第24話 DT卒業!?
や、やあ、こんにちは。俺は今童貞を捨てる機会に立ち会っているかもしれない。
その理由はこのうす暗い2畳ほどの小さな個室できれいな黒髪の彼女と2人きりで映画を見ているからだ。
ここまできて、しないという選択肢は果たしてあるのだろうか、いやない。
「ねえ、この2人いい感じだね、、、。ラブラブだあ、、。」
「ほんとだね、キスしそう、、、。」
画面の中では俺らと同い年の高校生たちが手をつないで学校から帰宅しているシーンが映っていた。
「このまま家とかいってイチャイチャするんじゃない?(笑)。」
俺が冗談交じりにいった。
「これ健全なやつだからそれはないよ!!(笑)。」
俺の腕をポコポコ叩いてくる。 なんてかわいいんだ。
すると女の子のほうが急に彼氏の腕を引っ張ってホテルに入っていった。
俺らはその行動を全く予想できなかったため虚を突かれた。
「う、うーんと、これ健全なんだよね???」
やや困惑気味に問いかけた。
「た、たぶん。」
しかし凪のいうことにはお構いなしに物語が破廉恥な展開に走っていく。
もう2人はベットの上でキスまでしている。
俺らは顔を赤らめ惚けていた。
そこから男が女の子の胸に手を伸ばそうとした瞬間、
「だ、ダメーーーーー!!!」
凪がものすごいスピードでブラウザを閉じた。
「あ、あ、そうだよな!恥ずかしいよな!」
あぶねー、この作品が危うく18禁になるところだったぜ。
まあ、そんなメタ発言は置いといて、、、
2人の中に沈黙が生じてしまった。
なにか話題をと焦っていると
「ふみくんもあーゆーことしたい?」
うつむきながらそう聞いてきた。
いやそんなの男ならしたいに決まってるけど、正直に答えていいものなのか、、、。
やりちんの人教えてくれーーーー。
「まあ、人並みに、は。」
そう答えるのがやっとだった。
「じゃあここでする?私は全然いいけど。」
え、マジ? ここで? いいの???
人間からサルに退化するけど大丈夫???
「し、したい。じゃあ、、、」
そういってキスをするために近づく。
もうお互いのにおいがわかる。
シャンプーと汗が混ざった女の子特有のにおい。
正直興奮せざるをえない。興奮しないほうが失礼だよなお前ら。
「いいよ、きて。」
彼女はぎゅっと目をつむっている。
いけ、おれ、がんばれ、おれ。
3センチ、2センチ、1センチ。
重なる、そう思ったとき
「すみません、お時間となりまーす。」
ギャルっぽい女の子がドアの向こうから声をかけてきた。
ちっ、スタッフかい。
いや待てよ、なんか聞いたことある声だな。
そう思いドアを開けるとそこには
「やっほー、どーてーくん。Hなことしようとしてるとこごめんだけど時間だからねー。」
クスクスと笑う佐山の姿があった。
「さーやーまーさん、まだ時間を知らせるには少し早いんじゃない???」
鬼の仮面をかぶっているのかわからないくらい怒ってらっしゃる、、。
「あ、まちがえたーごめんね?♡」
てへぺろの顔文字が今のこいつをよく表せると思う。
くそーーーーあとちょっとだったのに、、、。
ぐすん、、、。
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