告白した私のくだらない話

魚思十蘭南

告白した私のくだらない話

私には好きな人がいます。

同じクラスの男の子。高槻くん。

凄くかっこよくて優しくてクラスの人気者。


私は今日、高槻くんに告白する。

この1年、いろいろとアタックを仕掛けてきた。

いっぱい話しかけた。文化祭では一緒に店番をした。バレンタインも凄くがんばって手作りチョコを渡した。2年生になってまた同じクラスでほぼ毎日話してる。

これだけがんばって報われなかったら、この世の中はどうかしてる。


帰りのホームルームが終わって、ベタだけど体育館の裏に呼び出した。


ドキドキしながら待っていると、向こうから高槻くんが走ってきた。


「お待たせ。話って何?」


「あ、あのね、その...」


やばい、心臓が破裂しそう。

今になってMAXで緊張すんなよ私!

とにかく今は話さないと。


「高槻くんは好きな人とかいるの?」


「ああ...」


変な間が空く。

一瞬なんだろうけど、私には何十分にも感じる。


「いない。」


はい、終わったー。

これで告白なんてできませーん。


「そっか...」


「あれ、どうして落ち込んでんの?そんなに嫌だった?」


「え、そういうわけじゃないけど...」


「でも事実だしな。」


「うん、大丈夫。ごめんね。」


「え、それは無理ってこと?」


ん?無理とは?


「無理っていうか、なんていうか、無理って?」


「いや、だから。」


高槻くんは深呼吸をした。


「俺は稲井のことが好きなんだけど、付き合ってくれない?」


「え?」






























そういえば、私の苗字「稲井(いない)」だった。























この後めちゃくちゃ付き合った。

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告白した私のくだらない話 魚思十蘭南 @ranan5296

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