後編 桜ガ散ル頃ニ
16歳
学園ではひっそりと人気な女子生徒
かつての仲間を失い、意気消沈していたが
中編にて新しく生徒会に入る事になった
16歳
白髪、黄色の目をしている美少年の男子生徒
過去に何かがあったらしいが詳細は誰にも明かさない
16歳
生徒会に属する男子生徒、その実力は生徒会内でも頭一つ飛び抜けている
17歳
現在の生徒会長。会長として歴代と比べかなりの切れ者である。
15歳
にゃ〜と語尾につくような猫口調で話す女子生徒
神出鬼没で掴みどころがない
Nは→後のキャラ演者が読む
※設定一覧
同好会と称した罠を貼り、生徒を惨殺した男子生徒。
~っすといった特徴的な語尾の男子生徒
八木原に殺され死亡
自由気ままな女子生徒
八木原に殺され死亡
不自然な敬語を使う男子生徒
学園内の勢力図を熟知している
役表
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血桜ハ還リ咲ク 零章
「桜ガ散ル頃ニ」
N→
桜が散る前の鮮やかな日々
今は透き通り消えていったあの頃の情景
まだ笑顔が溢れていた・・・・・幸せな一時
決意を胸に抱いたまま
伸ばした手は空を切り少女の瞳が暗く
N→
桜が満開に咲き誇るある日の昼頃
眠たそうに屋上のベンチに寝そべりながら
校庭を眺めている
あくびをしながら伸びをした。
「ふわぁあっ…にゃああっ」
N→
目的もなくフラフラと歩き始めた。
階段の手すりに腰をかけて、滑るように下っていると
目の前から一人の男子生徒がこの男は怒りの形相を浮かべながら迫ってきている。
その男子生徒は
「にゃにゃっ!?これは危険にゃ予感だにゃ!!
逃げるのにゃあああ!!」
N→
後ろからは殺気に満ちた気配と追いかけてくる足音が聞こえたが
なんとか逃げる事には成功したようで辺りに
しかし気づかぬうちに普段人通りが少ない校舎へと続く渡り廊下へと逃げてきてしまったようだ。
「危なかったにゃあああ
まためんど~にゃ話をされたら…たまらにゃい
でも…?ここどこにゃ〜
来たことにゃいのだけど……」
N→
そこには一人の少年が誰かと電話をしているのが見える。
(誰……?てか凄い美少年だにゃあ!?)
N→
携帯端末を耳に当て誰かと電話をしていたのは、生徒会監査の
「…あぁ。問題ない
ゆっくりと
まだ所有者は刀を使いこなせていないようだ
………俺は直ぐに慣れる。心配はいらない」
(何の話…にゃ〜んだろ?)
「大丈夫だ
今月中にはそっちに戻るつもりだ
あと少しだけ頼むな
すまない、ありがとう」
N→
(にゃにゃにゃっ!?
めっちゃ迫って来てるにゃああ!!?)
N→
「……ん?…気のせいか?」
N→
「にゃんと怪しい……
気ににゃるのにゃぁ〜?」
N→
その頃、生徒会室にて
新しく生徒会に入った
「お手伝い頂きありがとうございます
他の役員でこういった作業をやれる者が少なく
会長のご不在時は私がやるしかないので
一人増えただけでも効率よく終わらせられます」
「そうは言ってもまだ
ゆっくりでしか出来なくてごめんなさいね」
「何を謝っているのですか?
とても助かっていますと言ったでしょう?
