ちながら、自らの死を薄っすらと感じ取っていた。
恐怖の感情が溢れだしそうになりつつも必死に力を出して立ち上がる。
「ぁぁ‥力が…入らない
怖い……つらい…
でも、こんな傷じゃ…もう助からないよね…」
N→
あとほんの少し、次の道を曲がれば目的地だ。
そして、そこが彼女の最後の地となるだろう。
それは唯一彼女に残っていた肉親の姿であった。
「お姉ちゃん…一人にしちゃうけど……
きっと、傍に居てくれる人が…現れるから……さ
許して…ね
…ふふ
多分お姉ちゃんなら…あんまり気にしないか…ガハッ!」
N→
口から噴き出す血を袖で拭い、最後の力を振り絞って死の門へと飛び出す。
恐怖心を押し殺し、ただ守りたいものの為にすべてを賭けた。
哀れな少女の最期の瞬間へと……
そして同刻、仲間に連絡を送っていた
「おやおや?第二目標はどうしたのかな~?
あんだけオレに大口叩いておいてまだ出来てないってのか!?」
「…」
「おいおい無視かよ?
まさかオレに図星つかれて拗ねちゃったか??
ごめんな~?お前にみたいな弱い精神のやつのあやし方を知らないもんでな~」
「無駄口叩いてる前に状況を教えろ」
「ちっ…包囲網は完璧だ
オレらの居る部分以外に漏れたやつはいねえ
あとはこの円を狭めていけば、メイン様がご登場するぜ」
「わかった」
「は?お前の方はどうなんだ?
わかったじゃねぇよ
てめぇの方もさっさと情報共有しやがれよ!」
「逃げられた
だがこの包囲網の中に居る
同時に攻撃すればどちらも炙りだせる」
「じゃあ、協力といかせてもらおうか?
そうそう、背後には注意しておけよ?グサリとナイフが刺さってもしらねぇぜ」
N→
それは包囲網の縮小合図だった。
その行動に合わせて
「作戦通りだね~さてとそろそろオレらも行きま…あ?」
N→
その陣形の中で一箇所だけ進行に手間取っている場所があった。
無線から得られた情報によると一人の少年に苦戦し、進行できない状況だという。
少年の正体が先の
「あ?なんだ??邪魔すんじゃねぇよ
あいつはオレの獲物だ!」
「…俺もいく」
「ぁあ?まぁ、着いてきてもいいが邪魔だけはすんじゃねぇぞ」
N→
同刻、
二人の刺客が同時に両側から攻撃を仕掛けるのだが、華麗にそれを回避して一撃を与える。
その場に
「おいクソガキ!第二回戦といこうぜ!!」
「…また同じ人」
N→
「くっ!三人…!」
「大人げねぇ自覚はあるが、これも仕事なんでな
悪く思うなよ!!」
N→
しかし、
蹴とばしたその反動で
「なにっ!!!」
N→
斬撃は
「あぶねぇな…!」
『
N→
斬られるのを覚悟で一人が身体で受け止めると、もう一人が
「え!?」
「もらったぜ!!」
N→
刺客を貫いた銃弾は、その懐に入れてあった手榴弾を撃ち抜き起爆させる。
「ハハハ!!ざまぁみやがれ!!
オレに立てつくとこうなるって最期に知れてよかったなぁ!!
ハッハハハハハハ!!!」
N→
下品に笑う
視界が悪くなったため、一度その場から離れることにした。
その爆発の中では
爆発の衝撃で頭を強く打ったため視界がぼやけていた。
近くには先ほどの刺客が自爆した残骸が散らばっている。
それに気づかない
「見たか!オレの大勝利だぜ!!」
「っ……あれで勝ったとよく言えたものだな」
N→
「ああ!?作戦勝ちだよ馬鹿が!
綺麗ごとなんてなんの役にも立ちゃしねぇんだ!
どんな手を使っても勝てばいいんだよ!」
「だが…奴はまだ生きてる
俺がトドメを刺す」
N→
突如
「てめぇ!!なに人の獲物横取りしようとしてんだ!」
N→
しかし、こんな煙の中では下手に動けず
倒れている
久しぶりに見た
最後の記憶と比べると格段に成長しているのがわかる。
しかし、再会を喜ぶ暇はない
「はぁぁああ!!!」
N→
斬撃が
二人の間に飛び出す者がいた。
それが誰なのかは知っている。
その一撃は
血が飛散し、
「……
「…!!!」
N→
互いに表情が見えず、ひっそりと二人だけに聞こえるように話しかける。
「
あとは‥‥お願い……」
「あぁ…わかった」
N→
それに気づいた
少しだけ目を見開いたまま動かなくなる
その顔に手をあて、静かに瞳を閉じさせた。
「
俺も……お前が…好きだった
……さよならだ」
N→
その視界に映るのは倒れたまま動かなくなる
それを見下ろすように立っている白いコートの男だった。
「……ゆめ…の……」
N→
這うように
そして残酷にも気づいてしまうのだ。
もう、心臓の鼓動が止まっていることに。
「…え」
N→
「なんで……」
N→
更に心臓の鼓動が早くなった。
それはヒートアップするようにテンポを上げていき、そして…
「うぁぁぁぁぁぁ!!!!」
N→
突如、
謎の風が走る。すると黒煙が一瞬で払われ、辺りを照らす。
それを見ていた
「な、なんだよ!あれは!!!?
