第22話 そんなことしちゃらめええ
「ちょ、ちょっと佐山、、、さん?」
「大丈夫だって、彼女さんには見られなければ怒られないって、、、」
んっ、あんっ
佐山が可愛い声を漏らす。
ギャルが目の前で、こんな声出しているなんて世の中の男子高校生で耐えられるひとがいたら俺の前にすぐ来てほしい。
まあ絶対にいるわけねーがな!!!
俺は常に寝ている相棒を起こさないよう必死だった。
なんで起きてほしくないときにこいつは目が覚めるのだろうな。
授業の終わりの号令の時とか朝母さんが起こしに来るときとかな。
全く困った相棒だぜ…。
「あんた鈴木とこーゆーことしたことないでしょ?だ、か、ら
あたしで練習しとこ?」
ち、ちかい…。佐山の息がかかるくらいの距離。
上目遣いが兎に角可愛い。
「い、いや展開が急すぎるし学校じゃだめだって…。」
目が泳いでるなあ、俺。
「まあ確かに。じゃあ作業もどろっか」
すーっと席に戻る彼女。え????
態度変わりすぎてない???
「え?なんでそんな急に冷めたの???」
マジで訳が分からん。女子ってこういうもん?俺が童貞だから?
「い、いや何でもないよ(笑)」
クスクスと笑ってる。頬を少し赤らめながら。
「まあからかい過ぎても怒られちゃうしね♡
ごめんごめん、再開しよ!」
そういってシャーペンを走らせる。
俺も同じように仕事に取り掛かる。
太陽が落ちていく。周りの雲たちにお別れを告げているかのような
やさしいオレンジの背景とともに。
教室には俺と佐山二人きり。
世界に俺らしかいないような幻想的な空間。
彼女の髪に見とれてしまう。
「そんなみ、見るなよ…。照れるだろ…。」
え、やば、かわい、、、
~~~
ねえ、ねえ?
夢の中で誰とイチャイチャしてるのかなあああ???
「うわああっ」
俺は飛び起きた。心臓出てない?これ。
「あ、凪…。違うんだこれはその、凪のワンピース姿を見てだな…。」
やばい、殺される…苦しいかさすがに…
「え♡もおやめてよお。授業中も考えてくれたんだあ」
にゅふふ、という表情をしてこちらをみてくる。
いやそれは反則な可愛さだな。うん。
夢で彼女以外の女の子の夢を見た俺を誰か殴ってくださーーーーーーーい
そういったそばからあの黒ギャルと目があってしまった
ぱちっ、佐山のウインクが飛んできた。
やめて、そんなことされたら…夢のこと思い出して今度こそ絶対殺される…
そんなことしちゃらめえええ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます