ゆるビアン
結局すんでのところで間に合わなかったGPZのリアホイール換装作業。
次の土日にまた集まって作業再開する予定でGPZは途中でカバーをかけて現状維持(現状放置とも言う)。私は宗則のCBを借りて、宗則は洋子のカフェを借りて一週間過ごす。その間、洋子は私の家に泊まりでCBに私とタンデムで通学する。
それぞれ状況を楽しんでくれてはいるが、申し訳ない気持ち半分、良い友達に恵まれたなという嬉しい気持ち半分。
最初は私と洋子でベットと寝袋(プラスロールマットのセット)を交互に使用しようと言う約束だったのだけど、3日目に洋子が約束を破ってきた。
夜中に私の肩をそっと揺すってきて「キョウ、起きてる? なんか寝付けなくて、ちょっとだけでいいから手握ってていい?」と言う洋子。
半分寝てて半分夢を見ていた私はすぐに頭が回らずに、洋子の言っていることの意味をぼんやりと考える。
「この前私が泣いちゃった時、キョウにもたれかかったまま寝ちゃって。あの時、すごく安心して眠れて。私たまに嫌なこととか思い出して眠れなくなる時があって、そういう時だけでいいから、ダメ?」と続ける洋子の言葉でやっと頭が回ってきた。同時に、あの日泣きじゃくった洋子の顔と言っていたことが頭に浮かんでくる。
「おいで、洋子が眠れない時はいつでもいいから」と言って、布団を広げて洋子を招き入れた。布団と一緒に拡げた私の腕を枕にするように潜り込んできた洋子をそのまま抱きしめる。暖かい。猫を飼っている人は毎日こんな気持ちなんだろうか。
いつの日か毎日幸せな気持ちで洋子が寝付ける日が来るといいなと思う。こんな些細なことでも、私に出来ることなら全てしてあげたい。そんな事を考えながら再度眠りについた。
腕が痺れて、更に何か冷たい感じがして目が覚める。熟睡している洋子のよだれで私の二の腕が濡れている。そこから先の腕は痺れて感覚がない。
そういえばそんなやりとりがあったっけ、ともう片方の手でそっと起こさない様に洋子の頭を抱えて腕を抜いた。
この日以降、私たちは一緒のベッドで寝るようになった。
もちろん、それ以上何かがある訳ではない。私たちは変わらない。洋子は大事な友達。
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