監査は戦闘の実力だけを見て貴女を推薦したのでしょうが
こういった事務作業までこなしてしまうとは思っていませんでした。
今の生徒会においてはとても貴重な人材です」
「そう?他にできそうな人はいないの?」
「生徒会室外での仕事が多い役員には、この仕事を頼んでいないんです
本来の責務を
「そう…。生徒会も案外大変なのね」
「いえ、いつもの事です
会長がおられる時は自分の仕事に専念できますが
ご不在の時は私が二人分請け負う訳ですから息をつく暇もありません」
「会長はいつ学園に戻るの?」
「今回の招集は定期会議ですので三日ほどで戻るかと思います」
「そう……ねぇ
「そのようですね
彼は会長が
今も監査として学園を巡回しているわけですが
彼が進んで外仕事を受けたのは
未だに所有者を特定できていないからではないでしょうか?」
「…そうなのかな
「………
少し休憩しましょう
と言っても、お願いしたい事がありまして
宜しければ着いてきて貰えませんか?」
「え…どうしたの?」
N→
そう尋ねるが
生徒会の主催する演習でのみ使われる戦闘ホールへと向かっていた。
「あそこに何の用事があるの?」
「
突然ですが一度私とお手合わせ願えませんか?」
「え!?急になんで戦う事に…?」
「新しく生徒会に入った貴女の強さを見てみたいだけです
他意はありません」
N→
お互いに得意とする武器を手に持った。
中は円形の更地が広がっており
その周りを取り囲むように観客席のある、コロシアムのような造りであった。
「ルールは五本勝負にしましょう
先に三本取った方の勝利とします
遠慮せずに来てください」
「う、うん…分かった」
N→
しなやかに太刀を振るい、鋭い一撃を
「な、早いっ!?」
N→
「…一本先取ですね」
「
強すぎる…もしかして
「まだまだ本気は出していません
それに
次は真剣に来てください」
N→
(リーチが長い代わりに大振りになりがちな太刀を
まるで短刀のようにしなやかに…
それでいて大剣で
「行きます」
N→
しかし圧倒的な威力で身体ごと押し返れてしまい、吹き飛ばされてしまった。
「…くっ!!なんて速度と威力なの!!?」
N→
顔の横に寸止めの状態で太刀が留まっていた。
「いつの間に…?」
「貴女が着地をした瞬間には既に斬れる状態でした
これで二本目です」
N→
再びゆっくりと
「ねぇ…
…もうわかるでしょ?何のために戦うの?」
「貴女は
その過程で恐らく彼と戦うことになるでしょう
結果、勝利を収めたとしてその後どうするんですか?
その先を考えていますか?
止めた後、彼にはどのような処置をするんですか」
「え…えっと、その先はまだ何も…考えてなくて」
「貴女の中にあるその迷い
それがある限りは、
彼は強いです。生徒会に
我々を敵にしてでも勝つという覚悟すら感じるほどの威圧を持つ
対して覚悟ができていない貴女では彼を止めることは愚か
何も目的を果たせないまま無駄足を踏むだけですよ
今一度考えてみてください」
N→
「はぁぁぁぁっ!!!」
「これは、先ほどよりも早く鋭い…」
N→
次第に焦りの表情を浮かべていった。
「急速な成長‥‥ではないですね
これは潜在的なものでしょうか?
それとも…?」
N→
すると、ヒヤリと冷気が漂うような強烈な殺意が城ヶ崎を襲った。
「それが…貴女の技ですか」
N→
「失礼のないよう全霊を以て挑ませていただきます」
『
『
『
『
N→
その型は
両者が同時に斬りかかる。
それは音速に届くかの如き速度で
その攻撃は
その三連撃を受けた
そこに
その横に薙いだ一閃が
「早い………ですが、私の勝ちです」
N→
突如、
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「うぅ…………えっと、あれ?どうなったの?」
「貴方の三つの技、それと私の
私が勝ちました。
みねうちでしたが、衝撃で意識を失ってしまったのでしょう」
「そう、負けちゃったのね」
「三つ目の技、
『
『
『
かなり洗練され、完成された型ですね
その刀術、どこで習得したのですか?」
「…覚えてないの
他界した父が使っていた技なんだけど
正式な型の名前は全くわからないし
他の習得者も見た事がない
何より教わった事なんてないはず…」
「謎が深まりますね
では話を変えましょうか
しかしすぐに会長が所有者であることに気づくでしょう。
となれば次に会長が戻る時を狙うと予想します
私達にできる事は彼か会長を監視するくらいでしょうか」
「そうよね…そうしてみるしかないわね」
N→
三日後、
その後、生徒会室内で役員一同の集会の後
「お疲れ様でした
今日はお休みになられてもよろしいのでは?」
「そうもいかない…今この瞬間、世界が動こうとしている
現れた時期や目的…もしかしたら八木原と何か関連があるかもしれん
ゆっくり休んでなんていられない」
「
目的や正体について一切が不明瞭なのでしょうか?」
「あぁ。わかっているのは奴らは黒いローブで姿を隠していること
人を殺すのに躊躇いのない集団であること
そして…人類にとって害となる存在であることだけだ」
N→
突然、生徒会室の扉がノックされる。
中に入ったきたのは生徒会の証である白い制服を纏った
「失礼します
何かお話を?」
「この話はお前も聞いていた方がいいな
そういえば…どうだ?