何が起こったんだ!!」
N→
倒れている
そして、それは触手のように変わっていき近くへ駆け寄っていた刺客三人を叩き潰した。
「はあぁあ!?なにが起こってんだよおお!!」
N→
取り乱す
「撤退しろ!!!」
「ぁあ!?撤退だ…!?目標はどうすんだよ!!」
「撤退だと言ってるだろ!!俺に従え!!」
N→
いつにもなく声を荒げた
残った
「まさか…
最初から…これを狙って?」
N→
N→
同刻、黒ローブの男と戦う
近づきながら次第に見えていくこの世のものではない光景に目をみはる。
「なんだ…!?この光!
まさか
黒ローブの男
「…よもや、こうなるとは…」
「なにが起こってる!答えろ!!」
黒ローブの男
「我々は…撤退する」
「なに…待て!!」
N→
黒ローブの男は煙幕を張るとその場から姿を消した。
それを追いかけようとするも
そこに辿り着くと、その中心にいる
「やはり…
N→
一目みて既に息絶えていることを察した
「
くそっ!!!」
N→
手から血がでるほどまで握りしめていたが、一息ついて
「お前は…あいつを守ったんだな
わかったよ…
N→
ふっと息を吹きかけると目の前に札のような模様が浮かび上がる。
『
N→
光を放ち続ける
その札から出ようとしているように先ほどより濃くなった光が漏れ出す。
「ぐっ!!はぁぁぁあああ!!」
N→
鼻から血が垂れ、手の血管が強く浮かび上がった。
「はあぁっ!!!」
N→
手の平を重ね合わせ、強く握りしめる。
すると
片足をついた
「………すまない
お前を守れなかった
いずれ…罰を受けるだろう……」
N→
その場に残った
N→
数時間後、辺りに大雨が降り始める。
少しして黒ローブの男が近づくと
黒ローブの男
「捕獲……失敗したな」
「なぜ…俺にやらせたんだ……
お前がやればよかったじゃないか…
俺よりもよっぽどお前の方が強い!
そんなに大事ならお前が動けばよかっただろ!」
黒ローブの男
「それは…お前が……決めることじゃない」
「ふざけるな…!!俺はっ…!!!この手で!!」
N→
黒ローブの男に思い切り掴みかかる。
黒ローブの男
「…私の命令に……従えないのならば………この場で死ぬことになる…」
「脅しのつも……がっ!!」
N→
黒ローブの男の掌底を胸に受けて吹き飛ばされる
強い衝撃を受けて、屋上のフェンスへと叩きつけられる。
ゆっくりと黒ローブの男は
「ぐっ…!!」
黒ローブの男
「お前に…選択肢はない……次は…ない」
N→
雨に全身で打たれながら、静かに空を眺めていた。
「覚悟……したはずなんだけどなぁ…」
N→
雨の音がやみ、暗い空間の中
どこからか声がする。
「ひどいわ
私は貴方を信じていたのに…殺すなんて」
「……」
「周りの姿が見える?
ずっと
そして…私もその一人になった
絶対に貴方を許さないからね」
N→
周りを見ると今まで妖刀の犠牲になった人たちが立ち尽くしていた。
何十人、何百人という人々が
「…わかってる
俺は進み続ける…たとえどれだけのものを犠牲にしようと…
進んでいく…俺が進むのは修羅の道だ
心なんて………もう、捨てる」
N→
そして刀身をゆっくり眺めると決意を込めて拳を握りしめた。
「……そうだ
俺は…後戻りしない」
N→
夜空に浮かぶ月を背に
N→
この襲撃事件は防衛隊の到着により終息した。
防衛隊副長官
事件の詳細はその生存者の証言で語られたが、テロリストの死体は一人も発見することができなかった。
この件は情報規制され一部の兵員に噂が広がるだけに留まり、民間へと報道されず闇に葬られることとなる。
次回 血桜ハ還リ咲ク
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・アドリブ演技に関して
この台本はアドリブを入れる事を前提として書いています
なので演者様方の判断で挟んで頂いて構いません
是非素晴らしい演技にアクセントをつけてください
しかし作風に合わないものはご遠慮ください
・性別変更や比率に関して
作者はあまり好ましくは思っていませんがある程度ならば可とします
そのある程度の境界線は他の演者様たちとの話し合いに委ねます
・特殊なものについて
台本を演じる際に読み込まないで演じる行為や
言語を変える、明らかに台本無視と取れる
特殊な行為をするものは認めていません
流石に読み込んで普通に演技してください
多分そうじゃないとこの台本は演じれないです
二次創作等、商権利用問題のある場合、質問や不明点ございましたら
作者のTwitter
https://twitter.com/kaguratizakura
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