第27話 まさかのあいつから

俺は凪の家を去ってから1人寂しく歩いていた。


マジでなにがいけなかったんだろう。

経験豊富なやつはすぐこの状況を対処できるんだろうけど俺はチェリーだしな。


ほんとにどうしよう。別れたくないな。


悲壮感だけが押し寄せてくる。


家に着いてからも凪に追い出されてしまったことしか考えられなかった。

ごはんも味がしない。お風呂もぬるい。ベットも気持ちよくない。


「はは、またかよ、また振られたのか。だっせ、俺。」


溜息さえも震えていた。

その時だった。


プルルルル、、、


携帯をとってみると画面には佐山沙也加の文字が浮かんでいた。


「もしもし?なんかあった?」


恐る恐る電話にでた。


「いや、文化祭の件で決めておきたいことがあってさ。

 え、てか泣いてねwまさか振られた?w」


クスクスと笑いからかってきた。


「別に、振られてはないし」


「振られては? じゃあなんかあったん?」


こいつなんでそんなわかるの、と突っ込みたくなったが我慢した。


「まあ、さっき家行ったんだけど、その、した、後にすぐ追い出されちゃってさ。」


「わー、したんだ♡。じゃあ文隆はその時になにかしたんじゃないかって不安になってるってわけね。」


「そうそう。うまくはないけど痛い素振りもなかったし最後までいい感じに終わったのに、急にだよ。」


思い出したらまた泣きそうになってきた。ぐすん。


「なるほどね。まあ文隆が思っている以上に女の子って繊細だから行為中の何気ない一言が深く傷をえぐっちゃうときあるからねー。」


「うーん、確かにそうかもしんない。そうなると俺どうしたらいいんだろう。」


女心がわからない俺にとっては死活問題やないかい。


「じゃあプレゼントと一緒に手紙書いて謝りにいったらいいんじゃない?」


名案!と言わんばかりの張りのある声だった。


「おお!それいいかも!でも何あげていいかわかんないや(笑)。」


プレゼントあげたことないってー。


「じゃあ私が一緒に選んであげるよ。女の子の意見もあったほうがいいでしょ??」


「うーん、たしかにその通りだけど彼女いるのに他の女の子と出かけるのは…。」


「大丈夫だって!デートじゃなくてただの買い物でしょ?そんな気にすんなって。」


「そこまでいうなら、お願いしようかな。」


ほんとにいいのか不安になりながらも頼んだ。やっぱり女の子の意見あった方がいいもんな。


「じゃあ明日の放課後予定ある?」


「いやないよ」


「じゃあ明日いこ!またねダーリン♡」


彼女はそう言って通話を終えた。


あれそういえば文化祭の件は?と思ったが気にしないことにした。

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