「はい。とても優秀な方です
役員の中で事務作業もこなせる人材は少ないですから
直ぐにでも私の補佐に欲しいくらいです」
「
それより生徒会長
「いや、接触すらしてこないな
今も監査として学園の巡回をしているのだろうが…
何をしているんだろうか」
「そうですか…それと先ほどはどんな話を?」
「今回の招集で議題となった謎の組織
その存在が人類を脅かす勢力になるやもしれん
引き続き政府が目を光らせているが…全く奴らの尻尾を掴めていないようだ」
「
N→
「何かご存じで?」
「いえ、なんでもないわ」
「お前らは通常通りの業務をこなしてくれ
俺は俺でやれることをする
自らの役目を果たせ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
N→
その頃、
先日襲撃してきた、
「どこだ…?誰も似たような動きをしていない……
何者だったんだ?あいつは確かな実力を有する人間だ」
N→
「他の生徒会役員…まだ見ていない者が多い
あいつらの中で…優れた実力者…
調べてみるか」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
N→
生徒会室にて
少しして、室内に
「
「はい。ただいま戻りました」
「
「‥‥かまいません」
N→
そこで
(気づいているのか…?だが何故背を向ける…?)
「
前の事件について、何か隠している事があるんだろ?
詳しく話してくれないか?」
「会長に話した内容が全て真実でーーー」
「俺に嘘をつくのは良い判断だとは思えないぞ
この学園で一番の権力者を前に、虚偽の話をする事は処罰対象となる
わかっているな?」
「………貴方が
「月ノ
その者には初代会長から受け継がれるアタッシュケース内に
これがそのアタッシュケースだ」
N→
「この端末は初代会長の持っていた端末だ
これが無ければこのアタッシュケースは開かない
ロックがかかってる状態で何らかの強い力で無理やり空けようとすれば、ケース内の爆弾が起動する仕組みになっている。
その威力はこの学園の半分が吹き飛ぶほどのものだ」
N→
アタッシュケースを地に落とすと刀を空に
表情は伺えないが、
「お前の持つ刀‥‥それも見せてくれよ?
俺の刀とどちらが強いか…比べ合いをしないか?」
N→
振り返った
そして刀を振りかぶり、そのまま
「っ!!?」
N→
「お前…誰だ?
「おやおや?察しがいいね?
オレは
前にお前と戦ったときはオレの意識はまだ虚ろだったが
今ではこんなにはっきりしている…オレは存在している」
「お前も俺を待ってたみたいだな」
「待ってたぜ…その
恋焦がれたような気分だった…な?」
「気が合うようだな
俺もお前の刀が欲しかった」
「相思相愛だったかオレら?
じゃあプレゼント交換会といこうぜ
いや、違うか?盗り合うわけだから、強奪会だったなぁ!」
N→
「この前とは違う、今度こそ…使えるぜ」
『
N→
その黒い煙は薄暗く、まるで
「よっと!!」
N→
「なにっ!?」
N→
まるで可視化された
その影は近くの校舎へと当たり、その校舎の壁が斬撃によって斬られ、風穴が空いた。
「なんて威力だ…」
N→
敷島はそのまま
二人の斬撃はお互いに当たる事なく、斬り合いを繰り返していた。
「やるねぇっ!」
「そりゃどうも」
N→
先に動いたのは
『
N→
「なにっ?確かに斬った‥‥はずだぜ?」
N→
気がつくと、目の前から
驚きながら辺りを注視する
「残念だったな
俺はそこには居ないぞ」
「あ!?どういう…?」
N→
声がした方に視線を向けると、先ほど風穴が空いた校舎の三階から
「いつの間にっ?」
「来いよ…こっちの方が人目につかないぜ」
N→
校舎の奥へと
「どこだ…?隠れてないで出て来いよ」
「焦るなよ…もっとゆっくり戦おうぜ」
N→
どこかに潜んでいる事を予想し、扉の前に立ち斬り倒す。
そうして中を確認した後、二つ目の扉の前に立った。
「オレはかくれんぼって嫌いなんだよな?
なんでかって?ウズウズするからだ
見つかった時の焦った顔‥‥‥早くそれが見たくてな
だから焦らすことなくさっさと見つけたくなる
わかるか?こういう事だよ!!」
N→
するとガキンと金属同士がぶつかりあう音が響く。
「なに…!?なぜわかった?」
「理由は簡単だ
お前の殺気を感じ取ったんだよ
わかりにくく隠してやがるな?
気配をその場に残して自らは好きに動けるのか
視覚頼りで戦う者には効果がないが
五感を駆使する敵の混乱を招く技
感覚全てを注視していたら気がつかない…
すげぇなその技」
N→
「強い…なんだこの力!?」
N→
「まだまだ技があるんだ
色々見せてやるよ」
『
N→
そして足を強く大きく踏み出した。
「はぁっ!!」
「ちっ!うらっ!!」
N→
その後、連続で繰り出された突きにより体勢を崩され、間髪入れずに放たれた一撃を受け、
「ぐっ!!痛ってぇ…でも
戦ってる感じがするな
酔いしいれそうだなこの感覚っ!!」
N→
「なにっ!?」
『
『
N→
辺りに血が飛び散る。
「あ…?いいねぇ~こりゃ強い技だ」
「ぐっ…!!うぁあっ‥‥」
N→
よろめきながら
「…当たったねぇ?そろそろ決着?つけようか」
「っ…!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
N→
その頃、
「
ただ私はそれしか考えてなかった
何も見えてなかったのね
馬鹿ね…私
まだ全然見えてなかったわね」
N→
頬を両手で叩き、再び目を開く。
その瞳には決意が籠っていた。
「まずは話を聞いてみない事には始まらないわね
それに約束したから…ちゃんと想いを伝えるって」
「わあ!!」
「きゃあっ!!なになに…!?」
N→
その時、後ろから急に大声が聞こえた。
「にゃんて嬉しい反応!
驚かし甲斐があって楽しいにゃあ」
「貴女…は?」
「私は…
貴女は
N→
「私を知ってるの?」
「逆に知らにゃい人にゃんて〜いにゃい気がするにゃあ~?
生徒会に突如入った美男子とマドンナ!
ってでっかく学園ニュースで見たのにゃあ~」
「急にびっくりさせるなんてやめてよね!」
「にゃははは
それより普段の
あれは素にゃの?」
「えっ?どういうこと?」
「前に生徒ニュースでインタビュー受けてた時
なんかいかにもなお姉さんって感じの雰囲気があったのにゃ
でも今は可愛い少女って感じだにゃ~?って」
「えっと‥‥‥うーん?
癖…なのかな?
今は違うんだけど昔一緒に住んでた双子の姉がいるの
でもお姉ちゃんは全然家事とかできなくてさ
私がやってて…なんかしっかりしないと!って意識してて
それが残ってるのかも」
「にゃるほどねぇ~」
N→
「肩の力抜かないと疲れちゃうよ」
「え?」
「たまには自然体でいるのも大事だにゃ~って言いたいだけにゃあ」
N→
またもや口元に笑みを浮かべて、再び辺りを回り始めた。
「…そうかな?」
「そうにゃ~…にゃっ!?」
N→
突如として
「そういえば
N→
「あ、あれ?」
N→
「あの子…なんだったの?
·····自然体か」
N→
「もしもしー」
「
会長が生徒会室にいないんです
もしかしたら…」
「まさか!?私も探してみる!」
「お願いします
私も他の役員を招集し、事態の説明したのち捜索を始めます」
「わかったわ!」
「もしも、妖刀を相手するのならば
まずは情報を探ってください
不用意に相対すれば不利になるのはこちら側です」
「え?でも!……いえ、そうするわ!」
N→
通話を切ると
(
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
N→
校舎内で息を潜めながら
(くそっ…なんだあの技
太刀筋が視えなかった‥‥‥
「どこだー?
この中かーい?」
N→
そこは科学作業の授業を行うための大きな机がいくつもあり
立ち上がらない限りは机の影によって死角となっている。
(
片目が見えないまま発動しても
…当てられるかわからない
ならば‥‥他の技か)
N→
奥に隠れた
後がない
『
「みーつけた!」
『
N→
しかしその一撃は軽く弾かれ、影が
「うぐっ!?…がはっ!」
N→
吹き飛ばされ、壁に背中を打ち付けられた
「ゴホゴホッ…」
「片目を潰したからな~?思った通りに身体が動かないんじゃないの?」
「…どうだかな
こんなのすぐに慣れるさ」
「そうかいっ!!」
「ぐっ!!」
N→
「うぅ…くそっ
力が出ない‥‥なぜだ!?」
「教えてやろうか?
弱い人間なら一撃でも
力が抜けるくらいで済んでるのはお前が相当な手練れであるのを物語ってるな」
「なるほどな‥‥そんな力が」
「そのポーカーフェイスがいつまで持つか気になる?なぁっ!」
N→
立ち上がろうと脚に力を入れた
その脚に蹴りを入れた。
再び膝をついた
「ぐっ!!?がぁあ!!」
「痛いだろぉ?そりゃそうだ!
思い切り蹴ってるんだからなぁ!!」
『
「いつまでも通用するわけねぇだろ!!?」
N→
「あれ?落ちちゃったなぁ!?大丈夫かー!!」
N→
そして地面に向かって膝蹴りの体制を取りながら降りていく。
地面に衝突する直前に
「あーーらよっと!!」
「ごはっ!!!!」
N→
腹部に三階から勢いよく放たれた膝蹴りを食らった
「摩天…幻‥‥象が‥‥‥‥通じない!?」
「あぁ~オレはな
まだ不完全なままなのか
色覚に異常があってな
世界が白黒にしか見えてないんだ
ただ代わりに普段見えないものが見えやすいんだよな
例えば視線の向きだったり
その強弱だったり
それを辿ってお前の意識を判別したんだ」
「クソがっ……」
N→
「があぁあぁぁっ…」
「さぁて?そろそろトドメ?刺そうかなぁ」
「くっ…そ!!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
N→
その頃、
目撃情報がない事を視野にいれ
やがて、特別授業が行われる以外で普段使われない校舎へとたどり着いた。
「ここ…かな」
N→
校舎に入ろうとすると校舎裏から窓が割れる音が響くと
すぐに何かドスッと重いものが落ちる音がした。
「まさか…!?戦って?」
N→
そこには背を向けていて正体がわからない男子生徒が
その男子生徒は白い制服を着ており、その姿が
「修也君と……あれは会長?」
「死ね‥‥
「ふざけんなっ!!」
N→
その瞬間勢いよく
「っつ!!?何しやがった?」
N→
ゆっくりと
「なんかまだ…隠してるな?
どうでもいい!殺してやるよぉ!!」
「あれが…生徒会長!?
違うっ!あれは誰!!?」
N→
『
「があああああっ!!!」
N→
かなりの勢いで校舎の壁へと叩きつけられる。
「妖刀…なんなの今の力!
あれが本当の力…!?
どうすれば‥‥」
N→
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「なんですぐに助けにこなかったの!
先に向かった貴方の方が到着は早かったはず!
どうして見てたの…!?」
「………あの刀の詳細が不明瞭すぎた。
不意を突いた一撃の際
奴の反撃で返された時も先に刀の力を見ていて警戒していたから
その後の追撃を受けなかった。
もし無知であったのならそのまま、まともに受けて斬られていたのは俺だった」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「…そうだ。妖刀の情報がないんだ」
N→
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「この刀は代々この学園の生徒会長が所持を許される
人智を超えた力を持つこの刀は才能を有する者に更なる力を与える」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「そうよ‥‥私の理解を超えている刀
危険‥‥よね」
N→
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「もしも、妖刀を相手するのならば
まずは情報を探ってください
不用意に相対するのならば不利になるのはこちら側です」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「わかってる…まともに戦ったら負けてしまう」
N→
「そうだよ……二人は情報を見るために見捨てられた
私も今…同じことをしている
もし‥‥
多分、迷わないで助けにいく」
N→
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「先輩ならできますよ」
「
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
N→
二人に背中を押されたかのように
「食らえ!!」
『
N→
ガキンと大きな金属音が響く。
「あぁ?お前は…夢野?
なぜここにぃ?」
「なぜって‥‥
貴方…会長じゃないわね
誰なの?」
「オレは…こいつの二つ目の人格だ
こいつの劣等感や不安、そんな暗い感情が生み出した人格だ
人はそれを
「じゃあ‥‥本来の会長はどうなったの?」
「眠ったままだ
きっかけは会議の時だ
学園を守れず、色々言われてねぇその重責に耐えられず
オレが出てきてしまったぁってわけ?」
「…そう
なら貴方は、なんのために今戦ってるの?」
「もう一つの妖刀が欲しくなった
それとオレを知っちまったお前らを殺すだけだ
生徒会に二人が忍び込み、オレを殺そうと画策し
八木原の情報を偽って伝えて…?オレを騙そうとしたってのでどうだ?
生徒会長がこれを言えば嘘でも真実になっちまう」
「そんなのが通るわけーーー」
「それが通っちまうんだなあぁ!
なんせオレは生徒会長だっ!
ここではオレの発言の一つ一つが絶対なんだよ!!」
N→
「
「
「話は後よ
今は逃げなさい」
N→
ヨロヨロと覚束ない足取りで離れていった。
「おい?逃げるのかあぁ!?」
「貴方の相手は私よ」
N→
「あぁあ~~~まぁいいや
お前を殺して追いかけても間に合うだろ?」
「そうはさせないわ」
N→
「オレを倒せるってかぁ?アァン!!?」
「来なさい…」
「その態度…うざってぇなああああ!
望み通りあっさりと殺してやるよ?」
『
N→
否、かき消されたのだ。
弾くように刀で斬り落とされた影はそのまま消滅していった。
「あぁ?…どうなってんだ?
これは…どういうことだああぁぁぁ!!?」
『
N→
再び三連続で放たれた影は全て
「どうなってんだ?てめぇのその刀…?妖刀か?」
「違うわ
これは私のお父さんが使ってた刀
名は
私の使う流派は
一刀に込めた力は太陽が如く闇を払う!
思い出したわ。これが私の力の正体よ」
「
だがよ?それがどうだってんだああぁぁっ!
ただの刀とわけわかんねぇ流派如きが
妖刀に勝てるわけねぇーんだよ!!
これでてめぇをぶち殺してやるぜ!!?」
『
N→
その刀は影をまとっていく。
その影は今までの
「おおおおお!?ここまで力が出るとは…!
くらいなぁあああ!
おらあああああああ!!!」
『
N→
「なんだと…ここまでの力を以てしても貴様が上だと!?」
「甘かったわね」
『
N→
その高速の一撃は帯電していた静電気を刀身に宿すと、
「ぐがあああああああああああぁぁぁぁっ!!!!」
N→
刀を下ろし、地に膝をつけた
「ふ、ふざけ…んじゃねぇ!!
やられてたまるか…よお!!」
N→
「…逃げた?
いや、会長は
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「会長‥‥一体どこへ?」
N→
「おやおや~?生徒会副会長さんじゃにゃいですか~」
N→
突如、真上から声がした。視線を上げると、木の上に一人の女子生徒が昇っていた。
ぴょんと
「会長さんをお探しにゃの?」
「
「にゃんと!?私の名前も知ってるにゃ~んて」
「月ノ都学園在学生の名前は全て把握しています
それより、なぜその情報を?
まだ生徒会内でしか知られていないはずですが?」
「ん~~?それは内緒
でも、会長の場所なら教えてあげれるよ」
「‥‥情報料はいかほどがお望みですか?
金銭でしたらポイントでお支払い致します」
「そんにゃのいらにゃ~~い
それより、聞きたいことがあるにゃ~」
「何なりとご質問ください」
「会長がもし学園にとってマナー違反な事したらどうするの?」
「どういう意味でしょうか?」
「貴方にとってどっちが大事にゃのかな~って
自分の恩師ともいえる存在が大事にゃのか
学園の規律が大事にゃのか」
「愚問ですね
学園の規律こそ第一
その為ならば私は会長であろうとも斬ります」
「にゃははは
すごい覚悟だこと
貴方の学園への忠節はにゃにから来てるの?」
「それが私がここに居る理由。それだけの事です」
「ふ~ん。まぁいいや
早くいかにゃいと~」
「失礼します」
N→
「もしもし~
にゃんだか、面白くにゃりそ~ね」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
N→
ただひたすらにその場から離れていく。
「なんだってんだ…?あの野郎!」
N→
目の前に一人の生徒が立ちふさがる。
それは生徒会副会長
「会長…?その傷は?」
「
N→
「会長っ!?」
「きさまがぁ!?
ハハハハハ。お前が、居なきゃよかった
オレは…おれは…俺は…!
惨めな思いをすることもなかったあぁつ!」
N→
敷島は
「会長‥‥そこまで行ってしまわれたのですね」
『
N→
「生徒…への無意味な攻撃活動‥‥
会長としてあるまじき行為です
約束通り私が止めさせていただきます」
『
N→
防御の構えを取った
「ふざけんじゃねええええ!!」
『
「っ…会長!」
N→
「がああぁっ…!!!」
N→
「ぐ‥‥がはっ‥‥
随分と、容赦…ねぇじゃねぇか
「会長…」
「…ハハ
お前に実力も劣ってるとは…どこまでも‥‥妬ましいやつだ
そういう所が…俺を抉るんだよ」
「私に対するその想い
「………お前さえ居なければ自分をここまで卑下する事もなかった」
「会長…………
貴方を現時刻を持ちまして、生徒資格を剥奪し
重犯罪者と判定
警察へと身柄を引き渡します」
「…あぁ。異論はない
さっさとやってくれ」
「‥‥‥会長
今までありがとうございました」
「……………礼を言われる覚えはない」
N→
少しして駆けつけた他生徒会役員が警察へと連絡を入れた。
それから、一時間も経たぬうちに、武装した警察隊が
その姿を生徒会役員一同は誰も言葉を発することもなく
ただ静かに立ち尽くしながら、呆然と眺めていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
N→
その頃、
屋上に続く階段の途中で座りながら片目を押さえている。
「っつ‥‥
なぜ…?
俺は…あいつらを見捨てたんだ
なぜだ…なぜ俺を助けた‥‥‥?」
N→
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「様子が変だ…誰もこっちに来る気配がない」
「どうしたの
「嫌な予感がする…声の数が少なくなってる」
N→
その視界の端に黒いローブを着た不審な男を捉える。
「なんだ…あいつ?」
N→
途中で見失ったかと思ったその時
黒いローブの男が桜の木の陰に隠れたまま話しかけてきた。
黒ローブの男
「お前は‥‥‥‥の者か?」
「何者だ?それをどこで知った?」
黒ローブの男
「我らが
お前の‥‥目的も、過去も全て」
「なんだと…?」
黒ローブの男
「我らは
この世に終幕を
「
ちっ…お前らに構っている暇などない」
黒ローブの男
「今…起きているのは
他の人間を抹殺する余興…
我らに…入るための‥‥条件」
「
黒ローブの男
「お前も知っているだろう?
妖刀の…存在……
奴は所有者」
「なんだと…?」
黒ローブの男
「お前…奴に代わって‥‥
妖刀‥‥手に入れ‥‥
こちら側に来い‥‥
貴様の目的は…我らが野望と道を共にしている」
「何の話だ?説明しろ!!」
黒ローブの男
「あわてるな…まずは
N→
そう言い残し、いきなり黒ローブの男の気配が消えてしまう。
急いで桜の裏側に回ったが、そこに男の姿はなくなっていた。
「なんだ…?っ!急がないと!」
N→
二人はまるで灰のように散りぢりに消滅していった。
「あれは…妖刀!?あの男の言ってた通りあいつが持っていたのか!
クソっ…間に合わなかった
『
N→
そして妖刀を奪うと、腕を失った
「強者にはそんな権利があるのか
つまり貴様を断罪する権利は俺が持っているということになるな
ならば言葉通り貴様の生死は俺が決めよう」
N→
その
「なんですぐに助けにこなかったの!
先に向かった貴方の方が到着は早かったはず!
どうして見てたの…!?」
N→
しかし彼は真実を胸に秘めてしまう。
「それはお前には関係ない…」
N→
これ以上、
この先に来てはいけなかった
既に幾つもの命を奪ってきた
やり直せるのならばやり直したい
しかし、そう口にしてはいけない
そんな事を言っても仕方ない
罪を嘆くのは逃げ道だ
自らの過ちから目を逸らす
その逃避行は罪を背負う彼には通る事の許されない道であった
「‥‥‥‥‥‥たとえ
どれだけの犠牲を払っても‥‥
それは…俺のしてきた事だ
数え切れないほど花びらを散らせた…
その上に俺は立っている……
目を背けるつもりは…ない‥‥
そのはずだろ…」
N→
階段を駆け上がる足音が聞こえてくる。
身構えた
「
「
N→
「目を斬られたの?
今から医療室に行かないと!!」
「
俺は
それなのにっ!」
「…えぇそうかもしれない
でも貴方は私を救ってくれた
今はその借りを返しているつもりよ」
N→
後悔や疑念といった感情が混ざり合い、その行き場もないまま俯く。
「
私は貴方を友達だと思ってたわ
それでも関係ない?友達だから助けたい
そう思うのは変かな?」
「………いや」
「貴方が何を抱えてるのかわからない
だけど、もし私を友達だと思ってくれてるなら
いつか話してほしい
頼りないかもしれないけど
私は
「‥‥」
「
今までずっとしっかりしないとって
ずっと無理してた
だからかもしれない
今自分がやりたい事とか
全部後回しにしてて‥‥
何がしたいかわかってなかった」
「‥‥‥」
「多分ね。友達が欲しかったんだと思う
それで信じて欲しかった。
誰かの傍に居たかったんだと思う
一人って誰でも寂しいもの…
私だってそう
でも、二人なら寂しさを分け合えると思うの
私じゃ力にならないかな?」
「‥‥もう遅いんだよ
もう俺に関わらないでくれ」
N→
「…立ち止まることはできない」
N→
差し伸べた手は払われたのだ。
彼に拒絶された後、自らの不甲斐なさを憎むように握りしめたハンカチには緑色の血がこびり付いていた。
「今も
なにと…?一体、
N→
そして次の日、
生徒会長が不在の間、副会長が代理でその任を担当する事となった。
そしてその後行われた会長選挙の末、
N→
それから半年以上、時が過ぎた頃
若くして学園のカリキュラムを超えた実力を所有し
それを自在に扱える者は特例で、年齢を問わず
国の認可が下りた場合、兵員となる事ができるのである。
その特例兵員の名前を聞き、
年齢:16
階級:三等兵員
所属班:現在設立申請中
次回
終編 桜ヲ枯ラス呪イ
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裏設定
・
・
しかし二人が触れる事も、話す事もないため
生徒内で口にしてはならない学園内の謎になっている
・妖刀は持ち主によって力を変える。
・
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・アドリブ演技に関して
この台本はアドリブを入れる事を前提として書いています
なので演者様方の判断で挟んで頂いて構いません
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・特殊なものについて
台本を演じる際に読み込まないで演じる行為や
言語を変える、明らかに台本無視と取れる
特殊な行為をするものは認めていません
流石に読み込んで普通に演技してください
多分そうじゃないとこの台本は演じれないです
二次創作等、商権利用問題のある場合、質問や不明点ございましたら
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https://twitter.com/kaguratizakura
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